世界遺産候補地観光とご当地グルメ体験を両立するには?
来る2017年、福岡県に誕生するかもしれない新たな世界文化遺産と言えば「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」ですね!先例を見ると「世界遺産=観光地化」の流れは十分あり得ますので、実現すれば福岡県の強力な観光資源となるはず。
となると、問題は「世界遺産観光ついでに福岡のご当地グルメ・とんこつラーメンでも食べようか」となったときの店選びでしょう。
何しろ世界遺産候補地の宗像市と福津市は、地理的には福岡市と北九州市の間、人口は10万人足らずの地方都市。他県から訪れた人は、ガイドブックに載っているラーメンを食べるために福岡市に移動してしまうかもしれません。
しかし、ちょっと待って!宗像市と福津市にもあります、絶品豚骨ラーメンが!
まずは宗像市の「ふくちゃんラーメン英美」
国道3号線沿いにどーんと目立つ赤い看板、普通、車からの視認性を考慮して「ラーメン」の文字を大きくするのが常道ですが、「ふくちゃん」の文字をアピールしています。「ふくちゃんラーメン」は、かつて新横浜ラーメン博物館に出店していたほどのビッグネームですから、ラーメン店を探すのではなく、ふくちゃんを探すことを想定しているのです!(※あくまで個人的な見解です)
【一軒目】ふくちゃんラーメン英美(福岡県宗像市)
「ラーメン 600円」
チャーシューとネギのみが乗る素っ気ない見ため。紛うことなき博多ラーメンですが、なみなみと注がれた豚骨スープからは野趣溢れる香りが。凡百の博多ラーメンとは一線を画す、手間がかかった工芸品のような本物感が伝わってきます!
さてスープの第一印象は、なぜかスカッと爽やか生姜のような刺激があり、かつ、旨みもコクも十分。麺は啜りやすい短め細め仕様。チャーシューは大判のものが2枚、しかも、卓上のキクラゲ、ニラ、ゴマ、紅ショウガは入れ放題なので、スープの水面がどんどん下がっていきます!
お店の方に「(福岡市早良区の)ふくちゃんラーメンの支店ですか?」と尋ねると「兄弟です」との答えが。
つまり「ふくちゃんラーメン田隈本店」、同じく福岡市早良区の「江ちゃんラーメン」とは、本当の意味での兄弟店ということです。独立して、先代の味を引き継ぎながらも少しずつ個性を出しているとのこと。
最後に、ぶっちゃけ言ってしまいますが、あなたがラーメン好きなら世界遺産は後回しにしてこの店をラーメン遺産と思って足を運んでほしい!それくらいプッシュしたいお店が「ふくちゃんラーメン英美」であります。
紹介しているお店はこちら!
【二軒目】福間ラーメンろくでなし(福岡県福津市)
「ろくでなし」が店を構える福津市は、宗像市の隣に位置する世界遺産候補地。平成の市町村合併で「福間町」と「津屋崎町」が合併してできた市です。なので、この店の屋号の「福間ラーメン」とは昔の地名を表しています。
2013年オープンのこちらの店は、豚骨ラーメンが山ほどある福岡県内でもかなり珍しい豚骨ラーメンメニューを揃えています。なんとスープを継ぎ足す呼び戻し製法の「こってり」、毎回一からスープを作る取りきり製法の「あっさり」の二枚看板を掲げているのです!
そして更に驚かされるのは、その両方がエース級の実力をもつ美味さであるということ!今回はもちろん両方をご紹介します。
「ラーメンこってり」は泡立ちと濃密なうま味がいい!
「ラーメンこってり」580円
泡立つ水面が特徴的なスープは、呼び戻し製法で有名な「久留米ラーメン」ほどの骨っぽさはなくサラサラした舌触り。それでも臭み十分、旨味十分、骨が凝縮されたような深さが感じられます。580円と安価ながら、チャーシューも肉質に厚みがあり満足度高。
麺はポクポクした歯切れのよいもので、伺うと、久留米市を中心に東京にも進出している人気店「龍の家」から麺を仕入れているそう。そういえば、店内の壁に「龍の家」から贈られた一周年記念の祝い札が飾ってありますね!
「ラーメンあっさり」はあの人気店を思わせる高品質!
「ラーメンあっさり」550円
こちらは分かりやすく言うなら「一風堂」ぽいラーメン。言い換えるなら「龍の家」ぽいとも言えるかも(あくまで個人的見解です)
よって間違いなく美味いわけでして、スープの質感は薄めながらも、しっかりとうま味がついてきます。一品物、焼き鳥、お酒もおいている「ラーメン居酒屋」風のお店なので、酒宴の締めはこちらが人気かもしれません。
昨今「複数の味から好きな豚骨ラーメンを選べます」と謳いつつ、ノーマルの豚骨ラーメンにマー油を入れて「黒ラーメン」、辛味ダレを入れて「赤ラーメン」など、スープ以外の要素でバリエーションを増やすパターンが多く見受けられます。そのような中「ろくでなし」は、スープ製法から複数用意する手間と拘り、これだけでも高く評価したいではありませんか!加えて、驚くべきことに醤油ラーメンなどの限定ラーメンも出しており、かつ、居酒屋メニューも豊富ときた!
もし世界遺産観光で周辺に泊まる機会があるなら、ぜひ福津市に宿泊し「ろくでなし」の利用をプッシュしたいところ。でも、福津市の地元民がめっちゃ使いやすい店として大挙押し寄せているはずなので、覚悟して行ってくださいね!