世界的権威のあるグルメガイド東京版にラーメン店が掲載されるようになり2年が経過したが、掲載されるお店は醤油や塩の清湯系や鶏白湯などの上品なラーメンばかり。今までラーメン業界を牽引してきたこってり系の豚骨ラーメンがお座なりにされている感さえ見受けられる。そんな中、しっかりとした実力とパンチ力を示す新鋭の豚骨ラーメン店を5軒ご紹介しますので、ラーメンとは何ぞやを振り返り今一度豚骨ラーメンの魅力を確認していただきたい。
１．“バラそば屋” 川崎『つけめん玉』のネクストブランドは豚骨バラチャーシュー
川崎の『つけめん玉』に始まり『赤備』や『超大吉』など、出店ごとにコンセプトの異なるネクストブランド展開をする玉グループ。その最新店として「バラそば」を掲げオープンしたのがこちらの『バラそば屋』だ。場所は業界の大御所『中華そば 青葉』の数軒となり。都内屈指の激戦区、中野駅北口界隈に出店するあたりから今回の自信がうかがえる。提供するのは甘味のある塩ダレを合わせるライトな豚骨スープ。麺はもっちりとした中太麺で、九州系のそれとは異なるもの。電動スライサーで薄めにカットされたバラ肉が幾重にも重なり、スープによく馴染む。新たなジャンルに確かな実力を示す名店のチャレンジに要注目。
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- バラそば屋
- ラーメン 東京メトロ東西線 中野（東京都）駅 北口 徒歩3分
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２．“麺屋庄太” 羽釜で炊き上げるのフレッシュ豚骨スープ
2012年横須賀の津久井浜にオープンし、羽釜で炊き上げる豚骨スープが話題を呼び一躍人気店に。その『麺屋庄太』が昨年12月金沢八景に移転オープンしたというので早速訪問した。店内に入るとむせるような豚骨香。ありがちな臭みではなく湯気にのって漂う鮮度の高い香りに期待が高まる。提供されたのはいわゆる豚骨醤油ラーメン。店主の出自が家系にあることから醤油色が強く塩味も強め。そして羽釜でドコドコと炊き込んだ豚骨スープが合わされ、九州系の深いコクに家系の醤油感が加わる。濃度先行の豚骨ラーメン事情にありながらあえて濃度はおさえ、炊き立てのフレッシュなスープでオリジナリティを出す。飽くなき探求心に今後の活躍も期待したい。
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３．“麺処一笑” 豚骨の名店『井の庄』出身のベジ豚骨ラーメン
練馬の名店『井の庄』にて店長を務めた方が、満を持して南阿佐ヶ谷に独立オープン。コンセプトになるのは修行先同様やはり豚骨スープ。ゲンコツ・背ガラ・豚足・背脂などを、部位によって炊き分け風味を最善の状態で提供するこだわりの調理。臭みはなく、とろっとした絶妙な食感が食指を誘う。そして特筆すべきが豚骨ラーメンに合わせる無料野菜トッピングの仕組み。「プレーン(シンプルな醤油味)」に始まり「スタベジ(背脂ニンニク)」や「カラベジ(秘伝の激辛ラー油)」など計8種から選べ、成人男性が1日に摂取すべき150gの野菜をとることができる。オススメの「トマベジ(豚骨×イタリアン)」は濃厚な豚骨スープにトマトの清涼感。そして数種のハーブがイタリアンを演出し、ニンニクの効いたガッツリ系のラーメンをスタイリッシュにまとめる。
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４．“Noodle Works” 湘南を揺るがす大分系ド豚骨ラーメン
茅ケ崎に大分ラーメンの美味いお店ができたと聞いていたがなかなか行けず、先日ようやく機会ができたのでそのレポートを。こちらの店主は首都圏では非常に珍しい「大分ラーメン」を謳う横浜の名店『大分らぁめん たまがった』で修行を積んだ方。大きな羽釜で食材を炊き上げ、甘めの濃い口醤油を合わせるのが特徴的だ。そしてスープに使用するのは豚骨をメインに鶏牛を合わせる三骨スープ。これは大分県内に数ある系統の中でも『中津宝来軒』系で、臭みは一切なく三骨の旨味が調和する熟練の味。ラードや背脂の油脂感に頼らず高いスープ濃度を提供するストロングスタイル。大判のバラ巻チャーシューや、無料の味付き玉子トッピングなどコストパフォーマンスも良く、バリ島をイメージしたポップなデザインの店内とは裏腹に、パンチの効いた一杯を堪能できる。
大分県にはこちらと同じ『中津宝来軒』系の他、豚骨ラーメンのルーツとされる『久留米来々軒』系、また最近注目を集める大分県南のご当地ラーメン『佐伯ラーメン』がある。大分ラーメンに興味ある方は訪れた際ぜひその辺も回っていただき、食べ比べをすることをオススメする。
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店名：Noodle Works
住所：神奈川県茅ヶ崎市元町2-15
営業時間：11:00～15:00、18:00～23:00(日曜11：00～15：00)
定休日：水曜日
５．“麺処 猪太” 千葉豚骨ラーメンの真打が県境を越え東京進出
１９９８年に開業し、濃厚な豚骨ラーメンで千葉ラーメン界をけん引してきた名店が、満を持して都内進出。場所は新店の出店が相次ぐ北千住。国道４号線から一本入った静かな通り。「ギトギトじゃない！濃厚だ！」の看板が張られ、油に頼らない濃度を主張。土鍋風の丼で提供されるラーメンは蓋がされ、お盆で提供される凝った内容。グツグツと煮立ったスープから豚骨特有の香りが沸き上がる。ゲンコツの他に豚頭や背脂など、動物系食材をとことん炊き込んだスープは極めて濃厚。油脂感は少ないものの髄の旨味が溶け込んだ力強さを感じる。そして特筆すべきは生卵を使用した食べ方指南。卓上に無料で用意された卵を器に割り入れ、すき焼き風に麺と具材を食べるのが『猪太』流だ。
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店名：麺処 猪太
住所：東京都足立区千住3-6
営業時間： 11:30～14:30 17:00～22:00
定休日：水曜日
