リニューアルオープンされた『Patisserie RYOCO』。行列の出来る、または売り切れが早い(ケーキがなくなり次第閉店なので、閉店も早い)ことで有名な高輪台の名店ですが、今回のリニューアルは、内装を替えるなどではなく、1度に焼けるケーキの量を増やすためだったとか。
リニューアルオープン日に訪ねましたら、やはり店頭には行列。この日は最長で50名近くならんでいたのでは、とご近所の方が教えてくださいました。
ショーケース前に1列人が並んでしまえばいっぱいという小さい店内。
ですので、店内でも並んでオーダーを順番に待ちます。
ケーキのラインナップはチョコレート系と、その時期のフルーツを使ったタルト系が充実していますので、今回はそれらをご紹介します。
チョコレートの用い方の巧みさに定評がある『Patisserie RYOCO』。
チョコレート文化の歴史の長さや追求度合いが日本の比ではないフランスでの修行経験(「ミシェルブラン」で修行されています)が成せる業なのかもしれません。
「キャラ・ドゥー」
最初に感じるのはキャラメルの香ばしい香り。
その後にショコラのコクが広がります。
下半分がチョコレートでコーティングされており真相が見えていませんが、ここがこのケーキのポイントです。ザクザクのサブレショコラが敷かれており、その上にキャラメルソース。このソースはとろりとゆるい状態で、塩味を感じます。その上にキャラメルのガナッシュです。コーティングのない上半分がチョコレートのスポンジと2種類のショコラをブレンドしたムースです。
表面は濃厚ビターショコラのグラサージュ、と全体で6層になっています。
シンプルに見せておいて実は色んな食感が隠れた凝った一品なのです。
元は東大阪でオープンされたのち、4年前の2012年に東京に移転された『Patisserie RYOCO』。その大阪時代からのスペシャリテです。
「テリーヌショコラ」
潔くチョコレートを味わいたいならこちらがお勧め。ムースも生地もどちらも豊かなチョコレート感を楽しめます。チョコレートの力強さを詰め込んだような味わいで、チョコレートの苦味、次に甘み。最後にすきっとした酸味を感じます。なめらかで溶けていくような食感もすばらしい。
「ショコラモンブラン」
和栗のモンブランもありますが、こちらはチョコレートと組み合わせたイタリア栗
のモンブラン。
軽いダックワーズ生地が土台。その上にチョコレートクリームと、更にメレンゲを加えたように軽いショコラのクレームがもう一層。上の層に進むほどチョコレート感が強くなっていきます。
中央にはミルクチョコレートの濃厚なガナッシュとイタリア産のマロングラッセ一粒が入ります。ガナッシュはテリーヌのようにもったりとした密度ととろける滑らかさがあります。
と、ショコラ要素がかなり強い構成ですが、最後に広がるのは栗の香味です。
表面のマロンクリームの味わいはそれに負けていません。イタリア栗でコニャックを効かせています。
口内での溶け出し方や味覚を捉える時間差なのか、計算されたこのバランスがたまりません。
つづいてはタルト。タルトはどれも大振りで、かつ素材がこんもりと山盛りされているので、どうしたって目をひきます。どちらも季節限定品です。
「タルトポム」
アーモンドタルトの上に刻まれたリンゴを積んで焼き、アプリコットジャムが塗ってあります。その上にはもこもこの生クリーム。焼いたリンゴの香ばしさが生かされたケーキ。だからこそ、クリームのまろやかな味わいが全体に染み渡ってまとめあげています。
「グレープフルーツのタルト」
どっさりとフレッシュなグレープフルーツがのったタルトは、その見た目だけでインパクトがありますね。
みずみずしくプチプチなグレープフルーツが六房。
ナイフを入れると中心からホワイトチョコレートとマール酒のブリュレがたらりと登場します。
タルトの内側は果汁のクリーム。タルトの生地の食感にはクリームとフルーツを邪魔しない繊細さを感じました。
その他、人気はシュークリームやミルフィーユ。また「ジャポネ」という名のショ ートケーキも定番です。
紹介しているお店はこちら!
店名:Patisserie RYOCO
住所:東京都港区高輪3-2-8
電話番号:03-5422-6942
公式ページ:http://www.ryoco.jp/