日本酒の燗酒の素晴らしさを感じさせてくれるお店
大阪の本町と心斎橋、そして長堀橋駅のちょうどど真ん中に位置する場所に
今回ご紹介のお店『燗の美穂』さんがある。
チョイと良さを理解して貰えないかもしれないが、酒担当のキュレーターをしてる以上
もうこの店をスルーする訳にはいかないので今回はあえてご紹介したいと思う。
肉・ドカッと大盛りがお好きな方は少々期待を外してしまうかもしれません。
読者の皆さんが後10年、20年経った時
この店を思い出して頂き、存続してる事を祈りたい。
その時、年に2・3度かも知れないが 行けると呑み人生は間違いなく豊かとなるでしょう。
今回はそんなお店 燗の美穂さんをご紹介いたします。
店内はレトロな喫茶店をそのまま使った
無垢板の荒々しい質感は温かみを感じさせてくれる。
それに相反した店主の美穂さんをはじめ
スタッフの皆さんの『精密』と言いたくなる笑顔、知識、お客様の
現在の状態(呑み具合、お腹の膨れ具合)を理解する力は流石 美味い
日本酒を味わって頂きたいという思いがあるからだ。
1.お酒を注文、店の方の知識は相当なもの
お酒を頼む際にはもちろんメニューを参考にされるのもいいが
味の好みや燗にして求めたい香りをお伝えしお店の方のアドバイスを聞こう。
メニューに載せていない残りわずかなお酒などもあるので
私は最初は辨天娘の香りを楽しんだ後、別の日本酒を味わう事が多い。
2本目は産地でオーダーする事も。
この日は三重のお酒をお聞きしたら「酒屋 八兵衛」をお勧めいただいた
2.アテは先ずお通しから
アテは自動的によほど満腹でなければ、三種の酒のアテのお通しが出てくる。内容は日替わり。
例えばこの日は、金柑のピクルス、シメジと牛肉の煮物、ドラゴンフルーツの白和え
どれも旨味は濃いが塩分や味付けは超薄味だ。
これも日本酒を美味しく味わってもらいたいという配慮だ。
これは別の日のお通し、鴨の旨味で炊かれた南京は素晴らしい。ラタトゥイユもトマト野菜の旨味が引き立ち日本酒と合う。
これはまた別の日のお通しだが、ほうれん草とピーナッツの白和えで呑んだ辨天娘の美味さは忘れられない。
3.お通しだけじゃない料理は日本酒を更に美味しく味わわせてくれる
お通しだけでも美味しく飲めるが、更に燗酒と料理の
マリアージュを体感したいのであれば 産地や誰がシメたか
記載されたお魚や、鴨もお勧めですが 私が是非味わって頂きたいのが
自家製豆腐 500円
この豆腐豆の旨味が濃く、塩だけで味わい酒を口に含みたい。
また冬場は牡蠣料理がお勧めだ。
中でも 牡蠣と龍岡キムチの卵とじ 750円のキムチは香りだけを活かし
牡蠣の旨味は全く損なわれておらず、ほのかに身体をポカポカと温めてくれる。
先にご紹介した自家製豆腐を使われた 牡蠣の湯豆腐も冬ならば外したく無い。
4.シメに味わう季節の味噌汁は呑み終わりの理想
最後はこちらのお店の お味噌汁でシメて頂きたい。
内容は日替わりだ。500円と少しお高いが、間違いなく満足させてくれる。
この日は のどぐろのアラと自家製豆腐のお味噌汁。
のどぐろのアラから洪水のごとく溢れる美味さを堪能し全てを美味しくシメてくれた。
特に派手さは無いがこんなお店で香り広がる日本酒を味わえたら
人生少し幸せに感じますよ。