おつかれ麺です。オゴポコです。
「新店紹介はいいけど、また豚骨?」という声が聞こえてきそうですが、はい、今回も豚骨です。
豚骨ラーメン以外は”非豚骨”。ラーメン鎖国状態が続く豚骨幕府・福岡の2016年は、これまで出島の役割を果たしていた「ラーメンスタジアム」だけでなく福岡市内に「非豚骨の有力新店」がちらほらオープンし、若干ですが国を開く兆しが見えてきた年でした。
しかし、それはあくまで単発レベルの話。半世紀以上続く「新店=豚骨」の体制は今も盤石であります。
本来ラーメンが持つ多様性から考えると、無論この状態は憂うべきではありますが、ひとつ逆に考えてみてはどうか。江戸時代の町人文化がそうであったように、閉じた世界(豚骨)の中で競争することにより純度の高い、ハイレベルな豚骨文化が醸成されているとも言えます。まあ、今風に言えば単にレッドオーシャン化しているだけなのかもしれませんが・・・。今回はそんな豚骨レッドオーシャンを勝ち抜けるのではないかと期待させる気鋭の新店3店をドドッとご紹介。
1.麺屋はし本(福岡市早良区) 一幸舎公認出身店が一幸舎を超えてゆく新世代豚骨!
2016年4月オープン。一幸舎で10年ほど働いていた方が満を持してオープンした大型新店です。こちらの店の新店離れしたストロングポイントは、大きく2点。
”滑らかで密度の高い豚骨スープ”
密度が高くかつ骨感もあり、例えて言うなら、粉ミルクのように骨粉がきめ細かく混ざっている印象。油感は抑えながらもなぜか濃厚という珍しさ。雪平鍋でスープを加熱し、温度にも気を配ってます。
”しっとりうまいチャーシュー”
チャーシューは一枚、部位はモモでしょうか、これがしっとりして肉肉しくうまい!福岡では、得てしてラーメン一杯の中の拘り度合が「スープ>麺>>>>>チャーシュー」のような優先順位になっている感がありますが「はし本」は「スープ>チャーシュー>麺」の感覚。次はチャーシューメンを食べよう、と思いたくなる店、福岡にはそうそうないです。
立地は博多や天神から少し離れた福岡市営地下鉄・室見駅近く。正直、何かのついでには行き難い場所ですが、ぼくは半年のうちにこのラーメンを食べるためだけに室見駅で2回下車してしまいました。それくらいヒキのある豚骨ラーメンだと申し上げておきます!
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2.博多一双祇園店(福岡市博多区) 豚骨カプチーノを標ぼうする4年生は既に博多の代表格
「博多一双祇園店」は、博多駅東本店、中洲店に続く3号店。セカンドブランド「若武」がリニューアルし2016年9月にオープンしています。
「一双って言っても、3号店なら新店じゃないやろ?」という声も聞こえてきそうですが、いやいやそんなことはありません。
実は3号店は他の「一双」とスープの取り方を変えているそうで、匂いを抑えめにしているとのこと。そのせいか「一双」の特徴である骨を混ぜ込んだずっしりした厚みを残しつつ、どこかしらフレッシュな印象があります。自ら「豚骨カプチーノ」を謳う泡立つ表層の見ためは同じでも、その下の本体部は細かい工夫をしてるということなのかもしれません。加えて感心するのは、深夜まで席が空かない人気を保ちながら、いつ食べても濃厚な「一双」であること。とにかく品質が安定してます。
ところで今回、実はワンタンメンを選択しましたが正直ワンタンの存在は控えめなので、替え玉して腹を満たすが吉でしょう!
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3.呼び戻しとんこつ光四郎(福岡市南区) あの総選挙1位の四郎が久留米系になって呼び戻された!
あの「らーめん四郎」が閉店&リニューアルオープンだと!?
以前の記事(https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/6666/)では、九州各地の豚骨をカバーするいいとこ取りの店として紹介した当店。FBSの某番組で「崖っぷち有名ラーメン店」として取り上げられ、心機一転、リニューアルした模様です。
2016年9月、呼び戻しとんこつ専門店として再スタート。
店員さんのTシャツの背には「喰わずに死ねない。とんこつスープの到達点」の文字がプリントされており、崖っぷちから一気に頂点へ駆け上ろうという志の高さが窺えますね!厨房にはどでかい羽釜が鎮座し、営業中、釜をかき混ぜている様が期待感を煽ります。
さてそのラーメンですが、一言で表すなら大砲ラーメンみたいな豚骨ラーメン。麺は博多ぽく、ややかため仕上がり。ただし、スープはサラサラの骨ザラザラ、しっかり久留米テイスト。
そして、特筆すべきはトッピング。とにかく賑やか。
「ラーメン1000円の壁」どころか、いまだ「ラーメン500円の壁」がそびえる福岡において、600円だけど豊富なトッピングで楽しめる、こういう新店がどんどん出てきてほしいものです。
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店名:呼び戻しとんこつ光四郎
住所:福岡県福岡市南区大橋2-11-14
営業時間:11:30~15:00、17:30~21:00
以上3軒、いずれも新店ながら濃厚間違い無しのお薦め豚骨ばかり。まだまだ豚骨の鉱脈は深堀できる、そう思わせる店ばかりです。ぜひ!