おつかれ麺です。オゴポコです。
福岡県の「博多ラーメン」と「久留米ラーメン」
熊本県の「熊本ラーメン」
宮崎県の「宮崎ラーメン」
鹿児島の「鹿児島ラーメン」
いずれも、全国的に九州を代表するご当地ラーメンとして知られていますね。
じゃあ、九州の他の県には、ご当地と言えそうなラーメンは無いのか?いや、ある!
例えば、大分県の「佐伯ラーメン」は、最近首都圏でも食べられるようになり知る人ぞ知る存在となっています。
翻って、長崎県。
長崎県と言えば、「長崎ちゃんぽん」があまりにも有名すぎて、ラーメン不毛の地のイメージがあるかもしれませんね。
ところが!実は長崎県には、ご当地色の強いラーメンがあるのです!それは、
佐世保豚骨ラーメン
九州の西端、佐世保市。その玄関口のJR佐世保駅を中心とした市内中心部、半径3キロ以内に集中している豚骨ラーメンがあるのです。その特徴はざっと以下のとおり。
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・スープは豚骨鶏ガラのあっさり味
・最初からコショウがかかる
・中太多加水の柔麺
・モヤシトッピング
・チャーシューは脂身の少なめ
・「ちゃんぽん」を提供する店多し
・サイドメニューに必ず「おでん」あり
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佐世保豚骨は、博多の硬麺でもなく、久留米の骨っぽいスープでもなく、あくまで優しいほんわか豚骨。ニュアンスとしては、どこか「宮崎ラーメン」に似たところもありますが、「宮崎ラーメン」のように焦がしラードやニンニク醤油はありません。
一説によると、佐世保豚骨のルーツは、戦後すぐに佐世保の街に興った屋台だそう。
現在、屋台はほぼ無くなり、屋台あがりの店を中心にその味が受け継がれています。特に屋台文化の名残がサイドメニューの「おでん」に現れているように思えます。
考えてみると、長崎県のお隣佐賀県は、久留米ラーメンに強く影響された「久留米ラーメンの亜種」が多く存在する地域。であれば、佐賀県より更に西の長崎県佐世保市がその影響を受けてもよさそうなものですが、久留米ラーメン色はほぼ無く、上に挙げたラーメン文化が数十年に渡って生き残っているのです。九州の豚骨ラーメン伝播の歴史を考えても、この特異性は注目すべきではないかと考えます。
ということで、今回は「佐世保豚骨」の中から、まずは抑えておきたい基本の5軒を紹介します。
1.『二代目 お富さん』佐世保豚骨の代表格!その歴史は佐世保駅地下街の初代店から路面店の二代目へ
「ラーメン(550円)」
先に述べたとおり、佐世保豚骨の興りは屋台と言われています。『二代目お富さん』の前身『お富さん』は、その屋台の一つとしてスタートした後、JR佐世保駅の地下街に店を構えていました。その地下街が無くなり、前店主の息子さんが後を継ぎ”二代目”を冠しているのです。
店内でゴンゴン骨が炊かれる様からは相反し、臭みはあるものの塩気の利いたすっきり半濁スープ。脂身の少ないチャーシューがこのすっきりスープとよく合います。麺は加水高めの細麺で、ただ柔らかいだけでなく、角の立ったもっちり食感が特徴。柔らかいとは言っても、博多豚骨の「やわ」とは異なる食感です。
立地は、JR佐世保駅みなと口を出て左側へ歩いて200メートルほど。不定休なので、駅から出て左を向き、暖簾が出ているか確認してから訪問しましょう。
※実は千葉県木更津市の人気店『九州ラーメン 友理』は、地下街時代の『お富さん』出身。関東の方は『友理』で佐世保豚骨の雰囲気が味わえます!
紹介しているお店はこちら!
店名:二代目 お富さん
https://r.gnavi.co.jp/kd76c1f70000/
2.『丸徳ラーメン 駅前店』佐世保駅から歩いてすぐ!屋台あがりの佐世保豚骨老舗店
「ラーメン(550円)」
こちら『丸徳ラーメン』も『二代目 お富さん』同様、屋台をルーツとする店です。元々本店は佐世保駅から少し離れた高天町にあったそうで、そちらは50年近く営業した後に閉店。いまは駅前店のみですが、こちらも30年近く営業しています。
メニューに目を向けると、おでん、ちゃんぽんもあり。ラーメンは雑味の少ない綺麗な白濁に柔麺。胡椒は入らないので、自分で調整しながらかけるのがよいでしょう。というか、かけた方がよい!
