今年4月開局した渋谷区のコミュニティFM『渋谷のラジオ』(87.6MHz)。その中で毎週金曜14時から放送される番組『渋谷のぐるなび』では、毎回1名のメシコレキュレーターさんをお招きし、渋谷区の美味しいグルメ情報についてお話を伺っていきます。当サイト・メシコレでも、ラジオでお話しいただいた内容を毎週ダイジェストでお届けしていきます。
今回は、5月20日に第7回ゲストとしてお招きした、これまで2,000軒以上のカレーを食べ歩いてきたカレーキュレーター『カレー細胞さん』の回をお届けします。
第7回ゲスト:カレー細胞さん(カレーキュレーター)
MC)本日はカレーキュレーターの『カレー細胞さん』をお呼びしております。
早速なのですが、『カレー細胞さん』という名前はどういった由来があるのですか?
カレー細胞)いくつかあるのですが、まず人間は3ヵ月ぐらいで体の細胞が全部入れ替わるって言うじゃないですか。3ヵ月丸々カレーばかり食べていたら、カレーで体が出来上がるという意味がひとつです。あとは、検索しても他に誰も使っていなかったというのもあります。
MC)そういう意味だったんですか!カレー細胞さんがカレーの食べ歩きを始めたきっかけは何だったのですか?ブログを拝見したら、ブログは2008年から始まっていらっしゃいましたが。
カレー細胞)カレーを外で食べ始めたのは30年位前からです。ただ、その頃は食べていただけで、ブログが流行っていた時期に何かやろうかなと考えた際、毎日更新できるものはカレーだよなと思ったんです。
ブログのために何か始める必要もないので、最初の頃はガラケーでバーッと打って更新していました。
MC)今までに全国2,000軒以上食べ歩いていてこられたんですよね?
カレー細胞)ひょっとすると、東京だけで2,000軒くらいかもしれないですね。
MC)今でも毎日カレーを食べているのですか?
カレー細胞)そうですね、必要に応じて(笑)。昨日も3食食べていました。
東京は地球上で一番カレーの種類が多い街
MC)ブログを拝見すると、ブログトップにカレーの写真が敷き詰められていますよね。あれを見て、カレーってすごくたくさんの種類があるのだなと改めて思いました。
カレー細胞)東京は、地球上で一番カレーの種類が多い街だと思うんです。日本のカレー、いわゆる「おうちカレー」があって、インド人もたくさんいらっしゃるのでインドのカレーもあって。他にもタイやネパールのカレーがあったり、スープカレーが北海道からやってきたりと。恐らくこれだけ世界のカレーが一堂に会している街は他にはないんですね。しかも、全部レベルが高いんです。
MC)ブログもカレーのジャンルがすごくわかりやすく分類されていますよね。
カレー細胞)カレーやスパイスが好きな人は、インド料理やどこかの国のコアな料理にいきがちだったりするのですが、私は割と「日本のカレー」が中心にあるべきだなと思っていて。海外に行ったとき、日本のカレーを食べさせるとみんな感動するんですよ。
それで、「東京に行ったら、日本のカレーライスのお店を紹介してね!」と言われるのですが、いざ日本に帰った時に、おいしいインド料理のお店はいっぱい紹介できるのに、カレーライスのおいしいお店って意外となくて、どこを紹介すればいいんだというのが課題になったりしますね。
MC)確かに、言われてみたらそうかもしれませんね。
カレー細胞)あと、ここ数年は、インドやスリランカの調理の情報がネットなどで入ってくるので、そういうノウハウを取り入れた新しいカレーが日本でも生まれてきていますね。日本のカレー文化と海外の調理技法を組み合わせたり、普段カレーに入れないような日本の旬の食材を使ってみたりして、新しいカレーが次々に生まれてきています。
MC)カレーは文化的なものを感じますよね。他の食べ物とは少し違うというか。
カレー細胞)違いますね。そこがカレーの面白いところで、なんでこれはビーフが入っているのかや、なんで小麦粉が入っているのかなどを辿っていくと、その国の歴史やストーリーとつながってきて面白いですよ。
MC)その辺りのお話はもっと伺っていきたいところですが、そろそろ本題の渋谷区のおいしいカレー屋さんをご紹介していただけますか?
