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パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」
パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

最終更新日 : 2017/02/11

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前回はハルユタカを使用した食パンでしたが、今回はハルユタカを使ったハード系のパンについて書きたいと思います。
▽前回の記事▽
「幻」と呼ばれる稀少な小麦!ハルユタカの小麦畑を感じるハードトースト
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/9924/

有機レーズン由来の自家製酵母や小麦由来酵母を使用し、生地に合わせる具材も有機素材を用いるなど、こだわりを持って作っているパン屋さんです。

読み進めて行くと、パン作りのこだわりの由来についても知ることが出来ます。
パン好きさんなら「へぇ~そうだったの?!」と思うでしょう。

では、宜しくお願いします。

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

■自分達のパンを作る

ひかり工房が北海道産小麦を使い始めた理由は、とてもシンプルでした。

「 地元北海道の小麦だから 」


地場の産物を使うことの必然性やメリットは色々とありますが、
「地場で小麦が穫れるのだから、これを使うのはごく自然なこと」 と、ひかり工房は考えています。

この「自然なこと」というのが、ひかり工房のパンを理解する上で大切なキーワードです。

 

『 使う素材が食べ物として自然なものかどうか 』

『 パン屋として 自然かどうか 』

『 人として 考えや行動が自然かどうか 』

  

 ここで使われる素材の多くが、
北海道産、札幌産、江別産、芽室産、風連産、森町産、宗谷産、自家栽培・・・に加えて
オーガニック素材(レーズン、カレンズ、くるみ、イチジク)が多く使用されています。

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

生産者の顔が見えることだったり、どのように作られているのかを知ることは
ひかり工房にとっては自然なことです。

パンの製法にも自分達のこだわりを取り入れていて
『 自家製酵母を使って長時間発酵する 』という作り方です。

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

フランスのパン作りに由来していますが、この技術を授けてくれたのがルヴァンで修行し
初代工場長を勤めた鈴木 氏。(現 リフィート さいたま市北区土呂町2-10-8 オーナーシェフ)

彼は、自家製酵母パンの草分け的存在の甲田幹夫氏の元で学んだ多くを ひかり工房につぎ込みました。

技術はもとより、物事の考え方や向き合い方についても時間をかけて丁寧にスタッフ一人一人に伝えていきました。


" 自分達が作るパンとはどういうパンか ” を意識しながら作ることはとても大切なこと。

パンのアイデンティティを自覚しながらパンを作ること。

そして パンに魂をこめること。


彼が残した言葉と教えです。
現在でもしっかりと守られていてスタッフ一人一人の心の規範となっています。
お店の入り口には鈴木 氏がデザインした小麦のロゴが飾られていて、お客様を工房の中へといざなっています。

このロゴの小麦の1粒1粒の位置とバランス、曲線の優しさを考えて作り上げたもので、ひかり工房そのものを表現しているとも言われています。

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

■授産施設でルヴァンの天然酵母パン?!

全国にはパン工房を併設した授産施設が多く存在しています。
現在では素材にこだわり多様な取り組みが行われていますが、
10年前はひかり工房が行っているような内容のパン工房はまだ少なかったと聞いています。

しかも、地場産小麦と自家製酵母でパンを作るという
まさにルヴァンのようなスタイルの授産施設のパン工房は稀少でした。

発酵種を管理するということは容易なことではありませんが
当時、これを授産施設で行うということはまさに前人未到の取り組みでした。


「 何か特徴があって、ひかり工房らしいパンを作れないものか・・・ 」

と考えていたところに、鈴木氏とのご縁に恵まれて始まったパン作りが
地場産小麦で自家製酵母のパン、しかも使う素材はオーガニックという図らずも「 他ではやっていないこと 」に取り組むことに。

これが功をそうして
ひかり工房のアイデンティティは確立され、地元での認知度も増していきました。

■「 自然 」を裏付ける「論理的思考」

ひかり工房のスタンスは「自然」といいましたが
決して感覚的な価値観だけを重視しているわけではありません。

一見、「自然」というと論理的な思考から離れたところにあって、雰囲気で物事を捉えているようにも誤解されかねませんが、実のところは、考え、突き詰めて、深く、じっくり物事と向き合って行く姿勢が根底にあります。

感覚(フィーリング)だけではブレやすいものですが、そこに根拠となる経験とデータとこれらを処理する論理的思考を重ねることによって「フィーリング」だけではない「センス」を培っています。

 
地元北海道の小麦を使うことについても
実際にはどういう特性を持つ小麦なのかを理解するためには試作と作業工程の見直しを何度も重ねなくてはなりません。

『 言うは易く 行うは難し 』です。


10年前はまだまだ道産小麦で満足の行くパンは出来ない と考える職人もいた時代です。
ハルユタカだけを使って自家製酵母パンと食パン、菓子パンなどの全てのレシピを作ることは本当に大変な作業だったことは、想像に難くはありません。


「地元の小麦を使うことは自然なこと」という理想を実現するためには
小麦について知り、理解し、どうしたら特性を活かせるのかを考え、試行錯誤し、データを取りながら検証を重ねていた という裏付けが実は裏にあったのです。

