交通の便の悪さからか訪れる人が少なく、ラーメン業界ではまだまだ認知度の低い三陸ラーメン。しかしその味わいは特徴的で、あっさり好きにはたまらないラーメンどころが三陸沿岸だ。宮古や釜石など港町ならではの魚介が効いた淡い色合いの醤油ラーメン。魚介先行ながら鶏ガラ豚骨のコクも感じられるバランスのとれた味わい。水分の少ない極細の縮れ麺が特徴的で、小麦の風味をしっかりと主張する。震災から4年、復興に沸く三陸のラーメンを5軒ご紹介します。
三陸の歴史を紡ぐ 釜石ラーメンの元祖
昭和26年に開業し、薄口の醤油味に極細麺を合わせる釜石ラーメンの元祖として『釜石ラーメンのれん会』の会長も務める老舗の中華料理店。提供されるラーメンはブームに左右されない長い歴史で培われたもの。煮干カツオ節、そして野菜、ゲンコツなど複数の食材を合わせバランス良く仕上げた清湯スープに、しっかりと熟成させた色白の自家製麺を合わせ、普遍的な味作りを実践している。
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長きに渡り鉄鋼マンを 支え続ける女将さんの味
昭和39年、東京オリンピック開催の年に開業し、長きにわたり釜石の鉄鋼マンの空腹を満たして来た看板女将が切り盛りする老舗食堂。製鉄所の社宅が近くにあり、社員食堂のように親しまれてきた。琥珀色に輝くスープは、ゲンコツを主体に香味野菜を加え、丁寧にアクをとりながら煮込んだ深い味わい。三陸産の煮干がアクセントになり、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す。
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- 三重食堂
- 日本料理・郷土料理 釜石線小佐野駅 徒歩5分
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宮古が誇る 唯一無二の煮干ラーメン
盛岡で屋台を引いていた初代店主が、その後宮古で昭和28年に店舗をかまえた老舗。淡く澄みきったスープに自家製の手揉み麺が泳ぐ独特のスタイルが人気だ。地元の薄口醤油でととのえるスープに麺の甘味が溶け出す三陸特有の味わい。湯気とともに立ち上る煮干の香りに、これぞ港町と心が躍らされる。全国ご当地ラーメン数あれど、類似のラーメンが見当たらない唯一無二の一杯だ。
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創業半世紀 郷愁誘う老舗のワンタンメン
昭和22年創業という、三陸でも指折りの歴史を持つ老舗食堂。現在はラーメンを中心に提供し、地元『キッコーキ』の薄口醤油で仕上げるあっさりとした味わいが人気。ゲンコツは少量のみ使用し、九十九里産の煮干香味野菜でバランスよく仕上げる和風スープ。盛岡から取り寄せる色白の特注麺は小麦の甘味を感じる素直な味わいで、こちらの優しいスープとの相性が抜群だ。
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知名度は全国区 老舗が伝える純鶏ラーメン
昭和23年に創業した岩手県北を代表する老舗で、2004年には『新横浜ラーメン博物館』に出店するなどその実力は折紙つきだ。提供されるラーメンは、スープの基本となる豚や香味野菜は一切使わず、鶏のみで構成される琥珀色の純鶏スープ。丼一杯に鶏0.5羽分の旨味が凝縮される贅沢仕様で、ふんわりと甘い風味が漂う。自家製麺は、手もみ麺特有の縮れ具合でスープをよく絡める。