テーマ1:「鉄板のお店」
MC)それではまず、渋谷区の鉄板のお店からお願いします。
カレー細胞)渋谷のカレーと言えば、絶対に外せないお店が『ムルギー』です。渋谷で働いている人なら1回は訪れたことあるかなと思います。看板には「インド料理ムルギー」書いてあるのですが、実はその由来はミャンマーのカレーだったりするんですよね。とても古くからあるお店で、1951年創業なので、戦時中頃にミャンマーで教わったレシピを参考に作っているらしいです。だから、すごく独特で、ちょっと油が浮いているような感じで苦みがあります。
そして写真映えするエベレスト盛りが特徴で、卵入りを注文するときれいなレイアウトで並べられて出てきます。店主さんの山好きが高じてできたらしいですよ。
渋谷の百軒店という少し大人の街にあるので、家族連れで行くのははばかられるかもしれませんが、渋谷の鉄板のお店なので、おすすめです。
テーマ2:「知る人ぞ知るお店」
MC)次に、知る人ぞ知るお店をお願いします。
カレー細胞)『ディルセ』っていう千駄ヶ谷にあるお店です。なぜ知る人ぞ知るお店なのかというと、お店の中で写真が撮れないんです。今はネットに上がっている写真を見てお店に行ったり、メシコレで紹介するお店も写真が肝だったりするのですが、このお店の写真は1枚もないんです。
『ディルセ』は日本人のシェフが切り盛りしているクローズドなカレービストロです。ワインやインドのウイスキーもたくさんあります。そして、こちらのカレーはインドの東にあるベンガルのカレーです。すごく洗練された作り方をしていて、一番のおすすめはマスタードのカレーです。
MC)あの黄色い粒々のマスタードですか?
カレー細胞)そうです。マスタードオイルを使用していて、見た目もからし色で、味も辛みに加えて、ツンとした風味が効いておいしいですよ。
MC)お客さんはどういう層の方が多いですか?
カレー細胞)たまにカレーマニアがいて、本当に知る人ぞ知るお店なのですが、誰が行ってもおいしいお店なので、ぜひおすすめしたいです。
テーマ3:「注目の新店」
MC)最後に注目の新店を教えていただけますか?
カレー細胞)ご紹介したいのが『青い鳥』という幡ヶ谷にあるお店です。このお店の面白いところは、「重ね煮」っていう独自の技法を使っているところです。重ね煮というのは、調理するときに野菜をある順番で重ねて煮ることなんだそうで、上から染みていく味と下から上がっていく味が融合して調味料が最小限に抑えつつも、深い味わいを引き出してくれるんです。
MC)最近流行りのジャーサラダみたいな感じですね!
カレー細胞)そうです。その技法を使いつつ、スリランカやインドのスパイス料理をワンプレートのカレーにして出す、全く新しいタイプのものです。ぜひ皆さんにも味わっていただきたいです。
MC)どのお店も美味しそうですね。
まだ全然カレーの「カ」の字も語り終えていない感じではありますが、そろそろお時間となってしまいました。カレー細胞さんが紹介するお店のことをもっと知りたい方は、ブログやメシコレの記事をぜひチェックしてみてください。
▼カレー細胞さんのブログはこちら▼
http://currycell.blog.fc2.com/
▼カレー細胞さんのメシコレ記事はこちら▼
https://mecicolle.gnavi.co.jp/curator/hmatsu/
本日のゲストはカレー細胞さんでした。ありがとうございました。
次回は、女子会やデート向けのお店を紹介している『KIEさん』にお越しいただき、渋谷の美味しいお店をご紹介いただきます。
来週もお楽しみに!
▽その他の渋谷のラジオの模様はこちら
https://mecicolle.gnavi.co.jp/k60/?from_article