都心からは少し遠いけれどわざわざ足を運びたいパン屋さんが増えています。
東京のパン屋さんに比べて店舗も広くゆとりがあり、雰囲気もなんだかゆるりと流れる感じが心地良かったり。
それぞれ個性豊かなところも大きな魅力です。
今回は普段はなかなか行けないけれど、休日に足をのばして訪れたい素敵なパン屋さんをご紹介します。
春先のおでかけに美味しいパン屋さんへのぷち旅行はいかがですか。
もし貴方のお住まいの地域だったら・・・貴方はとてもラッキーです。
日本人の体に馴染むパンが揃う『発酵所』
群馬県太田市にある発酵所は、シンプルです。
店頭も、工房も、パンも、どこまでもシンプル。余計なものはありません。
お店の前には「ぱん」とかかれた可愛い手描きの看板。中に入ると素敵なパンがショウケースに並んで迎えてくれます。一見かたそうなパンも、食べてみるとふしぎとすんなり口の中で優しくなるのです。生地はもっちりとみずみずしい。
何を買うのか迷ったら、まずは「リュスティック」がおススメです。驚くほどもっちり柔らか。そのまま食べるのはもちろん、どんな具材も包み込んでくれるのでサンドイッチにもぴったり。プレーンのリュスティック以外に、具材の練り込まれたものや、ビッグサイズの「でかリュスティック」も。
自宅の畑でとれた旬の素材もパンになって登場します。あるときは金柑、あるときは栗や柚子というように、自然の流れに沿って、発酵所のパンも移り変わっていきます。「美味しいもの」はシンプルなのだということを発酵所のパンに教えてもらいました。
発酵所のパンは身体にすっと馴染んであたたかい。だから毎日でも食べたくなる。いわゆる外国からきた“パン”ではなく、食パンや菓子パンのような日本生まれの“パン”とも違う、日本人の身体に馴染むやさしい“ぱん”がここには揃っているのです。
春は芝桜も有名な太田。発酵所のパンを片手に芝桜を眺めるのもいいですよね。
紹介しているお店はこちら!
店名;発酵所
住所:群馬県太田市茂木町346-5
電話:080-3085-6814
パンへの愛が詰まったパンが並ぶ「RINCAFE」
※[編集部追記]こちらのお店は現在一時休業中です。
新店舗のオープンについては下記の公式Facebookページから、お知らせがあるそうなのでこちらからご確認ください。
https://www.facebook.com/pancaferincafe
初めに白状します。
【RINCAFE】を私におすすめしてくださったのは【発酵所】の店主さん。「美味しいパン屋さんは、美味しいパン屋さんに聞け。」これ、大正解です。繋がりというものはどこの世界でも何よりも強いのです。話がそれました、すみません。
当時はキッチンカ―で営業していたRINCAFE。小さなキッチンカーの棚に所狭しと並ぶパンは、どれも本当に美しくて驚きました。都心のきらきらしたパン屋さんで売っているものにも勝るクオリティー。
すべてのパンが違う生地から出来ていると聞いて更にびっくり。酵母もそれぞれのパンに合うように少しずつ配合を変えているんだそう。店主さんとお話し、「この人は本当にパンが、パン作りがお好きなんだなぁ。」と、とてもあたたかい気持ちになりました。
どのパンも食べてほしいですが、「パン・ド・ミ」と「パン・オ・ヴァンショー・フリュイ」は外せません。うっとりするほど滑らかで芳醇な「パン・ド・ミ」は1度食べたら忘れられません。そのまま生で食べても、軽くトーストしてもどこまでも美味しい。
「パン・オ・ヴァンショー・フリュイ」は水を一切使わず、赤ワインだけで捏ね上げた生地。美しく色づいた生地にはドライフルーツとナッツがたっぷり練り込まれてます。生地の絶妙なしっとり感と口中から鼻に抜けて香る風味といったら!薄くスライスしながらゆっくりと味わいたい贅沢なパンです。
どのパンからもパンへの愛情が感じられる素敵な一軒です。
※現在はキッチンカ―ではなく、店舗で営業中。
5感で季節を感じられるパン屋さん、「タロー屋」
タロー屋のパンは記憶に残るパンです。
はじめて「すりつぶし苺酵母の角食」を食べた時、本当に苺の味が口に広がり驚きました。見た目は普通の食パンなのに、苺の香りがふわりと確かに香るのです。舌に残るフレッシュさは、新鮮な果実のそれそのもの。
「レモン酵母のノアレザン」もレーズン、クルミだけでなく、そこにはレモンの存在感がきらり。このパンはこの酵母で作られているのだと、はっきりと噛みしめながら味わうことが出来るパンばかりです。
季節の果物やお野菜、お花から酵母をおこし、自然の流れに寄りそいながら、丁寧にパンを焼くお店。
お店へ入ると、寒い日には温かい飲み物を、暑い日には冷たい飲み物をそっと差し出してくれるあたたかさ。会話を楽しむことが出来るパン屋さんでもあります。住宅街にあり、週に2日しか営業しないお店ですが、地元のお客さんはもちろん、遠方からのお客さんも多いのも納得です。
店内から見える敷地内の畑の素材も、季節ごとにタロー屋のパンにしっかり登場します。畑をながめながら、会話を楽しみながら、旬のコウボパンを味わえる、そんな一軒です。
もう少しで、春ならではの「八重桜の酵母」も登場する季節。年に数週間しか味わえない春の酵母を味わってみませんか。
紹介しているお店はこちら!
店名:畑のコウボパン タロー屋
住所:埼玉県さいたま市浦和区大東2-15-1
電話:048‐886‐0910
公式HP:http://www.taroya.com/
空間そのものを楽しめる人気店「cimai」
埼玉県幸手市に姉妹ユニットで営む人気店「cimai」はあります。
白い箱のような建物は、お洒落な雑貨屋さんのような佇まい。扉を開けると、アンティ―クの家具がひっそりと、でも凛とした美しい姿で店内に迎えてくれます。実はこの家具、オープン当初から繋がりのあるHANG cafeのセレクトによるもので、購入も可能。他にもコーヒー屋さんがやって来たり、お花屋さんがやって来たり、“繋がりの輪”が生み出すあたたかい空間が「cimai」なのです。
そんな「cimai」の中央のテーブルには、丁寧に作られた柔らかい表情のパンが並びます。お姉さんが天然酵母でパンを焼き、妹さんがイーストでパンを焼くちょっと変わったスタイル。1日の始まりはイーストのパンが並び、徐々に天然酵母のパンが焼きあがってくるので、1店舗で違った種類のパンが楽しめます。
私のお気に入りはシンプルな食事パンたちとパン・オ・ショコラ。毎日食べたいと思えるシンプルな食事パンは食パンからパヴェ、カンパーニュまでバリエーションも豊富。天然酵母のクロワッサン、パン・オ・ショコラは手織りでつくられたもの。手間暇かかって丹念に織りこまれた、さっくりざっくりした生地の素朴さがたまりません。
サンドイッチやキッシュを店内で楽しむのも素敵ですが、お天気の良い日はピクニックのお供にするのも最高!桜の名所、権現堂も近くなので足を運んでみるのもおすすめです。
心地よい空間を楽しみながら、美味しいパンを味わえるあたたかいお店です。
紹介しているお店はこちら!
店名:cimai
電話番号:048-044-2576
住所:埼玉県幸手市大字幸手2058-1-2
公式HP:http://www.cimai.info/