フィーリングも大切な感覚ですが「論理的思考」を行い、ちゃんと理由を整理していたということです。


ある日のひかり工房で催された甲田幹夫氏の話の中では
何故地元の素材を使うのか?という問いに甲田氏が説明して下さいましたが
その説明を聞くと「あ、なるほど 」と納得出来るもので、しかもその内容は「ごく自然なこと」ということも腑に落ちたという記憶があります。

『 論理的で自然 』なのです。

 
ルヴァンではこういう物事の考え方が自然と身に付くのかもしれません。
鈴木氏もまた『 論理的で自然 』であり、甲田氏から受け継がれたこの人間観をひかり工房のDNAの一部に組み込んでいったのではないでしょうか。
素材に地場産品を取り入れたり、オーガニック素材を選ぶということも、元をたどって行くと このあたりから来ているんですね。

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

パン職人の山岡さん

『 地元で穫れる粉を使うことは、社会貢献というか地元の小麦を使い、パン屋さんが加工して、地元の方に食べもらってっていう「 循環型 」みたいな「 輪 」が出来ることが、パン屋さんとしての魅力にもつながるんじゃないかと考えています。』

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ハルユタカの食パン生地に練り込まれているのは、札幌黄(さっぽろき)というタマネギで札幌の伝統野菜の1つです。

特有の甘さを持ちますが 病気に弱かったり身が柔らかくて流通に向かないため、生産者が減り、幻のタマネギと言われています。

どこかハルユタカと似ていますね。

■パンと向き合う姿勢

「自分達が作るパンとはどういうパンか」というある種の哲学的な部分ですが
ひかり工房のパンには自分達のパンはこういうパンです。というアイデンティティがあります。

これを持つのと持たないのとでは仕事に対する熱意・モチベーションも変わって来ると思いますし
特に辛い状況に陥った時に、自分自身を救ってくれる命綱の部分ではないかと思っています。


「 困難という壁を目の前にして、心が折れそうになった時に自分自身を支えてくれるもの 」


「何故わたし達はパンを作るのか」という問いに対する答え。「自分達のパンとは」。

または「自分にとってパンとは何?」

 
僕は以前、この質問をスタッフ一人一人に聞いたことがありました。
答えは様々でしたが皆答えてくれました。真剣な眼差しや、恥ずかしそうに答える様子や、楽しそうな様子と色んな反応がありました。
そして、パンに対して、またはパンを作るという仕事に対してしっかりとした答えを持っていることに僕は感心しました。
一人一人理由は違いますが、パンを作るという一つの行為に対して皆真面目です。

 
真面目にパンをつくる


特に 時間と手間がかかる自家製酵母パンを作る上、兼ね備えていなければならない要素の1つです。
逆に言えば、ひかり工房に適したパンが 『 自家製酵母パン 』とも言えるのではないかと思います。

■ハルユタカとひかり工房の共通点

北海道産小麦では良いパンが出来ないと言われた時代に誕生し、時代を切り開いてきたハルユタカ。
ハルユタカだけで 作る「自分達のパン」に挑戦し続けて来たひかり工房。
両者の歩みをまとめると、次のような共通点が見えてきます。

前人未到の道を前に

目的地にたどり着けるかどうかも解らない

でも、歩き始めるしかない


2者に共通する点です。
ハルユタカが歩んで来た歴史とひかり工房の歩みが重なって見えてきませんか?

そして
ハルユタカがあってこそ今があるのです。

今一度思い返して見て下さい。

一昔は、北海道産小麦では良いパンは出来ない と言われていました。
当時の誰もが(パン職人が一番そう思っていた) そう思っていたことです。
ハルユタカでさえ、高タンパクだけどパン用ではなくラーメン用と言われたりもしました。

しかし、時代は変わりました。
時代を変えたものは何でしょうか?

あきらめずに、パンに使い続けて来た職人達がいたからです。

あきらめずに、栽培し続けてくれた生産者と製粉会社がいたからです。


ハルユタカの強力品種の可能性に着目し、
どうやってこの小麦を活かして行こうかを真剣に考え、向き合い続けて来た人達がいてくれたお陰だと僕は思います。


前人未到の道を前に

目的地にたどり着けるかどうかも解らない

でも、歩き始めるしかない


振り向けば 自分が歩いて来た道が伸びていて
ひとり、ふたりと続く人がいた

ここに、北海道産小麦ハルユタカと関わって来た人達の旅路があります。

パン好きに知ってほしい!魂を込めてこだわりのパンを作る「ひかり工房」

紹介しているお店はこちら!
店名:パン工房 ひかり
住所:札幌市東区北33条東14丁目5-1
電話番号:011-733-3774
営業時間:9:30~18:00
定休日 :日曜・祝日+お盆・年末年始等
駐車場:5台
公式ページ:http://nice-heart-net.jp/member/?id=32

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※本記事は、2017/02/11に公開されています。メシコレで配信している記事は、グルメブロガーの実体験に基づいたコンテンツです。尚、記事の内容は情報の正確性を保証するものではございませんので、最新の情報は直接店舗にご確認ください。

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