カレーやラーメン、餃子に大衆酒場など、様々なグルメジャンルに特化して食べ歩きをされている著名ブロガーがキュレーターとなり、選りすぐりのグルメ情報を毎日お届けしている「メシコレ」。今回はキュレーターのみなさんの食べ歩き事情やグルメトレンドに迫るインタビュー企画として、カジュアルデートから女子会に使える都内のあらゆるジャンルのお店に詳しい大川綾香さん(以下、大川さん)にお話を伺いました。
アメリカ在住時に養った独自の視点を持ち、行ったお店はなんと3000軒以上とのこと!日本国内だけではなく、海外でも常に魅力的なお店を求めて食べ歩いている大川さん。今回は食べ歩きを始めたきっかけや、女子会やデートのお店選びの際に知っておきたいこと、気にしておくべきポイントについてお話を伺いました。
オレゴン、ハワイ、自己流で始めたお店の情報収集
●はじめに、大川さんが食べ歩きを始めたきっかけを教えてください。
アメリカのオレゴン州に留学していた時、まだガイドブックの情報がほとんどなくて、これは自分で情報を集めていくしかないって思ったことがきっかけです。大抵、アメリカのどの州においても”地球の歩き方”があるんですが、当時オレゴン州はシアトルとまとめられていたんです。
また、当時のホームステイ先のご飯があまり美味しくなかったこともあり、住んでいる街のいろいろなレストランを巡ってみたいと思いだして食べ歩きを始めました。
●なんと、食べ歩きを始められたのはアメリカにいた時からなのですね!これまでインタビューをしたキュレーターさんにはなかったパターンです。ブログに書き始めたのもその頃からですか?
本格的に書き出したのは、ハワイに引っ越してからです。ハワイではよく友達が遊びに来たりして、どこのお店が美味しいかを必ず聞かれていたんです。そういった情報を友人に瞬時に提供するために、ブログには写真と文章を記録し、エクセルには価格帯やジャンルなどを地域別にまとめてデータ化していました。
データベースを作り始めるとそれを埋めていくのが楽しくて、レストランに行く時は辞書のように活用していましたね。
●なるほど。その後日本に帰国されてからは、どのように食べ歩きをされていたのですか?
海外では日本が恋しかったですし、外食代が高かったので、帰国した当初はお店の良し悪し構わず、まるでお上りさんのように興味津々で食べ歩きをしまくっていました。1日3回、4回ハシゴすることもありましたね。
また他の国にも行きたくて、グアムに招待されたり、旅行をしたりしながらいろんな場所の情報を書き溜めていきました。海外だけでなく、大阪や名古屋、岡山や広島など国内の主要都市にもいろいろ行きました。その時は、時間を見つけてはネットで現地のお店情報を調べたり、現地の人たちに聞いたりして食べ歩きをしましたね。
”その時”に好きなものを追い求める!ひとつのジャンルに絞らないというスタイル
●大川さんには、女子会やデートでおすすめのお店に詳しいキュレーターとして、そういった”外食シーン”を軸にお店をご紹介いただいていますよね。食べ歩きをする際に何か特定の料理ジャンルを深堀りしてみようという風には思わなかったのですか?
そうですね。ブログやエクセルのデータベースが充実してきて、それを改めて見直した時、私は何かのジャンルの専門家ではないなって思ったんです。“その道のプロ”を目指しているわけではないし、ジャンルを絞るのが嫌だったんです。
ブログでは、何かひとつのことに特化したテーマを持って書いた方が、人に注目されやすいと言われていますが、私はきっと飽きてしまうって思いましたね。それなら、いろいろなジャンルで自分が好きなものを食べていた方が幸せじゃないか、と思ってジャンルは絞らずに幅広く食べ歩いています。
“自分のお店データベース”から情報を引き出して、それでみんなに喜ばれればいいし、きれいにまとめて書き留めておくと、みんなに見て使ってもらえるじゃないですか。
元々日本での食べ歩きや、よくある会社での飲み会や宴会などを経験しないまま海外に出たので、一般的な同年代の人たちより、趣向や見方が違うかもしれません。ひとつに絞ってはいないんですけど、自分には外国人的でマニアックな視点があると思っています。
”お店の空間”と”料理”は一体。独自の視点でお店を発掘
●大川さんがこれまでいろいろなお店を開拓されてきた中で、食べに行くお店で常に気にしている、または気になるポイントなどはありますか?
一般的に、清潔感がないお店は気になります。昔からある古いお店などは大丈夫なんですが…。あと、トイレが汚いお店は好きじゃないです。私は”お店の空間”と”料理”は一体と思っているところがあって、お店の空間に気を使えないのに、料理に気を使えるとは思えないんですよね。
“美味しい”や“まずい”は総合的なポイントであって、空間を楽しめるということが大切だと思います。夕食って一日に一度しかないじゃないですか。その夕食に使う大切な時間がそういう場所だともったいない!って思うんですよ。そういった意味で、総合的に良いお店は実は多くはないです。
●なるほど、”お店の空間”と”料理”が一体という視点は目から鱗ですね。普段はどんなお店に行くことが多いですか?
何かが“ウリ”だとか、流行っているとか、時代のニーズに乗っているお店などでしょうか。例えば最近だと、お肉であれば熟成肉が流行りなので、それでどういうものなのかをきちんと理解するという。流行っているものは何軒か行って食べてみますが、基準にしているのは“高級な老舗”です。
そういったところはブレがないと思っているので。あとはスタッフやシェフの方にいろいろ聞いて、薀蓄を教えてくれるようにアプローチします。それでそういうものか、というのを自分で感じていきます。苦労話などを話してくれる方もいてとても興味深いお話を伺えることもあります。
先日、人形町今半の熟成肉を食べに行ったのですが、ここのステーキは元々28日間寝かせてあったそうなんです。“熟成肉”という言葉が流行る前から、もうすでにそれが存在していたということには驚きましたね。そのような感じで、お店の人に聞くと大抵いろいろと教えてくださるので、興味があったら聞いてみるといいと思います。
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予約必須の人気店!駅近で話題の熟成肉とワインが楽しめるお店
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●そうなんですか!そのようなお話はなかなかお店の方に伺わないと知ることができないですね。ちなみに、最近の大川さんの“マイブーム”料理は何ですか?
