弘前公園の桜も早や散り始めて花筏(はないかだ)が見られる時期が訪れました。温かくなって津軽地方を訪れる方にぜひ食べていただきたいのが黒石名物のつゆやきそばです!
黒石のつゆやきそばは今はなき「美満寿(みます)」という店の「つゆそば」がルーツとされています。もともとこの地域では学校帰りのおやつとして焼きそばが日常的に食べられていました。そして昭和30年代後半、食べ盛りの学生たちに少しでもお腹一杯になって貰おうと焼きそばに"そばつゆ"を掛けて出した「つゆそば」が、そもそもの始まりだそうです。
今回はその黒石つゆやきそばを食べられる地元のお店から4軒をご紹介したいと思います。
妙光食堂 - 昭和43年創業、ラーメンスープを使った元祖つゆやきそばのお店
1軒目は「元祖つゆやきそば」の看板を掲げる妙光食堂さん。冒頭で述べた「美満寿」の「つゆそば」との大きな違いは使われているスープにあります。「美満寿」はそばつゆでしたが、ラーメンスープを使い始めたのは妙光食堂さんが最初とのこと。
ソースで味付けされた太平麺の焼きそばに醤油風味のスープが絡み、かなり濃厚な味わいが楽しめます。ボリュームたっぷりで食べ終わる頃には汗だく必至。
ねぷたの絵師でもある店主が描いた巨大な津軽凧も見ごたえありますよ。
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すずのや - 発祥の店の味を再現した黒石焼きそば専門店
2軒目は中町の「こみせ(小見世)通り」にある「すずのや」さん。比較的新しい店舗ですが以前経営していた居酒屋でも出していたそうで、実は黒石でつゆやきそばを提供している店では2番目の古株だそうです。
子供の頃に食べた「美満寿」の味を再現したという「つゆやきそば」は、もちろん"そばつゆ"を使用しております。ラーメンスープに比べるとあっさりした味わいで、最後まで飲み干してしまいました。この店の「平太麺+そばつゆ+揚げ玉」という組み合わせが「美満寿」のスタイルだったんですね。
古い街並みが残る「こみせ通り」は黒石でも屈指の観光スポット。散歩がてら空いた小腹の虫養いにおすすめですよ。
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ドライブイン西十和田 - つゆやきそばをアレンジした「つけ焼きそば」が一押し
3軒目は黒石市街地から離れた国道沿いにあるドライブイン西十和田さん。「焼きそばのまち黒石会」の若き会長が2代目店主として頑張っております。
こちらのお店はつゆやきそばを独自にアレンジした「つけ焼きそば」が一押し! ソース味の焼きそばを、出汁の利いたつゆに浸してつけ麺風に食べるという独特なスタイルで提供しています。黒石で一般的な平太麺ではなく、中太麺を使っているのも特徴のひとつ。焼きそば単体でも美味しいので、つゆに浸す前にまずはそのままで一口食べてみて欲しいですね。
こちらは観光スポット・津軽こけし館に近い立地なので、往復のついでにぜひ立ち寄ってみてください。
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店名:ドライブイン西十和田
住所:黒石市温湯字長漕7-4
電話:0172-54-8134
HP:http://kuroishi.or.jp/taste/nisitowada
秋元食堂 - 昭和45年創業、昔ながらの焼きそば専門店
最後に紹介するのは昭和45年(1970年)創業の秋元食堂さん。ご当地グルメブームの前は市内で唯一の焼きそば専門店でした。
ところで冒頭でも述べましたが黒石はもともと焼きそばが盛んに食べられていた町でした。つゆやきそばが標準ではなく、地元の人に親しまれてきたのは普通の焼きそばでした。こちらの秋元食堂さんも最近になってつゆやきそばを提供し始めたようですが、こちらではぜひノーマルな焼きそばを味わっていただきたく思います。
黒石ならではの平太麺に豚肉・キャベツ・玉葱のソース焼きそば。具は極力シンプルにして美味しい麺を美味しいソースで食べさせる。そんな王道の黒石焼きそばなのです。
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店名:秋元食堂
住所:青森県黒石市青山84-2