全国には「焼きそばといえばあんかけだよね」という地域が何箇所かあります。長野県の東信・北信地方はその一つ。
ルーツは大正13年に長野市の権堂で創業した福昇亭という中華料理店。信州の食材や嗜好に合わせ、創意工夫の末に独特なあんかけ焼きそばの食文化が誕生しました。今回はその独特な焼きそばを提供する代表的なお店を5軒、ご紹介します。
信州名物は蕎麦だけじゃありませんよ?
1.【長野市】いむらや - 創業50年の人気店
まず紹介するのは長野市内で現在2店舗を構えるいむらやさん。創業50年の歴史を誇る老舗で、地元客に長年愛用されています。
名物の焼きそばは大きな楕円形の皿に、麺と餡がこんもりと山になった圧巻の盛り付け。麺は平打ちで細い特徴的な揚げ麺を使用。野菜やキノコ、筍がたっぷり煮込まれた餡の上にはチャーシューや錦糸玉子がトッピングされています。
卓上のカラシ酢を掛けるのもこのエリアの焼きそばの特徴の一つ。かなり甘い餡なので、適量をお好みで掛けて食べてみてください。並盛でもこれ一皿で満腹になれますよ。
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2.【上田市】日昌亭 - ルーツの味を伝える正統派
冒頭で触れた権堂の福昇亭はもうありません。ですが創業者のお子さんたちが上田市に出した二つの店に、その味は引き継がれました。その一つが日昌亭です。
縮れた極細の蒸し麺を中華鍋で程よく煽り、甘めの野菜餡を掛けたのが日昌亭名物の焼きそば。錦糸玉子とグリーンピースの彩りも鮮やかで、この店の焼きそばを特徴付けてます。並サイズのボリュームは割りと軽めなので、ワンタンやラーメン・チャーシューとのセットもオススメですよ。
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3.【上田市】福昇亭 - 上田市民を二分する焼きそばの一翼
もう一つの上田の人気店は元祖と同じ屋号の福昇亭。前掲の日昌亭とは兄妹店ですが、食べ比べてみると両者の味の違いがわかります。
福昇亭の麺は揚げ麺の一歩手前まで火が通っていて、色も茶黒く、外側はパリパリした食感です。餡も出汁が効いていて、日昌亭に比べると輪郭がはっきりした味わいでした。
どちらも美味しい焼きそばなのですが、好みは分かれるところでしょう。地元の上田市民も日昌亭派と福昇亭派に二分されるそうです。お腹に余裕があったらぜひ両店の焼きそばを食べ比べてみてください。
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4.【東御市】開花亭 - 上田の焼きそばをインスパイアした女性店主の人気店
開花亭は上田市の隣、東御市にある焼きそばとワンタンの専門店です。前述した上田の焼きそばに感銘を受けた女性が数年前に開業しました。比較的新しいお店ですが休日には行列が出来るほどの人気店です。
評判の焼きそばは、縮れた柔らかい細麺にすっきりした甘さの餡が絶妙にマッチ。上田の両店へのリスペクトに女性らしい繊細さが加味されたとても美味しい品です。
カフェ風のお洒落な雰囲気で、清潔な店内と行き届いた接客も好印象でした。
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5.【須坂市】直はん - お手頃値段でボリュームたっぷり、地元で人気の名物店
※[編集部追記]こちらのお店は閉店しました。
最後にご紹介するのは須坂市にある直はんという中華屋さん。リーズナブルな価格でボリュームたっぷりの焼きそばを提供する名物店です。
ノーマルのあんかけ焼きそばは、中細の蒸し麺をラードで炒め、野菜たっぷりの餡を掛けたボリュームあるひと品。それ以外にも味噌やカレー、バターにチーズ・スタミナなど焼きそばのバリエーションが豊富なお店です。
ちなみにこの直はんさん、通り沿いの目立つ場所に看板を掲げてはいるのですが、それに気付くまでに一苦労しました。営業時間がとても短いので、訪れる際は看板を見逃さないよう、くれぐれもご注意ください。
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店名:直はん