もつ鍋といえば、博多のソウルフードの一つ。お店ごとにスープや野菜、もつの種類もそれぞれで、博多は老舗や新規店がしのぎを削る激戦区です。そのような状況の中、博多の中心部からちょっと離れた場所で独自路線を歩み、食通を唸らせるもつ鍋を提供しているのが「宗家赤門屋」。今回はその魅力をご紹介いたします。
まずは、お通しの種類と量に圧倒されます!
場所は博多駅から鹿児島本線を下り、3つめの駅「南福岡駅」で降りて徒歩5分くらい。
いわゆる雑餉隈界隈です。「雑餉隈」って、どう読むのか、福岡以外の方は中々難しいと思いますが、これで「雑餉隈(ざっしょのくま)」と読みます。ちなみに、孫正義さんがソフトバンクの前身である会社を創業した地として有名です。
分譲マンションの1階に入り口があり、そのまま地下に降りると、目に入ってくるのがカウンターに所狭しと並べられた「お通し」。
このお店の名物の一つで、330円均一です。席に通される前にここで先に選びます。
今回、我が家(妻と娘の3人で来店)は、チキンバーにゲソ唐揚げ、タコ山菜を選びました。もつ鍋の他にもサイドメニューは色々ありますが、人によってはもつ鍋以外に注文するのは、このお通しだけで十分だと思います。また、次に来店する際に今度はどれにしようかなーというのが、楽しみの一つでもあります。
もつ鍋の注文分量は要注意!
もつ鍋は、一人前で1,150円。博多ではごく一般的な金額ですが、予約の際に必ず聞かれるのがもつ鍋の分量。
お店に行く人数分を頼むのが一般的だと思いますが、このお店の特徴の一つが一人前の量の多さ(笑)。
この写真の量で2人分です。大体3、4人であれば、「人数−1人」分を目安にされるといいと思います(予約の際に、店員さんもそうアドバイスされると思いますのでご心配なく)。そして、食べ終わったあとお腹に余裕があれば、追加されることをおすすめします。
ちなみに、平日はともかく週末は基本的に予約をしないと入店は厳しいですね。
今回我が家は当日(土曜日)に予約をしたので、空いている時間は17時30分〜19時15分までか、21時以降だけでした。
ということで17時半〜で予約がとれ、ちょっと早めの夕ご飯となりました。
輝くキャベツに、もつ鍋になっなんとコーンが!
基本的にもつ鍋が仕上がるまでは、店員さんが作業を行います。土鍋にフタをして、待つこと数分。店員さんが頃合いをみてフタをあけ、手際よく鍋をかき混ぜで出来上がりです。
スープは醤油味のみ。博多のもつ鍋のお店の多くが、醤油味に味噌味、塩味やすき焼き風など、いろんなメニューを提供していますが、このお店は醤油味のスープにこだわっています。
薬味は、おろしニンニク、ガーリックスライス、鷹の爪、一味唐辛子、柚胡椒などいろんな種類が用意されています。
そして、見てください!このキャベツの輝きを!
キャベツは熊本県産を中心にすべて九州産を使用。しかも、巨大な冷蔵庫を持っている八百屋さんにお願いをしてキャベツを約1ヶ月間寝かせているそうです。
そうすることにより熟成が進み、キャベツの甘みが増してもつ鍋にぴったりのキャベツになるようです。そういった熟成キャベツと普通のキャベツ(歯ごたえを増すため)を混ぜ、もつ鍋を作り上げているのが、このお店の特徴・こだわりです。
さらに、通常のもつ鍋に入っていない食材が「コーン」。一般的に、キャベツ、ニラ以外にもつ鍋に入っている野菜といえばゴボウですかね。
えー、コーン???
いやいや、このコーンがさらに甘みを生み出し、醤油味のスープと相まって、このお店のもつ鍋の美味しさを引き出しているんではないかと思います。
もつへのこだわりとコスパの高さに感動!
でも、やっぱりもつ鍋で一番大切なのは「もつ」。お店によっては、ちょっと見た目がグロテスクな部位を使用していたり(それはそれで美味しいのですが)、もつがなかなか噛み切れなかったりして、もつ鍋を敬遠される方がいますが、このお店のもつは、牛もつで、臭みもなく、口の中でとけるくらい柔らかいので、女性や子供でも安心して食べることができます。
締めは、ちゃんぽんだけでなく、ラーメン、おじやと色々選べます。
私のおすすめは「おじや」。上述のキャベツ、コーンの甘みが染みた醤油味のスープで作ったおじやは、お腹をほんわか癒してくれます。
そして、最後にお財布の中身をほんわか癒してくれるのが、そのコスパの高さ。
もつ鍋2人分に、3人分のお通し。飲み物は、私が生ビール、日本酒それぞれ1杯に、妻がジンジャーエール1杯、娘がウーロン茶2杯で合計4,840円。
*飲み物の分量やサイドメニューの注文数で合計金額は変わってきます。
博多の中心からちょっと離れていますが、もつ鍋が食べたくなったらわざわざ行ってみる価値がある店だと思いますよ。