昔から安く手軽に食べられるファストフードとして、すっかりお馴染みのハンバーガー。
今や高級な食材を使って、肉モリモリで野菜たっぷり、いろんな具材を好きにトッピングできて、豪華でボリューミーな"グルメハンバーガー"が珍しくなくなっています。
それがまだまだ当たり前では無かった頃に、関西の地で3人の店主が専門店を開きました。
その手によって、"グルメハンバーガー"はファストフードと比べて高価すぎるという誤ったイメージから脱却して浸透していき、見事に全く別物へと進化を遂げたのです。
関西におけるグルメハンバーガー界のパイオニア的存在で、現在もトップを走り続ける名物巨匠が共通して自分の店にと選んだのは、奇しくも人を集めづらい辺鄙な場所でした。
多少遠くて不便でも値段が張っても、わざわざここに食べに行きたい!
数多くのファンの心を惹き付けてやまない、そんな理由がそこには在ったのです。
行列のできる大人気店にまでなるに至った、それぞれに魅力ある3軒の巨匠の店づくりとは、一体どのようなものであったのか、ご紹介していきます。
1.旬のものを旬に味わう!自然の恵みそのままに新鮮な食材を最大限に活かしたピュアなハンバーガーに感動
琵琶湖にほど近い、滋賀県大津市郊外の道路沿いに佇む、黄色い一軒家。
AUNTY-MEE BURGERは、ツーリングライダーの憩いの場から口コミで評判が広まり、遠方からハンバーガーを食べるために人が訪れるようになった、人気スポットです。
元はご店主岩波さんが、小さな可愛らしい移動販売車から始めたお店です。
店内はゆったり落ち着けて木の温もりのある、ログハウスのような造りです。
こちらのオーダーシステムが独特で、初めての人はまず、岩波さんから必ずお決まりのハンバーガーについての詳細なレクチャーを受けることになります。
あるべきハンバーガーの説明から始まって、どんな食材を使い、どのように調理して出来上がるかを実際に目の前で見せてもらい、美味しく食べる食べ方まで一通り教わります。
ある意味それが名物なのですが、これは決して強制でもふざけてもいないのです。
この店が提供するハンバーガーは、ファストフードでは無くスローフードであり、パンや肉、野菜など食材全ての鮮度にこだわり、冷凍品や保存料を一切使わず、素材のよさを最大限に活かす調味と調理によって本物の味を提供するという、確固たる意思表示なのです。
チェーン店の安いハンバーガーしか知らない人は、なぜ"グルメハンバーガー"と呼ばれるものが、それなりの価格に見合う価値があるかをここで初めて知ることになります。
お代をいただく以上は、その理由をきちんと納得してもらい、満足してほしいのです。
こちらで最初に岩波さんから勧められるのは、パイナップルチーズバーガーです。
Chaton特製バンズはふわふわさっくりと軽く、具材の邪魔にならない適度な存在感です。
パティは黒毛和牛を使用、その日使うものを毎朝仕入れ、新鮮そのものです。
ミディアムレアに焼き上げ、ほんの少しの味付けで、肉そのものの味を活かしてます。
生のパイナップルに鉄板で軽く焼き目を付け、甘酸っぱさを凝縮します。
とろりととろけたチーズのまろやかさが、パイナップルと実によく調和してます。
写真はプレミアムパイナップルチーズバーガーで、通常のパティは玉ねぎのみじん切りを混ぜていますが、プレミアムは肉だけなので、さらに肉の風味が際立っています。
シンプルゆえに食材のよさも悪さも丸見えで、誤魔化しが一切利きません。
だからこそ、嘘偽りが無いことが伝わって来て、そのピュアさに感動します。
その他にも季節限定のハンバーガーでは、旬の野菜や果物をそれが収穫できる間だけ使用して、無くなったら次のシーズンまで持ち越しにしています。
「Pure & Natural」、純粋に自然であること、それを愚直に守り続けています。
紹介しているブログはこちら!
http://ameblo.jp/fujijin711/entry-12181255604.html
紹介しているお店はこちら!
- 手作りのパン ケーキ工房 エスケール
- サンドイッチ・パン屋 神戸電鉄三田線 田尾寺駅 東出口 徒歩2分
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2.行き着いたのはシンプル&スタンダード!余計なものは入れない引き算の美学で飽きの来ない美味さを追求
兵庫県西宮市、と言っても北側の山に囲まれたのどかな田園地帯、山口町。
人通りのあまり無いひっそりとした住宅地に、まるっきり店には見えないオーナーの自宅を改装したちょっと古びた民家、これこそが知る人ぞ知る名店、Esquerreです。
1Fがパン屋、2Fがカフェになっています。
カフェのある2Fは、海外の田舎にある別荘のようで、アンティークな雰囲気が漂います。
そもそもオーナーの三澤さんはパン職人で、店も最初はパン屋から始まってます。
創業から10年後にカフェも始め、そちらは若きハンバーガーマイスター北垣シェフに任せていますが、このような立地にもかかわらず、どちらも超絶人気店です。
こちらのコンセプトは、「Simple & Standard」。
地域の人たちに長く愛され続けるには、安心・安全で飽きの来ないものが必要と考えた三澤さんは、 余計なものは一切使わない「引き算の美学」に徹しています。
ハンバーガーに使用するバンズはもちろん自家製で、通常でも砂糖を極力減らしていますが、つい最近、血糖値の上がりにくい低糖質バンズの開発にも成功しました。
パティもオージービーフ100%でつなぎは入れず、最低限の味付けのみです。
体によくないものは使わず、食材の味わいをそのまま引き出すことにこだわっています。
おススメのハンバーガーはいくつかありますが、今回は肉がガッツリ食べたい人のために、ディクシーバーガーをご紹介します。
ベーコン、チーズにオニオンリングまで入った、かなりヘビーでボリューミーな一品です。
こちらのお店では、なんとバンズが3種類から選べます。パン屋ならではですね!
