大阪といえば、粉もん。
中でも大阪生まれのたこ焼きは大阪人のソウルフード。
ピンポン玉大に焼き上げられたたこ焼きにたっぷりの濃厚なソースとマヨネーズがテカテカ輝き、その上にはひらひらと削り節が乗って、パラリと青のりが乗っている。そんなたこ焼きは今や、人気で全国的な食べ物になりつつあります。
しかし、実は、元祖たこ焼きはソースがかかっていないって知っていますか?
昭和初期、こんにゃくや紅ショウガを入れて焼いた、「ラヂオ焼き」や「ちょぼ焼き」と呼ばれる食べ物が流行っている中で「大人向けに」と生まれたのがたこ焼き。醤油味の出汁で溶いた小麦粉に、タコを入れて焼いてそのまま食べたのが始まりなのです。ソースがなくて味がするの!?と思われがちですが、醤油と出汁で味がついていて、タコの味そのものを味わえ、あっさりしていてとっても美味しいんです。
今やほとんどのお店が、ソースやマヨネーズをつけていますが、今なお何もつけず食べられる硬派なお店も残っています。今回はその中でもオススメの3店舗をご紹介します。
1.美味しんぼにも登場した元祖たこ焼き 『会津屋』
1軒目はたこ焼きの元祖ともいわれるお店です。
たこ焼きはシンプルに醤油味の出汁で溶いた小麦粉の生地とタコだけ。ソースなし。
会津屋では昭和10年に、このスタイルを開発して以来、約80年その味を守り続けています。
紅ショウガや天かす、ネギを入れずピンポン玉よりも小さめに焼かれたたこ焼きは、表面は香ばしくて中はふんわりトロトロ。だけど生地にはしっかりと醤油と出汁が感じられて他に素材がない分タコが引き立ちます。ソースとマヨネーズではない、「出汁文化」な大阪を感じられるたこ焼きです。
たこ焼きの原型となった甘辛く炊いたスジこんにゃくが入った元祖ラヂオ焼きもオススメ。
「元祖たこ焼き」 12個(440円)15個(550円)18個(660円)21個(770円)
元祖たこ焼き、元祖ラヂオ焼き、ねぎ焼きの3種類を4つずつ楽しめる
「三種盛(550円)」もオススメです。
紹介しているお店はこちら!
2.二回流しでカリッととろりのたこ焼き 『うまい屋』
2軒目はたこ焼きの美味しさの大半は「カリトロ」食感だ!という人にオススメのお店です。
昭和28年創業、約65年の老舗たこ焼き屋さん。
生地を流し、天かすと細かく切った紅ショウガとタコを入れて焼き上げて、よーし食べれると思ったところで、もう一度生地を流しいれる、二回流しで作られるたこ焼きです。この二回流しが生むのが独特の、カリッともっちり食感!
もちろんソースなし。
パクリと食べれば、カリッともっちり。そしてジワ〜っと鰹の出汁の旨味が感じられます。醤油よりは出汁寄りのおいしさ。表面にこぼれ出た天かすの食感や、ほんのりと入った紅ショウガも絶妙なアクセントでタコを引き立てます。タコの旨味を堪能するなら出汁がやっぱりベストなのかもと思わせてくれるたこ焼きです。
「たこ焼き」 8個(400円)12個(600円)。。。常連客向け(?)に40個まであります。
店内で、ゆったりビール片手にたこ焼きという楽しみ方もオススメです。
3.たこ焼きの革命?!オマール海老の出汁を使ったたこ焼き 『玉屋』
3軒目はフランス料理出身オーナーが作るオマール海老の出汁を使ったたこ焼きです。
今回唯一の平成18年オープンの老舗ではないお店です。
庶民な食べ物たこ焼きには似合わぬ、高級食材「オマール海老」をまるまる使うほか、生だこ、昆布、鶏ガラ、豚骨、野菜、果物などなど様々な食材を3日間も煮込み旨味を引き出した出汁を使った、贅沢なたこ焼き。大きめなピンポン玉大に焼かれたたこ焼きは外はカリカリ、中はとろとろ。こちらのお店では、ソースだけでなく、醤油、ポン酢、ニンニク醤油、岩塩、カレーなどなど様々な食べ方が選べますが、オススメはもちろん素焼き。
何もつけずに食べると、これがたこ焼き!?と驚く旨味がふわっと広がります。オマール海老の味がしっかりするわけではありませんが、その深みは素焼きで味わってほしいです。もう一つオススメは岩塩。ほのかな塩分が旨味をさらに引き立てます。
「たこ焼き」 5個(290円)9個(500円)12個(600円)15個(750円)20個(980円)
「たこせん」や「たこ焼きあんかけ」など変わりたこ焼きや、たこ焼き全種盛も楽しいです。