飲食とは無縁だった店主が、素晴らしい麺との巡り合わせが導き出した化学反応♪
福岡市内から、車で1時間以内のエリアにある小郡市三井地区。
高速道路のインターがあり、久留米市にもほど近い立地にある事から、住みやすく水や空気の綺麗な土地柄と言えます。
店主は定年まで、飲食とは一切関係のない仕事でしたが、現在使用する『篠原製麺所』の麺の旨さに惚れ込んでしまい…
この麺に合ったスメ(うどんつゆの事を、福岡ではこう呼びます)を作ろうと一念発起され、全くの独学ながら満足のいくスメが出来上がった事から、うどん屋を開業されたという経歴をお持ちでいらっしゃいます!
旬の食材を使った、季節限定の具材も提供されており、今回は既に提供が終わった商品も含めて、いくつかご紹介致します。
1.芳ばしく殻ごと素揚げされた、この店の1番人気「小えび天 うどん」
春先に限らず、通年で提供されているのが小海老天ですが、衣に覆われたタイプの海老天ではなく、柔らかい殻ごと姿揚げした海老天が盛り付けられます。
いわゆる「ソフトシェル」状態の殻は、パリッと心地よい食感で丸ごと頂けて、甲殻類ならではの芳ばしさが堪りません♪
恥ずかしながら、私が子供の頃「海老フライの尻尾は、カルシウムが摂取できる」との理由で、母親から食べるようしつけられた世代ですが、今はむしろ好んで食べております(笑)
常連客の中には単品の小海老天と瓶ビールを頼んで、それを肴に一杯ひっかけて〆にうどんを召し上がる方もいらっしゃいます!
話が逸れてしましましたが、節系やいりこの効いたスメに海老の風味が滲んで、私も尋ねられたら最初にお勧めしているのがこの一杯です。
2.老若男女を問わず、安定した人気で私も大好物の「玉子とじ うどん」
以前にも、玉子とじうどんばかりを集めてご紹介致しましたが、私は玉子とじうどんがあれば必ず頼むぐらい、玉子とじうどんを愛しています♪
こちらの玉子とじは、やわやわの炒り卵ぐらいのとじ加減で、このふわふわ食感が私のハートを掴んで離しません!
スメに浮かんだ玉子から、ほんのりと甘みが滲んで旨みを増して、うどんとの相性を更にアップさせる素敵なアイテムです。
飾られた2枚の海苔も、アイコンではなく磯の香りをじんわりと滲ませ、しっかりと旨みの援護射撃を果たしています!
ご覧のとおり、店主の人柄がそのまま写し出されたような、観るだけで美味しさが伝わる玉子とじうどんの魔力…
是非とも、皆さんにもその魔法を掛けてあげたくなる、優しい味わいの一杯であります♪
3.じつは夏だけのお楽しみながら、敢えてご紹介の「冷しわかめ うどん」
ここの出汁には、数種類の節系や煮干しが使われていますが、僅かに節系が強めで塩味とのバランスがとられています。
店主が一番拘っているのは温度で、炊き出すだけでなくお客に提供するまで、質感を落とさずに保つことが難しいと教えて頂きました。
そんな出汁で作られるスメを、ゆっくりと時間を掛けて徐々に冷まして、冷たいうどんで提供されたのです!
単純に、粗熱が取れた段階で冷蔵庫に入れる…なんて事をすれば、雑味や濁りが生じかねないとの事で、注意が必要とされる作業だと話されていました。
湯切りした麺を、冷水で一気に〆て冷したスメと合わせたところに、わかめと海苔を盛りつけた爽やかな一杯です。
真夏でもグイグイ飲める冷たいスメと、冷水で引き締められたうどんの喉越しが心地よく、茎わかめのザクッとした食感も堪りません!
特筆すべきは海苔の存在で、冷たいスメに風味が溶けこみ何かに似ている…と思ったら、冷製茶漬けにヒントを得たとの事で、薬味も一味や柚子こしょうではなく、ワサビが添えられていました(笑)
提供は終了していますが、来年の夏にはまた頂く事のできる一杯、すでに待ち遠しく感じているのは私だけではないハズです♪
4.こちらも季節の食材を使った、種と仕掛けの「蓮天 うどん」
蓮天(はすてん)、すなわち蓮根の天ぷらの事ですが、こちらは秋から頂けてちょいと仕掛けが施されております。
この時期の蓮根は、肉厚でも火を通すとホクホクしていて、天ぷらにすると表面だけがサクッとして、食感の違いを楽しむことが出来ます。
ところがここの店主、思いついた事は試そうとされる方で、せっかくの蓮天にある裏ワザを仕掛けました…
なんと蓮根の裏側に、白身魚のすり身をこんもりと乗っけて、それを天ぷらとして揚げてしまったのですっ!
すり身を揚げるのだから、さつま揚げや丸天と同じ理屈であり、どう考えても美味しくしかなりませんっ!
しかも1枚だけでなく、2枚とも同じ仕掛けが施されているので、ボリュームも食べ応えも嬉しい限りです!
そのおかげで、一杯のうどんが二度も三度も美味しく頂ける、そんなお楽しみうどんに仕上がっております♪
これで一杯470円とは…、下拵えや手間暇を考えれば、間違いなくお安い価格設定と言わざるを得ません。
他にも100円で5枚入りの、駄菓子のイカフライを浮かべたうどん等、面白いメニューも存在しています。
店の軒先に、渋柿を吊るして干し柿を作っています(笑)
正月用か?、数量限定で販売するのか?、はたまた商品としてうどんの具材に使用するのか?
次に訪れる時に「何に使用されたのか?」は、店主に教えて頂く予定ですが、話し好きの楽しい店主と美味しいうどんに会いに、是非とも訪れて頂きたいお店です♪
紹介しているお店はこちら!
店名:三井うどん店
住所:福岡県小郡市井上1027-5
電話番号:090-2730-0176
営業時間:11:00~15:00(売り切れ次第終了)
定休日:不定休