「牛乳ラーメン」。名前を聞いただけで拒否反応を示す人がいるが、その歴史は深く全国各地にしっかり一つのラーメン文化として根付いているのは意外と知られていない。ラーメン人気の成熟が進み、国内のご当地ラーメンは隈なく発掘された感もあるが、牛乳という盲点をついたラーメンはそういう今でこそ斬新であり注目するべきなのかもしれない。そんな中において厳選の3エリアを紹介します。
1.牛乳ラーメンを世に知らしめたパイオニア!「青森味噌カレー牛乳ラーメン」【かわら】
代表的なのは青森の「味噌カレー牛乳ラーメン」。人気番組「秘密のケンミンSHOW」の放送や『東洋水産(マルちゃん)』からカップ麺で発売されたことで一躍全国区になったご当地ラーメンだが、誕生から約40年という歴史を持ち、青森市内5店舗が「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」を立ち上げるなど、行政も一緒になって普及に力を入れている。
ご紹介するラーメン店『かわら』は、「味噌カレーラーメン牛乳」の元祖『味の大西』にて修行を積んだ若手のホープ。
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2.「赤べこ」ならぬ「白べこ」は、全国屈指のラーメンどころ会津が誇る牛乳ラーメン【一風亭】
また「味噌カレー牛乳ラーメン」にプロモーションのスピード感こそ遅れをとったが、その規模、歴史ともに全くひけをとらないのが福島会津地方に広がる「白べこらーめん」だ。喜多方ラーメンを含むラーメンどころとして既に有名な会津に30年以上前から根付くご当地ラーメンになり、現在では16店舗が集い「会津白べこラーメンを広める会」として活動。「会津の牛乳を使っていること」のみをしばりとし、各店ごとにオリジナリティのある牛乳ラーメンを提供している。
ご紹介する『一風亭』は、「会津白べこラーメンを広める会」会長のお店。
3.サーファーの冷えた体を芯から暖める、湘南に根付く牛乳ラーメン【こぐま】
最後に紹介したいのが神奈川湘南地方に点在する牛乳ラーメンだ。今回は中でも有名な藤沢駅前にある『こぐま』をご紹介。札幌ラーメン店だけに、麺は中華鍋で茹であげスープもそのつど鍋で温める札幌形式。強めのニンニクとデフォルトで投入されるバターの風味がクセになる美味しさだ。年中海に入るサーファーたちの体を暖める特に嬉しい一杯だ。
~おわりに~
その他、札幌味噌ラーメンの元祖『味の三平』の師匠としても知られる『龍鳳(閉店)』の名物メニュー「ピリカラーメン」や、牛乳ベースに生姜が効いた千葉袖ヶ浦のご当地ラーメン「ホワイトガウラーメン」など、牛乳ラーメンは深い歴史とともに全国に存在する。
日式ラーメンよりもはるかに古くワールドワイドな「パスタ」の分野では、トマトに並び人気を二分するクリームパスタ。東京オリンピックに向けますます外国人の来訪が見込まれる今、ラーメン業界における牛乳の立ち位置は見直されるべきなのかもしれない。