メシコレでも幾度となく話題になってきた「大阪スパイスカレー」の一大ムーブメント。
インドカレーでもなければ、昔ながらのカレーライスでもない。
カレーライスの延長線上にありつつも、インド周辺国のスパイスを独自調合し、独自の感覚・レシピで提供するカレーの総称ともいえる「スパイスカレー」というカテゴリ。
そのオリジンは北浜「カシミール」とも「ルーデリー」ともいわれていますが、とにかく音楽やアートなどのカルチャーシーンと融合しながら、近年大阪で物凄い盛り上がりを見せてきたわけです。
その勢いはもはや「カレーの首都は大阪」と呼んでも反論できないほど。
けれど・・・けれど・・・です。
では東京ではそのようなカレーの進化がなかったのかといえば答えは「否」。
神宮前「GHEE」(現「BRAKES」)や八丁堀「カリーシュダ」、南新宿「ムーンボウ」など、ホールスパイスから作る「スパイスカレー」は東京にも以前から存在しているんです。
ただ、大阪のように華やかな横の繋がり、一気に盛り上がる「シーン」が存在してこなかったわけです。
しかし、2015年から2016年にかけて、状況は少し変わってきました。
「大阪スパイスカレー」にも比肩する、自由さと華やかさを持ち合わせた個性的なお店が次々と東京に登場、大阪のカレーマニアからも注目を集め始めたのです。
しかもそれらの殆どが、大阪スパイスカレーを模倣したわけではない、いわば並行進化。
2016年。
あたらしい「東京スパイスカレー」時代が幕を開けた、そう言ってもよさそうです。
その1:ハモニカ横丁に潜む、東京スパイスカレーの起爆剤「piwang」
吉祥寺・ハモニカ横丁にある、小さな小さなカレー屋さん「piwang」(ピワン)。
ここが大阪スパイスカレークラスタに最初に「発見」された東京スパイスカレーかもしれません。
あまりにも端正で美しいライスとカレーの配置はインスタ映えも抜群で、遠方からの訪問者に興味を抱かせるのに充分。
まずはそのビジュアルに惹かれ訪問した客が、今度はその旨さに驚き、瞬く間に話題に。
ついには大阪のカレーイベントに招聘されるまでになりました。
現在は大阪スパイスカレーのシェフとの交流の成果もあり、東西スパイスカレーを繋ぐ存在感を示しています。
カウンターのみの極小店につきウェイティング必至、さらに3名以上での来店は不可となっていますのでご注意を。
紹介しているお店はこちら!
店名:piwang
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-4 ハーモニカ横丁内
電話番号:非公開
営業時間:12:00~15:30(L.O 15:00.) 18:00~20:30(L.O 20:00)
定休日:水曜日+不定休
公式ページ:https://www.facebook.com/piwangcurry/
その2:秋葉原古民家スパイスカレー。「カレーノトリコ」
2014年に誕生、みるみる間にカレーマニアの間で評判となった古民家スパイスカレー店。
まず驚くのは、カレーの上にドサッとぶっかけられたカスリメティの香り。
大阪スパイスカレーでもよく用いられる手法ですが、シェフは関西ではなく、かつて神保町「エチオピア」にいたことがある方。
「エチオピア」といえば、東京カレーの聖地・神保町において、いち早くカレーライスとインドのスパイス使いを融合した、いわば「東京スパイスカレーのパイオニア」。
そこから飛び出し、関西「スパイスカレー」にも匹敵するビシバシ感が魅力のカレーを生み出したこのお店、今や「piwang」と並ぶ「東京スパイスカレー」の名店です。
紹介しているお店はこちら!
- カレーノトリコ
- カレーライス 都営新宿線 岩本町駅 A2口 徒歩1分
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その3:写真屋の軒下、華やかに香るスパイスの宇宙。「カレーの惑星」
2016年下北沢に誕生したカレー店の中で一番の話題店。
ファサードは『フジカラー 北澤フォトサービス』。
シャッターが閉まっている時はここがカレー屋だとは絶対判りません。
まずここのカレー、盛り付けがとにかく綺麗!
