静岡県富士宮市・秋田県横手市とともに「日本三大焼きそば」とも呼ばれる焼きそばの街、群馬県太田市。今回はその太田市で親しまれている「上州太田焼そば」をご紹介します。
<うんちくスタート>
太田を含む群馬・栃木の両毛地域は、古くから小麦粉を使った食文化が定着していました。うどんや焼き饅頭、佐野ラーメンに行田フライなどなど。焼きそばも例外ではなく、両毛地域一帯には焼きそば店が点在しています。そんな中で太田市が地域の個性としていち早く焼きそばに着目し、町興しに活かしたんですね。
工業都市として栄えた太田は、高度成長期に他地域から多くの出稼ぎ労働者が流入しました。焼きそばは当時の労働者によって持ち込まれたものとされています。私個人としては東武伊勢崎線で浅草と繋がっていた影響も大きいのではないかとも考えています。
<うんちく終わり!>
富士宮焼きそばや横手焼きそばと異なり、上州太田焼きそばには「これが必須!」という条件がありません。店によって麺の太さも具も味付けもバラバラです。今回は『上州太田焼そばのれん会』から5店をピックアップしてみました。ぜひ食べ比べて、その違いを確かめてください。
岩崎屋 - 極太麺に真っ黒ソース、インパクト大の人気店
1軒目は上州太田焼きそばを代表する有名店の岩崎屋さん。真っ黒なソースと極太の平打ち麺、具はキャベツのみのシンプルな焼きそばです。
見た目と違って味付けは意外にあっさりめ。でもそのインパクトが強すぎるせいか「太田の焼きそば=太麺で真っ黒」と紹介されてしまうこともしばしば……。
値段に応じて量を際限なく増やせるので大食いの人にもオススメしたいお店です。甘党向けには群馬名物の焼き饅頭もあり。太田焼きそばを食べ歩くなら、この店はマストですよ!
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峯岸大和屋 - 癖になるマイルドソースの太麺焼きそば!
2軒目は和菓子屋の峯岸大和屋さん。前述の岩崎屋さんと同じく、太い平打ち麺の焼きそばが人気のお店です。
マイルドなソースで味付けは薄め。火が通ってクタッとなったキャベツの甘味がラードのコクと相まって、癖になる味わいなんですよ。卓上にある七味を掛けるのもお勧めです。
焼きそばの他に「あんバターどら焼き」も名物なので、甘味好きの方はそちらもチェックしてみてください。
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ムトウやきそば - 甘辛酸のバランスがよい太麺焼きそば
3軒目は郊外にある駄菓子屋の武藤商店さん。こう見えてマスコミにも何度か取り上げられた有名店なのです。
こちらの麺も、うどんほどの太さがある極太麺。ゴワゴワ・モチモチした食感の麺で、甘辛酸のバランスが取れたブレンドソースとの相性はピッタリ。前述の2店もそうですが、太田では麺とキャベツだけのシンプルな焼きそばが好まれているようですね。
店内にはカウンターが数席あり、テイクアウト・イートインどちらでもOK。焼きそばのついでに、駄菓子で子供時代を懐かしむのも楽しそうですね。
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浅野食堂 - バリエーション豊かな焼きそばメニュー
4軒目は市街地から少し離れた場所にある浅野食堂さん。スタンダードなソース焼きそばのほか、スープ焼きそば・焼きそばラーメン・五目焼きそばなど、焼きそば系の品々がメニューの一角を占めています。
こちらの写真はスープ焼きそば。中太麺のソース焼きそばを熱いスープに浸し、つけ麺風に食べることができます。焼きそばラーメンはこれにラーメンの具がトッピングされたもの。五目焼きそばは中華風のあんかけ焼きそばだそうです。
シンプルなだけでなく、様々にアレンジを加えた焼きそばも太田にはあるんですね。
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清水屋本店 - 太田焼きそば細麺派代表! 歯応え十分の極細焼きそば
最後に紹介するのは大島団地の外れにある清水屋本店さん。太田焼きそばというと太麺のイメージが強いのですが、こちらは細麺の代表格です。
歯応えのある特徴的な極細麺は、太田の焼きそばの多様性の証ですね。具はやはりキャベツのみ。麺とソースで直球勝負の、太田らしいストイックな焼きそばです。
ちなみにこちらはコナモン全般を扱っていて、たい焼きも美味しいんですよ。こうして見ると、太田の焼きそばは甘党の方も楽しめる店が多そうですね。
バラエティ豊かな上州太田焼そば。今回紹介したほかにも沢山の魅力的なお店があります。ぜひ食べ比べて自分好みの味を見つけてください!