チャンポンと並ぶ長崎名物、皿うどん。東京都内でも本場の味を標榜する店が沢山ありますよね。ところで私が長崎皿うどんを食べる場合、次の3点をチェックしてその"本場度"を判断しています。
1) ウスターソース、特に「金蝶ソース」を置いているか?
長崎県民が皿うどんに掛けるのは酢やカラシではありません。ウスターソースです。それも皿うどん用に開発されたというチョーコー醤油謹製「金蝶ソース」が愛用されています。
2) 赤白や赤・青(緑)などの長崎はんぺんが使われているか?
長崎独特のカラフルな練り物、長崎はんぺん。現地のチャンポンや皿うどんには必ず入っていて、舌とともに目も楽しませてくれます。普通の蒲鉾や鳴門巻では、どうにも物足りないんですよね。
3) パリパリ細麺と軟らかい太麺を選べるか?
本来の皿うどんは謂わば「汁無しチャンポン」で、チャンポンと同じ太麺が使われていました。その名残で長崎の多くの店では細麺・太麺を選ぶことができます。
以上の指標を軸に都内の長崎チャンポン・皿うどんの専門店を8店ご紹介します。今回紹介するお店の多くは太麺の皿うどんを置いていますが、今回は敢えてパリパリ細麺タイプを並べてみました。
最初はパリパリのクリスピーな食感ですが、食べ勧めるに従って餡が麺に滲みて徐々に軟らかくなっていく……。その食味の変化が細麺皿うどんの醍醐味ではないかなと思っています。ウスターソースでの味変と併せて、長崎皿うどんならではの「味の七変化」をお楽しみくださいませ。
1.地元出身者をも唸らせる実力店 - 三軒茶屋 來來來
1軒目は三軒茶屋にある長崎チャンポン専門店・來來來。山本剛志さんが別記事でこちらのチャンポンを紹介されていましたが、実は皿うどんも本場以上と評判なのです。
麺はパリパリの細麺と軟らかい太麺を選べます。細麺の皿うどんはやや甘めの餡がパリパリの極細揚げ麺によーく馴染んで相性抜群!卓上にはウスターソースもありますので、ぜひ本場に倣って掛けてみてください。
ちなみに太麺の皿うどんはちゃんぽん用の麺を具材と一緒にスープで炒め煮したもの。ちゃんぽん以上に濃厚な味わいが楽しめます。もし未体験でしたら、それもぜひ一度味わってください。
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2.チャンポンを抑えて皿うどんが一番人気 - 葛西 宝来軒
2軒目は葛西の環七沿いにある宝来軒。創業は昭和51年で、皿うどんが一番人気という貴重な店です。もともとは細麺だけだったようですが、2009年から太麺もはじめたとのこと。
さて、その細麺皿うどん。一番の特徴は麺です。一見、他の店と同じ極細の揚げ麺なんですが、食べてみるとゴワっとした粘り腰がある独特な食感なのです。
かなりのボリュームですが、餡があっさりめの味付けで食べ飽きず。卓上の「金蝶ソース」で味の変化を楽しんでみてください。
葛西 宝来軒 訪問時のブログ
http://yakitan.info/archives/houraiken-kasai
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店名:宝来軒 (ほうらいけん)
住所:東京都江戸川区中葛西2-22-9
電話番号:03-3687-7273
3.茶碗蒸しとのセットがお得 - 銀座吉宗
3軒目は銀座8丁目にあります、銀座吉宗(よっそう)。慶応2年創業の超老舗をルーツに持つ銀座の長崎料理店です。
昭和45年の開業で、東京ではまだ珍しかった長崎チャンポンや皿うどんもメニューに加え、それが評判を得たとのこと。当時の人は「これが皿うどん? うどん??」と驚いたことでしょうね。
こちらの皿うどんもパリパリ細麺と軟らかい太麺を選べ、「金蝶ソース」も常備しております。出汁に椎茸を使っているのか、餡の風味に"和"を感じました。看板メニューの茶碗蒸しとのセットが個人的にオススメです。
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4.茶色い麺と甘めの餡の懐かしい味わい - 長崎飯店 高田馬場店
