奈良から伊勢へ抜ける初瀬街道。その途上、桜井市初瀬にある真言宗豊山派の総本山長谷寺。本堂の前面は京都の清水寺と同じ舞台作りとなっていて、その長谷の舞台から望む寺領、国の天然記念物とされている与喜山。この与喜山の裾野には菅原道真公を祭る日本最古の天神様、與喜天満神社があり、長谷寺参道散策を含め与喜天満神社、長谷寺参拝のおリには、是非とも召上って頂きたいうどん店があるのです。この「与喜」の字を頂き、屋号とした「与喜饂飩」なのであります。
店主はうどん県、高松市の超人気うどん店の「はりや」にて2年の修行を経て、2015年8月にこの地に開業。オシャレなカフェのような建物で、コの字カウンターとテーブル席で30客。静かで落ち着いた雰囲気の店内で、茹で立てのキリッキリのよきうどんをゆっくりと楽しんで頂きたいのです。
今回は、最近食べた心に残る3杯を紹介したいと思います。
1.スレンダーガールを思わせるうどんはひやかけで
綺麗!美しい!流麗!美味そう!この程度の語彙しか浮かびませんが、なんたるビジュアルなのでしょう。透明感ある琥珀色のお汁に真っ白な美しいおうどんがたおやかに泳いでいます。箸を入れる事を躊躇ってしまうほどですが、ここはグイッとやったりましょう。
むっちりと盛り上がる麺角。きっちりと伸びやかで長い麺脚。琥珀色の出汁香るお汁が、光の反射でキラキラと輝き、スレンダーガールのようなうどんは口の中に飛び込むと、むっちんもっちんと粘弾性抜群のうどんダンスを始めるのです。仄かな甘みを感じるお出汁の効いたお汁は、このうどんの食感に旨くマッチしており美味しいのです。
2.カレー好きにはタマラナイ!デカイお揚げさんに福神漬け
目の前に配膳されるとやっぱり嬉しいカレーうどん。砥部焼き梅山窯の「ごす赤菊」の肉厚な器に盛り付けられ、巨大なお揚げさんに福神漬け。可愛いピンクと白の蒲鉾が色鮮やかに楽しませてくれます。麺を引っ張り出せば、長く美しい麺脚で、玉葱などの根野菜からくる甘さだろうか。優しい甘味のカレーがとっぷりと絡んできます。少し間をおくとジワァ~ンと辛味も効いてきて、ほんのり額に汗が浮いてくるのです。
弩デカイお揚げさんを無理くり木蓮華に乗っけて
ガブリっ!
しっかり厚みもあってもはや厚揚げレベル。甘く炊かれていて染み出るお汁がカレーと合うのだから不思議であります。カレーに和出汁、お肉と玉ねぎに福神漬けが絶妙に調和し、スレンダーうどんをしっかり援護し、至高の美味さを楽しませてくれるのです。
3.美味しいお肉の躍動は何故かスローモーション。
アッツ熱でつるっつるのうどん。麺肌がほろほろと荒れ溶けて、唇へのタッチはソフト。スレンダーな長い麺脚を惜しげもなくあらわにして口の中におさまると、ムチィと歯に粘りつくように抱っこしてきます。
イリコからなる出汁にお肉からの甘味が加わり、ガタリと椅子を倒して立ち上がりそうな衝動に駆られます。弩美味いっ。もはや目は丼に釘付けとなるのです。
そしてコレっ!
お肉様であります。牛肉を柔らかく炊いてあるようで、箸を上下に振るとみにょんみにょんとスローモーションで躍動するのです。舌の裏側に唾液が湧き出てきて困りますよね。
ハイ、食べちゃいました。
肉々しい咀嚼感が有りつつ、適度な脂身の柔らかさでタマラン世界感。うどんを啜り、お肉を頂く。至福のひと時を是非とも体験してください。
おまけ。與喜天満神社と長谷寺もどうぞ。
冒頭で書いた與喜天満神社。高貴な翁が「私は右大臣正二位天満神社菅原道真。」と名乗り、「私はこの良き山に神となって鎮座しよう。」と語ったのがこの神社の始まりと言われる。
何段あるのか分からないが20分ほど石段を登ったところに天神さん。厳かで凛とした風情のある神社である。参拝をした後、裏参道を降りていくと、素盞雄(すさのお)神社があり、奈良県最大と言われる大銀杏があるのでこちらも参拝するといいだろう。
うどんをタップリ食べたのなら、長谷寺の参拝もオススメします。
上、中、下と分かれる登廊は399段の石段からなり、登りきったところに国宝の本堂があります。小初瀬山の中腹に張り出した舞台造り。舞台からの眺めは起伏をいかした境内が見渡す事が出来、その向こう側には與喜天満神社のある与喜山を望む事が出来る。
本堂には数々の重要文化財があり、中でも10m18cmで国内最大級と言われている木造十一面観世音菩薩立像は、筆舌を尽くしがたい威厳ある空気感を醸しており、是非ともご覧頂き参拝されると良いだろう。
紹介しているブログはこちら!
https://ameblo.jp/fmk3776/entry-12165697516.html
紹介しているお店はこちら!
- 与喜饂飩
- うどん 近鉄大阪線 長谷寺駅 徒歩6分
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