明治維新に始まる横浜の開港から150年。横浜中華街の中国人コックが浅草『来々軒』でラーメンを作ったのが、日本式ラーメンの始まりとされる。中華街の歴史やその商圏の大きさから古くから名店がひしめく横浜のラーメン事情。中でも2000年以降神奈川全域に広まった魚介を合わせる淡麗系ラーメンは、日本全国のラーメンを牽引した。市場は成熟を見せつつも根強い人気を見せる淡麗系の一杯。お勧め5軒を紹介します。
『らあめん 夢』 比内地鶏の恩恵を享受する 正統派醤油ラーメン
白河『とら食堂』の系譜、町田の名店『一番いちばん』にて経験を積んだ店主が紡ぐのは白河ラーメンに必須の鶏香る芳醇な味わい。比内地鶏やアゴ出汁などを惜しげなく使用するスープはたっぷりの鶏油で覆われ、キレのある醤油味にまろやかな鶏特有の風味を加える。特筆すべきは注射器で提供されるトッピングの煮干油。煮干がベースに入るスープだけにその相性は抜群で、ラーメンの長所を損なう事なく煮干感を広げる。
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店名:らぁめん夢
住所:神奈川県横浜市神奈川区二ツ谷町1-21
電話番号:070-6972-3028
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- らぁめん夢
- ラーメン JR京浜東北線 東神奈川駅 西口 徒歩5分
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『地球の中華そば』 鶏 豚 牛に貝を加える 淡麗クワトロスープ
師匠を見ると『麺の坊 砦』という九州系の濃厚タイプながら、極めて斬新な淡麗スープを提供する気鋭店。丸鶏を中心に牛骨豚骨を優しく炊き出した動物系スープに、浅利や牡蠣といった海の幸を合わせる複合スープ。見た目の透明感からは想像ができない芳醇な香りが溢れ出す。国産小麦使用の自家製麺は毎日製麺されるブレのないもの。小麦の風味が素直に伝わるためスープとの相性も抜群だ。
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- 地球の中華そば
- ラーメン 横浜市営地下鉄 伊勢佐木長者町駅 徒歩5分
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『ラーメン 星印』 複数の食材が円を描く バランス型生醤油ラーメン
ラーメンの鬼として業界に君臨した佐野実氏。その佐野氏率いる『支那そばや』にて研鑽を積み、激戦区横浜に開業したのがこちらのお店。生醤油を使用するラーメンはすっきりとしながらも魚醤や林檎酢が溶け込む奥深い味わい。豚骨鶏ガラの他、魚介や鴨油など複数食材を使用するが、どれか一つが突出することなく旨味が円を描く抜群のバランスは師匠譲りだ。名古屋コーチンの味玉も必須アイテム。
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『麺処 秋もと』 カツオで名を上げる 魚介淡麗系ラーメンの新鋭
煮干ラーメンで都心を席巻する凪グループ。その一番弟子になる国分寺『ムタヒロ』にて腕を磨いた店主が、ラーメンの本場横浜にて修業先と異なるカツオをメインに据えた淡麗系のラーメン店をオープン。丁寧に抽出された鶏の旨味に鮮烈なカツオの芳香。それらを醤油のすっきりとした風味が牽引する懐かしくも斬新な味わいから、あえてカツオにシフトチェンジした店主の自信が伺える。
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『麺酒処 ふくろう』 ハマグリの芳醇な香りは 既存にない可能性を示唆
名店を多く輩出することで有名な『大和麺学校』にて学んだ店主による、ラーメンと居酒屋のハイブリッド営業店。見た目に美しい琥珀色のスープは魚介、ハマグリ、鶏ガラからなるトリプルスープ。ハマグリの風味を全面に押し出し、既存の淡麗系ラーメンに対し差別化される。食べ進むうちに見えてくるのがハマグリの貝肉。特有の質感と旨味は食べる作業を単調にさせない。スープに馴染む自家製麺は北海道産小麦を使用し風味豊か。