ラーメンにおける料理性の向上やインバウンドによる豚以外(ハラル)への対応などで、ますます需要の高まる牛という食材。もちろん値段は高く、その大きさから調理も困難だが、昨今のラーメンの売価上昇に伴い、様々なハードルがクリアできてきているのも実情だ。メガチェーンを抱えるハンバーガー・焼肉・牛丼が全て牛なのに対し、ラーメンだけが牛以外。食肉としての消費が牛・豚・鶏と横一線なのに対し、ラーメンだけが牛以外。この状況にようやく終止符が打たれようとしているが、昨今の牛ラーメンブームなのではないだろうか。
1.“馬子禄” 中華式ラーメンの大本命「蘭州牛肉拉麺」
昨年、東京を中心に中国「蘭州拉麺」の出店が相次ぎ注目を集めた。「蘭州」とは、中国人が認める拉麺発祥地の一つで歴史のある土地。主要の都市には「蘭州拉麺」の看板が見受けられ、拉麺=蘭州と思い描く人も少なくないようだ。そして「蘭州拉麺」といえば、豚を使わないのも特徴。イスラム教が多い同地では豚がNGで、中国全土で見ても圧倒的に牛や羊の方が多い。こちら『馬子禄』は中でもその実力(歴史)を中国政府に認められた老舗実力店。称号「中華老字号」を掲げ、堂々日本出店を果たした。牛肉・牛骨を10種以上のスパイスと煮込んだ淡麗スープ。脂身の少ない牛チャーシューにオリジナルのラー油・パクチーがアクセントとして加わる。麺も店内で手延べされる伝統製法。味とともにその雰囲気を堪能できる名店だ。
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2.“牛骨らぁ麺 マタドール ANNEX“ 牛骨ラーメンのカリスマによる次なる挑戦
秋葉原『くろ喜』や麹町『ソラノイロ』とともに2011年開業を果たし、ラーメン業界を牽引する牛骨ラーメンの雄。食の世界的権威のグルメ本への掲載を始め、様々なメディアを賑わす同店が、昨年4月「LaLaテラス南千住」にANNEXをオープン。綺麗なスープは様々な食材を使用した上に牛の甘みを引き立たせる特有の味わい。提供毎に切り出すローストビーフはしっとりとした食感で専門店さながらのクオリティ。お馴染み『三河屋製麺』製の全粒粉麺との相性も抜群で、トータルの仕上がりは圧巻の一言。ショッピングモールという対マスの出店に、ますます牛骨ラーメンの普及が見込めそうだ。
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- 牛骨らぁ麺マタドールANNEX
- ラーメン 東京メトロ日比谷線 南千住(地下鉄線)駅 北口 徒歩7分
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3.“tamazou” 多摩が誇る「たまぞうグループ」が牛ジャンルに堂々参戦
多摩地区を中心に、様々なブランドでラーメン店を展開していた「たまぞうグループ」が、牛に狙いを定め昨年9月にオープンした話題のお店。オーナー自らが腕をふるう「べこ醤油らーめん」は、牛スジをメインに丁寧に煮込んだ清湯スープ。力強い醤油ダレに、負けじと押し寄せる芳醇な牛の旨味。甘みによりがちな牛の風味を、粗挽き胡椒がキリっと引き締める。表面に滲み出る油もまさしく牛のそれで、ビジュアル以上のインパクトだ。牛骨ラーメンといえば都心のイメージが強いが、多摩の名店が挑む新ジャンルの味わいに、ムーブメントが広がりそうだ。
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- tamazou
- ラーメン JR中央本線(東京-塩尻) 八王子駅 北口 徒歩6分
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