4軒目は長崎飯店。都内のチャンポン店の草分け的存在で、渋谷や虎ノ門、麹町に系列店があります。中でも一番古いのが高田馬場店で創業は昭和46年だとか。
こちらもパリパリ細麺と軟らかい太麺があり。細麺の皿うどんは茶色く揚がった細麺と甘めの餡の懐かしい味わいでした。そしてやっぱりウスターソースが合うんです。他の系列店と食べ比べてみるのも面白そうですね。
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5.店は個性的でも味は本格派 - 高円寺 唐八景
5軒目は高円寺にある唐八景。「汚いけれど美味しい店」を紹介する某TV番組で高評価を得た店です。
やはり麺は細麺・太麺があり、ウスターソースも常備。餡の粘度が高めなので、パリパリ細麺ののクリスピーな食感を最後まで楽しめます。
またチャンポンには小さなすり鉢に入ったゴマが事前に出されたり、デザートにバナナをくれたりと、色々個性的なお店なんですよ。
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- 唐八景
- ちゃんぽん JR中央本線(東京-塩尻) 高円寺駅 南口 徒歩5分
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6.昭和25年創業、皿うどんの歴史を体現 - 有楽町 桃園
※[編集部追記]こちらのお店は閉店しました。
6軒目は東京交通会館の地下にある桃園(とうえん)。昭和25年創業という老舗です。こちらのお店では「皿うどん」は軟らかい太麺を指し、パリパリ細麺は「焼きそば」というメニュー名で提供しています。皿うどんの歴史からすると、この呼び方が本来は正しいんですよね。
さて、その「焼きそば」。麺は中太の揚げ麺で、餡の天辺には錦糸玉子があしらわれている個性的な品です。麺自体が味付けされているのか、やや塩っぱめ。どことなく懐かしい味わいで、歴史を感じさせる皿うどん焼きそばですよ。
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店名:桃園
7.西部池袋線沿いの隠れた名店 - 東久留米 くぼた
7軒目は西武池袋線の東久留米駅にある「くぼた」さん。ひばりヶ丘で長年店を構えていましたが、再開発のため2013年に今の場所へ移転したそうです。
こちらは餡の量がたっぷりで粘度もやや緩め。そのためかパリパリの揚げ麺も割りと短時間でふやけて軟らかくなります。私はこの状態が好みなんですよね。金蝶ではありませんが、ウスターソースもあり。ランチタイムには少し安くなる上、一口ライスも付いてお得なんですよ。
ちなみに太麺皿うどんは無いのですが、カレー焼うどんなる品があります。こちらも美味しいので興味ある方はチェックしてみてください。
東久留米 くぼた 訪問時のブログ
http://yakitan.info/archives/kubota
紹介しているお店はこちら!
店名:長崎ちゃんぽんくぼた
住所:東京都東久留米市東本町5-9
電話番号:080-6768-0066
8.迫力満点! エアーズロック皿うどん - 武蔵関 友楽
最後は西武新宿線・武蔵関駅にある友楽さん。創業30年に及ぶ長崎チャンポンの専門店です。こちらのチャンポンは極太麺なのが特徴。皿うどんの揚げ麺もやや太めなんですよ。
注文が入るとその場で揚げてくれ、エアーズロックのような迫力ある盛り付けで供されます。「皿うどんやカタ焼きそばは実際より大盛に見える」と頭では分かっていても、一瞬怯んでしまいますよね。
ウスターソースが無いなど、本場長崎の一般的なスタイルとはちょっと違いますが、これはこれで大いにありだと思います。味もコスパも文句なし、満足度の高い皿うどんなので、ぜひ一度お試しください。
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- 友楽
- ちゃんぽん 西武新宿線 武蔵関駅 南口 徒歩3分
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