ドイツパンの生地でセミハードなオリジナルバンズ、 食物繊維やビタミン豊富な全粒粉6割のネイチャーバンズ、米粉入り湯種製法でもっちりとしたパンドミバンズです。
今回はネイチャーバンズにして、パティをラージサイズ150gとさらにパワーアップ!!
手切りによってゴリゴリの肉感が強調され、あっさりした旨味が口中に溢れ出します。
オニオンリングはカリカリで甘く、自家製厚切りベーコンがスモーキーで、特製バーベキューソースとチーズがそこにからまって、いろんな食感と味わいが押し寄せて来ます。
ピクルスがいいアクセントになって、飽きやしつこさを感じることなく食べ進められます。
これだけ盛り沢山で胸焼けをしないのは、余計なものを加えていないからです。
北垣シェフは、三澤さんの教えを忠実に実践し、緻密な計算によって少しのブレも感じさせない、スタンダードなハンバーガーを作り続けることができます。
それは毎月限定販売される、マンスリーバーガーにも活かされています。
月ごとに変わる奇抜な発想の創作バーガーですら、まるでレギュラーメニューの反復であるかのようにとてつもない完成度で登場します。
揺らがないベースの根底にあるのは、シンプルでありスタンダードであること。
マンスリーバーガーのファンを常に新鮮な驚きでもって飽きさせないのは、結局のところ「引き算の美学」以外にあり得ません。
紹介しているブログはこちら!
http://ameblo.jp/fujijin711/entry-11952861474.html
紹介しているお店はこちら!
- 手作りのパン ケーキ工房 エスケール
- サンドイッチ・パン屋 神戸電鉄三田線 田尾寺駅 東出口 徒歩2分
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3.もうファストフードとは言わせない!既存の枠を破り自らの発想で築き上げた独自のハンバーガースタイル
NICK & RENEEのある大阪府豊中市東豊中町は、都心にほど近いベッドタウンです。
ところが、駅からのアクセスがすこぶる悪く、車かバスでなければ地元以外の人はなかなか呼び込みにくい微妙な立地となっています。
とは言え、やはり街中にあるため、ランチタイムには外に並ぶ人も出る大繁盛店です。
店内はアメリカン、とりわけハリウッド映画のポスターやグッズで埋め尽くされています。
ご店主、林さんが映画ファンで、店名も大好きな俳優(ニコラス・ケイジ)と女優(レネイ・ゼルウィガー)の名前から取っているそうです。
そんな林さんは、若くしてハンバーガー業界に入り、その大半を大手ハンバーガーチェーン店のオーナーとして活躍されていました。
チェーン店のハンバーガーのことは知り尽くしているだけに、いろいろな限界にぶつかり、既存組織の枠には収まらなくなった末、独立開業に踏み切られました。
そうなるとファストフードのハンバーガーとは、明確な差別化が必要です。
他店など研究を重ね、浮かび上がってきたのが、"グルメハンバーガー"の存在。
食材から調理機器まで全て見直した結果、自分なりの独自なスタイルが生まれたのでした。
これからの季節、暑い時期にぴったりのハンバーガーは、アボカドサルサバーガー!
ア・ビアント製のバンズは、表面がカリッとしてふわっともっちり、口解けがいいです。
パティは歯応えが力強いのに、繊細な旨味が湧き出てくる黒毛和牛つなぎ無し、直火焼きグリルでこんがりと香ばしい焼き目を付けています。
ホットなサルサソースがモッツアレラチーズとアボカドによって和らいで、爽やかです。
また季節に関係なく常に人気があるのが、グルメベーコンバーガー!!
他のベーコンを使ったメニューよりも、超極厚のベーコンを贅沢に使っています。
むっちりとして噛み応えのあるベーコンはスモーキーで、染み出す脂の甘みが濃厚です。
お好みで粒マスタードを添えれば、味が引き締まりますよ。
ファストフードの世界を内側から知る林さんは、 ファストフードがどうしても越えられない壁を身をもって痛感したため、"グルメハンバーガー"の強みを誰よりも理解しています。
自分の生み出すハンバーガーは自分にしか作れないという、自ら切り拓いた道に対する絶対の自信とプライドが、遠くからも人を呼び寄せる何よりの説得力となっているのです。
紹介しているブログはこちら!
http://ameblo.jp/fujijin711/entry-12115743337.html