もし東京の豚骨ラーメンだけで日本代表チームを編成したら。
おつかれ麺です。オゴポコです。
いまや社会問題となっている「東京一極集中問題」。人、政府機能、産業、娯楽、あらゆるものが集中しているわけですが、実は「ラーメ ン」もそのひとつに挙げられます。一昔前であれば地方でしか食べられなかったご当地ラーメンがぞくぞくと集結し、功成り名を遂げて表彰台を狙っている、それが当たり前の風景となってしまいました。「ちょっと電車を乗り継いで、何なら、北海道から九州・沖縄までご当地リレーしてみる?」みたいなラーメン食べ歩きもできてしまいそうな勢いです。
では豚骨ラーメンだけにフォーカスするとどうなのかと言うと、これがまた東京の豚骨ラーメン店だけで豚骨日本代表チームが組めるのでは?と思うほど実力店が揃ってしまっているあり得ない状況が生まれているのです。
そこで今回は、技巧派と剛腕、豚骨日本代表チームのエースを張れる2軒の店を、例の如く会話形式を交えて紹介します。
1.麺劇場 玄瑛 六本木店(東京都港区)
-もしあのドラマのコンビが玄瑛を食べに行ったら-
係長 「おや?その記事、また豚骨ラーメンですか」
相棒 「ええ、10月にオープンした店でして」
係長 「場所は六本木、劇場を名乗るラーメンとは、珍しいですねぇ」
相棒 「福岡から東京にきた店らしいのですが、ここは間違いなく美味しいと踏んでいます」
係長 「ほぉ。その根拠をぜひ、聞かせて頂きたいですねぇ」
相棒 「無化調、貝柱、XO醤、イベリコ豚、自家製麺。条件は揃っています」
係長 「どうですかねぇ。いい素材だから美味いラーメンだとは、限りませんよ」
相棒 「疑ってるんですか?」
係長 「いえ、慎重になりすぎるのは、僕の悪い癖。僕としたことが基本を忘れていました」
相棒 「その基本とは?」
係長 「真実は、現場で食べなければわからない、ということですよ」
相棒 「では、ご一緒に」
係長 「ええ、参りましょうか」
ラーメンは「XO醤薫イベリコ豚の玄瑛流ラーメン」一種類(12月現在)。あとは替え玉、卵かけご飯のみ。
「玄瑛の豚骨ラーメン」といえば、多彩な変化球ならぬ「多彩な香り油」を駆使して、同じ豚骨スープでも様々な味のラーメンを作り出すイメージがありますが、六本木店の豚骨ラーメンは油は抑えめ。ゆるく縮れた半透明の麺も相まって、白濁豚骨とは真逆の「豚清湯」とでも言いましょうか。豚骨臭さはあまり感じません。途中、店の方から「麺をひっくり返すと味が変わりますよ」とアドバイスが。丼の底に沈んでいる干し海老、干し貝柱、ニンニクらしき欠片が対流し、確かに最初の一口目より旨みアップ!一人芝居ならぬ一杯芝居の第二幕が味わえます。
相棒 「これは美味い、本物ですよ」
係長 「確かに。しかし、妙ですねぇ」
相棒 「妙、とは?」
係長 「あ、店員さん、ひとつだけ伺ってもよいでしょうか」
店員 「はい、何でしょう」
係長 「こちらのスープ、豚骨の他に何か入っているのでは。差支えなければ教えて頂けないでしょうか」
店員 「え、ええ、豚足を多めに」
係長 「わかりました、ありがとう。結構です。ではお代を」
※立地について。福岡と同様、通りに面した看板など無く知っている人だけが辿りつけるようになっていますので、地図をよく見て注意深く探してください!
紹介しているお店はこちら!
店名:麺劇場 玄瑛 六本木店
住所:東京都港区六本木4-5-7
電話番号:03-6447-4010
2.無鉄砲 東京中野店(東京都中野区)
-もし、あの企業ドラマの面々が無鉄砲を食べるために行列に並んだら-
大企業の部長 「遅くなりました」
中小企業の社長 「いえ、わたしもいま並んだところですよ」
部長 「ところで無鉄砲の豚骨、素晴らしい品質だそうですね。一刻も早く食べたい」
社長 「ええ、わたしもそう思います」
部長 「そこで率直に申し上げます。行列の並び順、20億円で買い取らせて頂けないでしょうか」
社長 「・・・」
部長 「御社の台所事情は存じあげてます。悪い話ではないと思いますが」
社長 「・・・一緒に食べませんか」
部長 「?」
社長 「一緒に食うんです。うまい豚骨を食べようとする夢の前に、行列の先も後も、大企業も中小企業も関係ない!」
部長 「しかし、2人で一杯のラーメンは困る。うちにはうちの事情があります」
社長 「いえ、違う豚骨ラーメンを食べるんです」
部長 「え?無鉄砲の豚骨は一種類のはずでは?」
社長 「あるんですよ。もうひとつ、豚骨が。」
部長 「・・・そうか!『なめらか』と『ノーマル』を2人で食べるということですね」
社長 「そうです。どんな難問にも必ず答えがある!必ず答えを見つけ出せる!」
部長 「わたしは目の前の順番に囚われ、そういう情熱を失っていたようです。食べましょう、一緒に。最高の豚骨を」
社長 「ありがとうございます!」
「無鉄砲」が、東京中野店をオープンしたのは2010年。最強豚骨の上京でラーメン業界に激震が走ったことは記憶に新しいところです。しかし人間、時間が経つと何事にも慣れてしまうのですね。「無鉄砲」の希少さはやや薄れていたかに思えました。
そんなとき、ある信頼できる情報筋から「いま無鉄砲は無化調らしいよ」との情報が!そして、大阪でよく食べていた「なめらか」注文が東京でもできるか試したい、と思った次第、結果「なめらか」可能でした!
「なめらか」は丼に注ぐときにスープを濾す網が違います。通常の網より目の細かい網を使うのです。ゆえに固形物が取り除かれ、純度が増したスープを味わえることが特徴。一方、無化調効果はと言うと、以前はあった、腹にずっしり沈殿する感覚は抑えめとなったような(無化調のせいかどうかは不明)。とはいえ「無鉄砲」ならではの剛濃スープは健在。日本屈指の濃厚品質であることに疑う余地はありません!
以上、対称的な2つの豚骨、もしあなたが東京都民なら、2軒を東京で食べられる幸せを体験してください!
紹介しているお店はこちら!
- 無鉄砲 東京中野店
- ラーメン屋 西武新宿線 沼袋駅 北口 徒歩8分
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