店構えや内装の昭和オールド感も含めて楽しむ店。JR佐世保駅東口を出てバスターミナルの左手、歩いて3分の好立地です。
紹介しているお店はこちら!
店名:丸徳ラーメン 駅前店
https://r.gnavi.co.jp/9xz753900000/
3.『お栄さん』24時間営業!開いてて良かった佐世保豚骨を代表するお薦め店!
「ラーメン(580円)」
『お栄さん』も先の2店同様、屋台から始まった老舗。1955年創業、半世紀を超える歴史を誇ります。その歴史ある味を、24時間いつでも味わえます!
ラーメンはもちろん佐世保豚骨様式を踏襲したもの。麺は『二代目 お富さん』に似た角の立ったもっちり食感。ぐっと押し返す絶妙さがいいですね。一方、スープは佐世保豚骨の中では濃厚な部類。クリーミーで、タレ強め、鶏油に似た油強めで、くっきりした味です。おでんは、佐世保でよく見かける甘めの黒々した濃いめの汁。自分で取って個数を申請しましょう。
永年営業の知名度、佐世保駅から歩いて7分の好立地、一見さんでも気軽に入れる雰囲気、そして味。総合的に見て、佐世保豚骨でどこに行けばよいか迷ったらここ!と言えるお店です。
紹介しているお店はこちら!
店名:お栄さん
https://r.gnavi.co.jp/s80tv6xn0000/
4.『有妃ラーメン』豚骨臭が看板代わり!40年超の歴史を誇る夜専門店!
「ラーメン(550円)」
JR佐世保駅から約1.5キロ離れた場所、佐世保公園の入り口「アルバカーキ橋」近くに店を構える『有妃ラーメン』。
他の店もそうなのですが、佐世保豚骨はとにかく息の長い店が多い!こちらも例にもれず、創業40年を超えるお店です。現在の場所は創業の地だそうで、10年ほど前に移転して戻ってきたとのこと。
夜専門店にも関わらず、あまり目立たない外観で見つけづらさもありますが、店外に漏れてくる猛烈な豚骨臭が目印です。
麺は『お栄さん』『二代目 お富さん』に似た角の立ったむっちりタイプ。豚骨臭に反してあっさり軽めのスープなので、すいすい飲めます。まさに、佐世保豚骨の教科書どおりの一杯。
かつては佐世保に駐留する米軍関係者もよく訪れたそうで、歴史とラーメンを味わえるお店です。
紹介しているお店はこちら!
5.『観音横丁』福石観音すぐ側に風情のある店構えを見つけたら引き戸をガラッと開けて入ってみたい。
「ラーメン(580円)」
営業年数は35年くらいだそうで、普通なら立派な老舗ですが、とにかく長寿店が多い佐世保豚骨店では若い部類に入ります。
『観音横丁』という店名が表すとおり、場所は開創1,300年を超える名刹「福石観音」の入り口付近。名刹の空気に溶け込むかのような、薄灯りが漏れる障子ガラス戸。そして煌々と輝く白地に黒の力強い書体。夜専門店なので文字通り”映える”外観をひとしきり眺めてからお店に入りましょう。
寸胴から溢れかえらんばかりの骨、強い豚骨臭、でもラーメンはもちろん佐世保豚骨です。麺は『お栄さん』に通ずる角の立った形状と質感、やや細め。ここまではお馴染みですが、特徴はスープ!明らかに油たっぷりでかなり重いストロング佐世保豚骨!
もちろん「おでん」はありますし、焼き鳥もあり、屋台風の店構えに惹かれる常連も多いようで、全国的に知られるテレビショッピング会社の元社長さんも常連のようです(店内に写真あり)。
JR佐世保駅から1.2キロと少し離れていますが、佐世保豚骨伝統の屋台に近い空気を味わいたいならここで決まりでしょう。
以上5軒。JR佐世保駅から近く、かつ、佐世保豚骨を代表するお店を選んでみました。実はこの5軒以外にも、佐世保市内には多くの佐世保豚骨店が軒を連ねています。第2弾では、更にディープな佐世保豚骨を紹介する予定です!
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