常軌を逸した・・・そんな言葉がこれほど似合うレストランもそうそう無いであろう。
飯能の川沿い、絶壁の上に聳え立つ、灰色の城。
「Brewery & Restaurant CARVAAN」(カールヴァーン)
崖の上のアプローチ。
気分はもう、古き吸血鬼映画。
そして溢れ出すエキゾチズム。
店内。
人間が小さいのではない。
空間が異常に広いのだ。
そして・・・
中にはなんと、ビールの醸造所が!!
実はここ、飯能に本社を持ち、食品輸入などを行う株式会社FAR EASTによる、自家醸造クラフトビールと珍しいアラブ料理が楽しめる巨大レストラン。
お店を作るにあたっては、社長の脳裏に浮かんだビジョン(夢想)が先にあり、全体像から窓枠の形状に至るまでそれを忠実に実体化したそう。
なるほど道理で。夢の中の世界のようなのはそのせいか。
オープンは2017年7月26日。
店名の「CARVAAN」は「キャラバン」の意です。
見よ!凄まじきお店の内装を。
席数105の豪奢な店内、この時点ですでに来る価値あり。
けれど、この店の本領はその料理なんです。
めくるめく、未知のアラブ各国料理!!
まずオーダーすべきはこちらのメニュー。
★アラビアンプレート
地中海アラビア諸国の伝統的前菜料理を盛り合わせたプレート。
内容は・・・
・フムス(レバノン:ひよこ豆のペースト)
・ムタバル(シリア:香草と焼きナスのペースト)
・タブーリ(レバノン:香草と挽き割り小麦のサラダ)
・アレクサンドリアのオリーブとアンダルシアのドライトマトの地中海風マリネ(エジプト)
・ファラフェル(パレスチナ:香草とそら豆、ひよこ豆の素揚げ料理)
非日常の極みです。
その他、ありとあらゆるアラブ料理に旬の食材を加えた面白いメニューが目白押し。
ほんの一部をご紹介しましょう。
★三元豚のグリルと飯能産きたあかり パクチーライス添え
三元豚の豚ロースを南部鉄器でグリル、飯能産粒マスタードとカンボジアの椰子の花蜜糖を和えた花蜜マスタードソースをかけていただく一皿。
★ゾロアスターカレー
古代ペルシャからインドへ渡ったゾロアスター教徒に伝わる香り高いスパイスのカレー料理とのこと。
バターチキンほどクリーミィではないのですが、カルダモンとトマトが効いた、ソツない美味さです。
具材はチキンと茹で卵。レーズンが乗ったホクホクのジーラライスとともにいただきます。
★仔羊肉と杏のタジン
モロッコ名物のタジン料理。
仔羊の旨みに乗っかる杏子の甘みがエキゾチックで魅惑的です。
飯能産ホップを用いた自家醸造ビールがたまらない!
もうひとつの愉しみ、自家醸造クラフトビールにはなんと、飯能産(自家農園)のホップを使用。
正真正銘の地ビールです。
デザートも完璧。
さらに恐るべきことに、デザートがまた凄い。
ビールを飲まなくても、料理を食べなくても充分満足できるだけのクオリティなんです。
コーヒーも光サイフォンだったりして、細部に至るまで死角なし。
立地、内装、接客、料理、ビール、デザートと、全てにおいて常軌を逸したこのお店。
デートに、特別なパーティーに、ここを目当ての小旅行に。
非日常グルメの決定版と言えるでしょう。