カレーの周囲に色とりどりのおかずが配置されるさまはまさに「カレーの惑星」!!
真俯瞰からの写真映えは大阪スパイスカレーにも決して引けを取りません!
そして見た目だけではありません。
定番のドライキーマが濃厚で美味い。
ガッツリじっくりローストされた野菜の香ばしさ、粗挽きキーマの弾力、そして濃厚甘辛な味わいを演出するアムチュール。
加えてクラッシュされたカシューナッツによる食感の変化。
立体的な香りと味がギュギュっと凝縮された素晴らしいキーマです。
カレーは定番ドライキーマを中心に常時三種ほどを取り揃え。
その他、カルダモンなどのスパイス酒も用意されており、軽く飲みながらスパイスを味わうという使い方も可能ですよ。
紹介しているお店はこちら!
その4:妄想は拡大し、ついに実店舗始動へ!「妄想インドカレー ネグラ」
「インドに行ったことのない店主がつくる、妄想の中のインドカレー」
「コンセプトを貫くため、今後もインドに行く予定はない」
その特異なる存在感と、ネタだけに終わらない美味さによって、多くのカレーフェチを虜にしてきた「妄想インドカレー ネグラ」。
メシコレでも記事に上げましたね。
(調理は目の前で?高円寺に現れた噂の「妄想インドカレー」とは )https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/8529/
この夏、間借りしていた店舗が入っている建物が「予定通り」取り壊しに入り、「予定通り」閉店。
しかし妄想は再び現実となり、2016年9月22日に実店舗新装オープン!!
入り口をくぐるとまず、そのカオスな世界観に圧倒。
妄想が異様にパワーアップしています!!!
豪華絢爛なインドのマハラジャの宮殿・・・のようであって、そうではない。
インドの街角にある大衆食堂・・・のようであって、やはりそうではない。
そもそもインドっぽく見えて、全然インドじゃない気もする。
だって妄想インドですから。
メニューは、とくになし。
その日その時の2種盛りカレーの内容を店主が説明、了承したところでカレー製作にかかります。
シラスに山椒に万願寺・・・今日はどんな食材が妄想インド化するのか・・・・楽しみに訪問しましょう!!
紹介しているお店はこちら!
店名:妄想インドカレー ネグラ
住所:東京都杉並区高円寺南3-48-3
電話番号:非公開
営業時間:13:00~21:00(通し営業)
定休日:月・火
公式ページ:https://www.facebook.com/negura.curry/
その5:大阪の名店から恵比寿へ。絶品チキンカレー一本勝負のお店。「あしたの箱」
JR恵比寿駅から徒歩1分の好立地。
バーのランチ間借りで登場した「あしたの箱」
こちらの女性店主はなんと、大阪の名店「タンダーパニー」出身なんです。
「タンダーパニー」といえば創業1990年、昨今の大阪スパイスカレーブームとは一線を画し、
必殺のチキンカレーに拘りつづける老舗。
2013年には大江橋に2号店を出すなど、根強い支持を集めているお店。
こちら「あしたの箱」も「タンダーパニー」同様チキンカレー一本勝負なのですが、
独自の進化を遂げた激ウマカレーとなっています。
満月をイメージした印象的なビジュアル。
シャバシャバでじんわりしみ込むような辛さ、骨付きチキンのたまらない旨さ・・・
ボウル一杯のシャキシャキ玉ねぎと酢漬け玉ねぎをカレーに混ぜて味変を愉しむ趣向は「タンダーパニー」譲りです。
食べた後胃が軽くなるような感覚、またすぐに訪問したくなる中毒性、2016年注目の新店ですよ。
紹介しているお店はこちら!
- あしたの箱
- カレーライス JR埼京線 恵比寿(東京都)駅 西口 徒歩1分
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