ヤミツキになる料理というのがある。例えば、カレーとかとろとろ玉子のオムライスとか。それを思い出すと、もう食べたくて、居ても立っても居られなくなるような。麻婆豆腐もそんなヤミツキになる料理の一つだと思う。唐辛子の辛味や、山椒の痺れ、肉や豆腐の感じ等々、店ごとに個性があって、自分好みの麻婆豆腐を探すのも楽しいものだ。
今、銀座界隈のランチで、麻婆豆腐ならココ!というのが、銀座 涵梅舫。かつて赤坂にあった北京宮廷料理の名店で、2014年銀座に移転。赤坂時代から人気だった麻婆豆腐のランチも健在。
何が素敵かって、先ずは、その登場シーンに驚きたい。土鍋がプシューと音を立てながら、布巾を被って登場。お店の方に蓋を開けて貰うと、湯気がグワッっと巻きあがって、それと共に香りに誘われる。
土鍋の中を覗くと、鍋肌部分がふつふつと沸いていて、見るからに熱々。火傷しないように注意しながら頬張ると、辛味はあるが刺すようなものではなく、むしろ、印象に残るのが、心地よい山椒の痺れと先程から漂う香り。
こんなにもグツグツ熱しているのに、香辛料や豆チ、葱等の香りと、土鍋で焼かれた芳ばしさが、口内を躍る。それに続いて、豆腐の滑らかさや、鴨応えのある挽肉、コク味が次々とやって来て、熱ッ、火傷するッと思いながらも、ついつい頬張ってしまうのだ。
ご飯が進んで進んで仕方ないが、心配無用、お代わり可。麻婆豆腐をオンザライスにして頬張るのも堪らない。
前菜3品に玉子スープ、デザートには杏仁豆腐がついて、1,080円。ぜひ、汗ふきタオル持参で、辛味と痺れ、香りを味わってみて。