カカオ豆からチョコレートになるまで、その全工程をおこなうBean to Bar(ビー
ントゥバー)が、一昨年頃からチョコレート業界のトレンドです。
コーヒー業界がシングルビーンズにこだわったり、焙煎所を併設したりする潮流に
似ています。
そのトレンドは更に一般化し、Bean to Barの専門店も続々オープンしています。
中目黒川沿いにオープンした『green bean to bar chocolate』は、シングルビー
ンズのカカオ豆の輸入、焙煎といった生産と販売までを一環しておこなうことをコ
ンセプトにしたBean to Barのショップです。
更に特徴的なのが、製造の工程を見たり嗅いだり体験まで出来るファクトリーショ
ップだということ。
『green bean to bar chocolate』の工程は全てハンドメイドで、ファクトリーエ
リアはガラス張り。
カカオ豆は良質なものだけ選定され、焙煎後粉砕。皮を取り除いた後にペースト状
にされ、更に時間をかけて練り上げます。その後、しばし寝かせてから温度調整を
かけてようやくチョコレートになるのですが、これらの工程を見ることが出来ると
いうわけです。
こちらのお店には、世界的なショコラの鑑定士、クロエ・ドゥートレ・ルーセルさ
んがアドバイザーとして立ち、
彼女が輸入に携わります。
シングルビーンズで作られたタブレットは全部で11種類。11種のタブレットが並べ
られた試食カウンターがあります。自分の好みの味がわかれば、今後のチョコレー
ト生活はより楽しくなりますから、違いがわからないと決めつけずにまずは試して
ほしいです。
『green bean to bar chocolate』ではカカオバター、乳化剤、香料は添加してい
ません。
店内にはタブレット以外にもボンボンショコラやオレンジピールのチョコレートが
けといったチョコレート系商品が並びます。もちろん、店内のファクトリーで作ら
れたチョコレートから出来ています。
また焼き菓子やケーキもあります。
おすすめはマダガスカル産のチョコレートを使った「エクレア」。3つのシューが
連なった形でふわっと軽いクリームと下層にはとろっとキャラメルがつめられてい
ます。薄いショコラの板が挟まれて、これが、パリッと楽しい食感です。
変り種としておすすめが、「フォカッチャ」。2種のオリーブ、そしてカカオニブ
が練り込まれています。カカオニブとは先に述べた、チョコレート製造の工程の中
で焙煎し粉砕されて皮が取り除かれた状態のもの。カリカリとこうばしく、そして
ちょっと苦いです。ジューシーなフォカッチャに、この食感と軽い苦味とが加わっ
て、とってもいい感じです。
あわせたドリンクは「カカオティー」。ほうじ茶ブレンドの紅茶でカカオの香りが
します。
川沿いなので、陽の光が店内にたっぷり射し込んで、とても明るい。ナチュラルな
色合いにまとめられた内装は、かわいらしく落ち着きもあります。
ショコラのワークショップも頻繁に開催されているそうで、
私が訪れた日は
ショコラ作りの全行程を学ぶものでした。お店のFacebookページで案内されている
そうですよ。