「汁無し担担麺」が、広島市内を中心に人気を集めています。2001年、ラーメン店だった「きさく」が販売した汁無し担担麺が話題を呼び、同店は2002年に「汁無し担担麺専門店」になった。その後、様々なスタイルの汁無し担担麺が提供されている。今回は、「きさく」の後に誕生した店の中から、私が食べてきた5軒を紹介します。
なお、通常は配膳された際の写真だけで紹介していますが、汁無し担担麺はどの店でも、入念にかき混ぜた上で食べてほしいと紹介されています。今回はその「かき混ぜ後の写真」をあわせて掲載します。
1.大ブームを生んだレシピ公開!「中華そばくにまつ@立町」
「汁無し担担麺3辛+ミニライス」
広島汁無し担担麺の「中興の祖」と呼ぶべき店。ご主人は長野県松本市でラーメン店を営んでいたが、「きさく」の味に惹きつけられて2009年に広島へ移転。その後、自らの汁無し担担麺のレシピを公開した事で、広島汁無し担担麺を一大ブームに育て上げた。汁無し担担麺は辛くない「0辛」から激辛の「4辛」があり、持ち帰りも可能。
ラー油と芝麻醤がきいた、醤油ベースのタレは鶏スープもブレンドしているので、麺と絡めてもスルスルと食べられる。花椒をしっかりかき混ぜれば、更に食欲に勢いがついてきて一気に食べ終わる。卓上には「酢」「鎮江香酢」「一味」「七味」「担々麺のタレ」が並んでいるので、味変も思いのまま。ミニライスは最後にタレの中に投入してかき混ぜて、麻辣ごはんにして完食。
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2.東京進出も果たした、今話題の店!「キング軒@中電前」
「汁無し担担麺3辛」
オフィス街の一角に店を構えている行列店。こちらは汁なし担担麺のみで「0辛」から「4辛」の5段階。ここでも持ち帰りが可能。ご主人は「くにまつ」のレシピをきっかけに中国四川省でも学んでアレンジしたとの事。
中細ストレート麺に、季節によって挽き方や種類を変える山椒と、まろやかなタレが絡みあう。卓上には「山椒」「鷹の爪」「醤油ダレ」「酢」が置かれているので、これで味を変えたり、締めでご飯を入れていただく「担々ごはん」にも活躍する。
キング軒は2015年5月に芝公園に店舗を構えて東京進出しています。
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3.2種類の汁無し担担麺に種類豊富な山椒!「武蔵坊@中電前」
「芳醇醤油4辛(ハーフ)」
お好み焼き店をやっていた人が汁無し担担麺にハマり、「くにまつ」で修業後開店。スープに入れる鶏や野菜の量を増やし、調味料の味付けにも独自の工夫を凝らしている。こちらの汁無し担担麺は、芝麻醤を使った「濃厚胡麻」と、使わない「芳醇醤油」の2種類。辛さは「0辛」から「4辛」があり、持ち帰りも可能。
陳皮や八角、高麗人参などを加えているラー油は、辛さ一辺倒にならず、少量のスープが深みをプラス。ストレート麺を、タレや挽肉、ネギと絡めてさくさくと食べられる。卓上には「青」「赤」「若」の3種類の山椒に、「花椒」「ラー油」「醤油ダレ」がある。特に3種類の山椒の違いを楽しんでほしい。
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4.チーズやカレーといった変化球もあり!「麻沙羅@袋町」
「あぶりチーズ乗せ汁無し担担麺(辛さ3痺れ4)」
汁無し担担麺の店を食べ歩き、オリジナルの汁無し担担麺を目指したご主人。メニューは汁無し担担麺専門だが、あぶりチーズ、チリトマト、カレーを加えたアレンジメニューもある。こちらでは辛さと痺れの両方を「0」から「4」の5段階から選べる。
八角やシナモン、クローブなども入れた辣油は、カレーっぽいスパイスも感じる。魚介スープを少量加え、手もみ麺の上から山椒をかけている。麺が力強く啜り心地がよい。チーズを炙る際に、チーズに隣接した麺も軽く炙られて食感の変化を楽しめます。チーズの中に入った挽肉は牛と豚の合挽きを使用。個性ある汁無し担担麺です。
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5.汁無し担担麺を伝えてきた伝統ある店!「梵天丸@五日市」
「汁無し担担麺ミニ(3辛)」
かつて汁無し担担麺で人気を集めた「麻辣商人大芝店(閉店)」で働いていた人が、2011年に独立。2014年に現在地に移転しています。広々とした店内にはカウンターとテーブル席が並び、汁無し・汁あり担担麺や、豚骨ラーメンなどがメニューに。汁無し担担麺は持ち帰りも可能。麺は東京の浅草開化楼製の中太麺で、青ネギと肉そぼろが覆っている。豚骨スープを少量加え、ラー油と花山椒がたっぷり入っているので、啜るごとに辛さが鼻を抜けていく。卓上には「自家製ラー油」「自家製辛口えびラー油」「花山椒」「唐辛子」「黒酢」といった味変アイテムが並んでいる。