最近は、泡やふわふわが好きです。行く店々で泡ソースが多かったり、スフレのオムレツがあったりで、自分の中でふわふわ系がきてる!って感じです。
先日メシコレでも「ふわふわスフレオムレツ」の記事を紹介させていただきましたが、これは本当に新感覚!という感じのメニューですよ。ただ、ふわふわなものってすぐに萎んでしまうので意外に写真を撮るのが難しいんですよ。しかもすぐに食べたいのに、写真もちゃんと撮りたいので葛藤がありますね。
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ふわっふわなスフレオムレツが絶品!女子が絶対喜ぶワインバー
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ベースは客単価!女子会の店選びは予算感の確認から
●女子会におすすめのお店に詳しい大川さんですが、まず女子会の店を選ぶ時に押さえておいた方が良いポイントはありますか?
まずは今までの経験から、参加する人たちの予算感の確認をすることでしょうか。後で気まずくならないためにも予算を聞くのですが、ストレートにはなかなか聞けないので「客単価はいくらぐらいのお店にする?」という聞き方をするようにしています。アメリカではお金の話ははっきりしますが、日本では大抵お金の話を濁しますよね。そこをどうやってうまく聞き出すかがポイントです。
●なるほど!客単価と言うと聞きたいこともしっかり聞けるし、聞きやすいですね。その次に大切なポイントは何ですか?
次はジャンルや雰囲気、何が食べたいかなどでしょうか。大抵女子に何が食べたいか聞くと何でもいいって返答が返ってくるので、選択を絞るためにも、どれくらい飲むのか、駅に近い場所がいいのか、話題のお店がいいのかなど、少しずつ絞っていくとその子たちの趣向や好みがわかってきますので、おすすめです。
●様々なニーズを引き出す力が試されるわけですね。ちなみに、最近アフターヌーンティーが人気という話をよく聞きますが、今の女子会のトレンドはありますか?
アフターヌーンティーは時間帯や出てくるものが予想できるので、ダラダラ会が続かない、という意味でも人気があるのかもしれませんね。
最近のトレンドで言うと、話題のところはもちろんですが、フォトジェニックなメニューがあるお店は人気だと思います。最近はブロガーさんでなくてもFacebookやインスタなどに写真を載せたりすることが多いですし、そういった意識が高い人が多いようです。あとは、テレビや雑誌に出ているお店など新店も常にニーズが高く、喜ばれることが多いですよ。
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初期のデートには無難で安心して食べられる店選びを
●男性からデートに使うお店を相談された場合、どういったアドバイスをしますか?
まず日常デートか、記念日なのか、落としに行きたいのか、もう慣れているのかなど、デートのシチュエーションを聞きます。付き合ってまだ間もない人には、NGのものだけを教えますね。例えば女の子はまだ緊張しているし、汚いところは見せたくないのでハンバーガーなどはNGだとか。
それから、焼肉や鍋など同じものを箸などで突つく系よりは、ひとりひとりプレートがあるか、取り分けられる方がいいと思います。おそらく最初はお互い猫をかぶっているだろうから、何を食べても無難で安心して食べられるようなところがいいと思いますよ(笑)
女子会の時のポイントでもお話しましたが、相談されたらこちらからもいろいろと質問して、消去法でセレクトしていくといいですよ。大抵こちらが聞いていくと、相談してきた男性側も頭が整理されて、いいお店が思い浮かんでくることも多いです。
●なるほど、勉強になります!ちなみに男性に覚えておいてほしい、女性がデートの時に見るポイントって何かありますか?
まずは基本的なところだと思いますが、男性の店員さんへの態度を見ますね。よく店員さんと話す時と、同伴の女性と話す時の態度がガラリと変わる男性がいますが、あれは見ていて本当に気分が悪いです。
あとは箸の持ち方、食べ方でしょうか。食べ方については、取り分け方や人への気の使い方など、この3点くらい気をつけておくと良いと思います。
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白金デート・女子会に!駅近で雰囲気がいいカジュアルフレンチ
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●今後の大川さんの目標を教えてください。
これからも自分の中の”お店データベース”をどんどん増やしていくことが目標です。日本だけに限らず、世界のお店を食べ歩きたいと思います!そしてもっときれいに写真が撮れるようになりたいです。
●最後に「メシコレ」読者に何か一言お願いします!
いっぱいお店に行ってたまに失敗することもあるのですが(笑)、メシコレでは実際に足を運んでよかったお店のみを紹介しています。これからも使えそうだなと思うお店の情報を発信していくので、皆さんのお店選びの参考になれば嬉しいです。
いかがでしたか?今回は女子会ジャンルキュレーターの大川綾香さんに、入ったお店で気になるポイントや、女子会やデートで使える店選びのコツなどをお話しいただきました。インタビューを読んで大川さんのことをもっと知りたいと思った方は、こちらもぜひチェックしてみてください!
▼大川綾香さんの他のメシコレ記事を読む▼
https://mecicolle.gnavi.co.jp/curator/ayaka/
▼大川綾香さんの食べ歩き情報はこちら▼
http://ameblo.jp/kaukau-hawaii/
(撮影協力:イタリアン酒場 P 飯田橋)