◆日本の食文化に多大なる影響を与えた『ホテルニューグランド』
神奈川県横浜に構える『ホテルニューグランド』。
1927年(昭和2年)に開業し、開業90周年を迎える老舗ホテルである。
そんな同ホテルは、「シーフードドリア」、「スパゲッティナポリタン」、「プリンアラモード」発祥の地として日本の食文化に多大なる影響を与えたことでも知られている。
今回は、上記以外にもここ『ホテルニューグランド』が発祥という老若男女誰もが好きな“あのメニュー”について紹介させていただこう。
◆ハンバーグの歴史について
そのメニューというのがみんな大好き「ハンバーグステーキ」だ。
当時のレシピを受け継ぐホテル本館1階の『コーヒーハウス ザ・カフェ』でいただくことができるのだが、メニューを紹介する前にハンバーグの歴史について少々語らせていただきたい。
ハンバーグとは英語で“Hamburg”と表記され、文字通りドイツ・ハンブルグのことを意味し、ドイツ料理「フリカデレ」がその原型にあたるとされている。つまり、ハンバーグステーキとは“ハンブルグ風ステーキ”のこと。
では、どのように日本にハンバーグが入ってきたのか?
その答えは、ハンバーグには欠かせない“デミグラスソース”が大きく関係してくる。
フランス料理にとって最も重要な基本ソースの一つとされるデミグラスソース。
このソースが誕生したのが1900年代初頭。
それゆえに、横浜開港の1859年時点の西洋料理店にはまだ今のハンバーグが存在していなかったのである。
ではそのハンバーグステーキとデミグラスソースを伝えた人物は一体誰なのだろうか?
その人物こそが、“西洋料理の父”と呼ばれるホテルニューグランド初代総料理長「サリー・ワイル」氏なのだ。
ホテル内では「サリー・ワイル」氏についての情報を拝見することができ、当時のグリルルームのメニューに「ハンバーグ ステーキ オニヨン添」が記されているのが確認できる。
と、前置きが非常に長くなったが、ここホテルニューグランドが“日本のハンバーグ発祥の地”であることは揺るぎない事実なのである。
ではいよいよそのハンバーグをいただいてみよう!
◆これが日本初のハンバーグだ!
これが『ホテルニューグランド』が手掛ける「ハンバーグステーキ オニオンソース」である。
当時と比べて使用する素材は多少異なってはいるものの、ホテルニューグランドの料理は伝統を重んじるスタイルで大きな変更をせずに開業当時からのレシピを受け継いでいる。
牛豚配合比率7:3の合挽きパティにオニオンソースと呼ばれるたっぷりのタマネギが入ったデミグラスソースがかかっている。
付け合わせのポテトグラタン、ブロッコリー、ニンジンのグラッセの彩も鮮やかだ。
◆いざ実食!
粗挽きでありながらもよく練られたパティは肉々しく、噛みしめる度に肉汁がじゅわじゅわとあふれ出してくる。
そこにオニオンソースのあっさりしながらもコクたっぷりな味わいとタマネギの程よい食感があわさることで秀逸な一皿に。
また、ライスとの相性も抜群で日本人の口にあわせた仕上がりとなっている。
まさに伝統的なおいしさとはこのことだ!
◆というわけで、
様々な発祥メニューを生み出してきた『ホテルニューグランド』。
このホテルがあったからこそ日本の食分化の素晴らしい発展につながったのかと思うと非常に感慨深いものがある。
ぜひともホテルニューグランド発祥のメニューを楽しみに、その味を受け継ぐ『コーヒーハウス ザ・カフェ』に訪れていただきたい。
日本の洋食のルーツを感じながら口にする料理は他の店では味わうことのできない感動と共に思わず顔がほころんでしまうこと間違いなしだ!
紹介しているブログはこちら!
http://kazkaz-daizu-kimochi.blog.so-net.ne.jp/2018-02-15