「拉麺(ラーミェン)」の食感、それを活かす韓国唐辛子の風味。名店が紡ぎ出したいぶし銀の担々麺に脱帽
日本におけるラーメンは中国からの渡来物というのは周知の事実。鎖国の解除により中華料理が流入し、浅草で「支那蕎麦」として確立。「チキンラーメン」の登場によりカタカナ「ラーメン」の名が一般的になったというのが大方の見方だ。
そこで今回は中国三大麺料理かつ「ラーメン」の語源とされる「拉麺(ラーミェン)」の名店、浅草にある『馬賊』を紹介したい。
麺類を注文すると、その都度バタンバタンと打たれる手打ち麺。「拉麺」の「拉」の字は「ひっぱる」の意。一本の太い麺塊を延ばし数十本の麺線として整える手延べ麺の形。麺一本は極めて長く、以前計ったときに7mあったというから驚きだ。
食感はツルツルのモッチモチ。通常中華麺は強力粉を使用するが、「拉麺」は麺を延ばしやすくするために薄力粉を混ぜる。そのため中華麺特有の硬質な食感ではなく、うどんのようなモッチリとした弾力を楽しめる。
こちらでオススメしたいのは担々麺。さらりとした清湯にすりゴマの香ばしい風味。ニンニク唐辛子がアクセントを加えるオリジナルの味。芝麻醤(練りゴマ)に偏るありがちなものではなく、麺の存在を際立たせる絶妙なバランス感覚。「辛味ではなく風味の強い韓国産唐辛子を使っている」と言う通り、辛さは控えめながら担々麺らしさを十二分に堪能できる名店の一杯だ。
※中国三大麺料理:「拉麺(ラーミェン)」「切麺(チェミェン)」「刀削麺(ダオシャオミェン)」