カツカレーとは、意外に難しい食べ物です。
カツの美味い店が、必ずしもカツカレーが美味いとは限らず、寧ろカツの旨さやジューシーさにばかりこだわれば、カレーとしてはズッシリ重すぎるものになってしまうからです。
しかし、カレーとカツが互いに引き立て合う、美味いカツカレーというのも確かにあって、そんな一皿に出会うと「パーフェクトフード!」と叫ばざるを得ないのです。(もちろん、心の中で)
今回は、東京でいただけるカツカレーの中で特筆すべき7皿をチョイス。
どれも個性が際立ったミラクルカツカレー。
この7皿をいただけば、もうあなたはカツカレーマスターですよ。
【1皿目】・・・まずは外せない!カツカレー発祥の店。「グリルスイス」(銀座)
カツカレー好きなら一度は訪れておかねばならない、歴史的なお店がここ。
創業1947年、「カツカレー発祥の店」として知られる銀座の洋食屋さんです。
この店の常連だった巨人軍往年の名選手、千葉茂さんが、
「ポークカツレツとカレーを一つの皿に一緒にして出してくれ。早く食べられるし、ボリュームもある。」
こう注文したのがカツカレーの始まりなのだとか。
こちらで食べるべきはやはり、その名を冠した「千葉さんのカツレツカレー」。
注文を受けてから揚げる豚ロースのカツは、衣ぶ厚めサクサクジューシー。
すりおろし野菜と挽き肉のカレーはかなり濃厚な味わいです。
「カツに合うカレー」として長年研究を重ねたというのですから、なるほどのマッチング。
まさにカツカレーの原点にして、良き基準点といった感じですよ。
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【2皿目】・・・キッチン南海最高峰!「馬場南海」(高田馬場)
東京のカツカレー文化は、「キッチン南海」の存在を抜きにして語ることはできません。
創業明治41年という神保町の老舗洋食屋「キッチン南海」。
今まで暖簾分けによって各地に誕生した「南海」の数は実に30軒超え!
・・・が、それら暖簾分けのほとんどは、数十年前の出来事。
閉店したお店もあれば、地元に密着した老舗洋食店として独自の路線を歩むお店も。
「南海」の代名詞でもある看板メニュー、カツカレーもお店によって千差万別に進化していきました。
そうした、各地に点在する「南海」を訪れ、その味の違いや歴史を探訪する「南海マニア」も少なからず存在しているんです。(ラーメン界における「天下一品」的存在ですね)
そんな中で私が、現在最高峰のカツカレーを提供していると思うのが、この「馬場南海」。
オリジン「神保町店」譲りの真っ黒シャバめなルゥ。
その独特の辛味と苦味は「南海」ならでは。
さらに薄切りながら存在感たっぷりなカツは、サクサクの衣とジューシーなロースのバランスが絶妙。
トッピングされた半熟目玉焼き、ルゥに埋れた牛肉、山盛りのキャベツと、全てが完璧の域。
南海No1というだけでなく、カツカレーにおける一つの頂点と言って差し支えないのではないでしょうか。
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- 馬場南海
- カレーライス 東京メトロ東西線 高田馬場駅 1番口 徒歩3分
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【3皿目】・・・カレーの街の庶民派No1カツカレー!「まんてん」(神保町)
カレーの街・神保町において、「キッチン南海」と並ぶカツカレーの名店がこちら。
「南海」の洋食カレーに対し、こちらは庶民派のカレーライス。
ガッツリのボリュームと、ガッツリの美味さが圧倒的なんです。
特に、分厚くサクサクな衣の香ばしさは特筆もの。
ドロリと食べ応え十分なカレーとの相性も最高です。
威勢の良いお店の雰囲気もたまらない魅力ですよ。
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【4皿目】・・・究極のおうちカレーをカツカレーにしたらやっぱり凄かった。「カレーや うえの」(鷺宮)
日本が誇るおうちカレー文化。
その「おうちカレー」を究極にまで突き詰めた、唯一無二なお店がこちら。
ニンジン、ジャガイモと具材を別々に仕込み、いつ行っても完璧なおうちカレーを提供する職人技は見事の一言。
で、そんな素晴らしいカレーをアレンジしてカツカレーにしたら、やっぱりとてつもなく美味いわけで。
「チキンカツ+炙りチーズ」で是非お試しください。
昇天しますよ。
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店名:カレーや うえの
住所:東京都中野区白鷺3-1-1
電話:非公開
営業時間:
【月~土】11:30~14:30 17:00~23:00
【第2・4日曜】12:00~14:30
【第1・3日曜】定休日
定休日:第1・3日曜
【5皿目】・・・固定観念から脱却した、特別なカツカレー。「般°若」(下北沢)
松尾貴史氏がプロデュースするカレー屋として知られる「般°若」(ぱんにゃ)。
日本のカレーだけでなく、インドなど様々なカレーのエッセンスを取り入れたオリジナリティあふれるカレーが魅力のお店です。
カツカレーも然り。
独創的、というコトバを越えて独創的なカツカレーをいただくことができるんです。
ホールスパイスを用いたサラッサラスパイシーなカレーに、イカ墨で黒く染まった衣のカツ。
肉厚でありながら、脂の少ない上質な肉を使用。
カツカレーといえばどうしても、ズッシリ胃に重たいイメージがありますが、ここのは贅沢でありながらもさらっと胃にもたれない、まさに「特別なカツカレー」なんです。
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【6皿目】・・・唯一無二!日本一美味いカツカレー。「リッチなカレーの店 アサノ」(町田)
「日本一美味いカツカレー」で有名な町田路地裏のちいさな名店。
通常カツカレーと聞いてイメージするトロッとしたカレーとは全く異なり、サラッサラでかなりスパイシー。
グリーンカルダモンやクミンがガッツリ効いた激辛で楽しむことができます。
日本広しといえど、脳天から汗が吹き出すカツカレーなんて、なかなか出逢えるものではありませんよ。
カツには神奈川のブランド豚「高座豚」のロース肉を使用。肉も衣も薄めですが、旨みがギュッとつまった味わい。
言うまでもなく、スパイシーなカレーとの相性は最高!
「日本一美味いカツカレー」の称号は伊達ではありませんよ。
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【7皿目】・・・嗚呼、美しすぎるカツカレー。「ロダン」(八丁堀)
とにかく美しい。美しすぎる!!!
濃いこげ茶色のルゥに明褐色の鮮やかな模様。
立体的な衣のカツに燻製玉子、そして揚げたポテト・・・
MOMAコレクションにでも入れておきたいカツカレーです!
カレーに描かれた印象的な模様はなんと、カシューナッツソース。
そして添えられた燻製玉子。
濃厚でスパイシーなカレーと合わさって、立体的な香ばしさを演出しています。
サックサクに分厚いロースかつは、それ単体でも充分堪能できる美味さながら、
カラッと揚がってカレーとの相性も抜群。
美しすぎるカツカレーは、美味しすぎるカツカレーでもあり、一度食べたら忘れられないカツカレーなのでした。