静岡県の県庁所在地である静岡市。これといって目立ったご当地ラーメンはないものの、関東や関西で修業したご主人による新鋭店、昭和から味を磨く老舗店など、様々なラーメンが食べられる。今回はその中から、「鶏」というキーワードで4軒を紹介します。
清水駅前の老舗!味は古びず丁寧な仕上がり「丸岩ラーメン」
昭和5年に屋台で創業した清水の老舗。現在は三代目が店を守る人気店。「ラーメン」は、鶏ガラや豚骨を使っているようだが驚くほどに澄んだスープ。綺麗な旨みがしっかり感じられ、醤油や薄口醤油、調味料を加えて煮込んだ醤油ダレが、力強さを加えている。
しゃっきり茹でた極細縮れ麺がスープを掬い上げる。チャーシューは豚肩ロース肉をタレに漬けてから、釜でじっくり焼いた自家製焼豚。これがまた美味しい。
老舗とはいえ味の向上を重ねていて、誰にも美味しいと思わせる実力を兼ね備えています。
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京都で腕を磨いたご主人が繰り出す新たな味!「麺や厨」
2014年6月に開店した新店。ご主人は京都の行列店「高安」で修業したそうだが、食材との出会いもあって静岡に移住。靴を脱いで上がる店内は綺麗で独特の雰囲気。
「高安」は豚骨だが、こちらは鶏を使ったスープで、あっさりの「しっ鶏」、こってりの「うっ鶏」、超こってりの限定「ねっ鶏」が基本メニュー。まず食べてほしい「うっ鶏」は、鶏白湯の濃厚なスープで、鶏油もその中に内在したかのような黄色い見た目。ポタージュのような濃厚さがありながら、豚げんこつのスープを隠し味に加えていて飽きさせない。チャーシューも豚肉と鶏肉を1枚ずつ、低温調理で仕上げて乗せている。
薬味に使われているオニオンスライスが口の中をさっぱりさせてくれるので、交互に食べれば最後まで飽きる事はない。
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- 麺や厨
- ラーメン 静岡鉄道 桜橋(静岡県)駅 徒歩5分
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東京の人気店出身の味は鶏と煮干し「ABE's」
東京で煮干しラーメンの人気店に修業した後、2012年開店した店。明るい雰囲気で女性でも気軽に入れる。
「醤油ラーメン」は、あっさり煮出した鶏と煮干しがバランスよく含まれていて、化学調味料無添加ながら、物足りなさが全くなくて素直に飲めるスープ。東京の製麺所から取り寄せた中細麺や、肉質を楽しめるチャーシューも美味しい。
「煮干ラーメン」は見た目こそ醤油ラーメンと似ているが、スープのバランスを煮干し側にグッと寄せていて、煮干のシャープな香りと旨みが楽しめる。スープのバランスを鶏に寄せた「丸鶏ラーメン」もあり、何度でも通いたくなるお店です。
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「ラーメンだけはNG」だけどラーメンも絶品!「わいも」
静岡市の中心部にある居酒屋で、「当店はラーメンだけを目的とした入店はお断りします」との掲示がされている。ビールとつまみ一品食べてすぐラーメン…という注文方法もNG。しっかりと様々な料理を食べた上で、締めにラーメンを楽しんでほしいというお店。なので、5人前後のグループで訪問した上で、刺身や揚げ物などの料理を様々に味わったうえで、締めのラーメンを食べるのが正しいスタイル。もちろん料理も絶品だが、ラーメン好きのご主人による鶏を使ったラーメンも、ラーメン専門店に負けないクオリティを楽しめる。
「シャモ骨白湯ラーメン」は、軍鶏をしっかり煮出した鶏白湯だが、濃密で香り立つ軍鶏の味わいが素晴らしいもの。「駿河シャモラーメン」は澄んだスープだが、そこにも軍鶏の旨みがしっかり感じられた。平麺の茹で加減にも非の打ちどころがなく、啜る程に軍鶏の味が口の中に広がってくる。
ラーメンも限定メニューを繰り出す他、季節にあわせた様々な料理も素晴らしい。混み合う店なので、事前に予約して訪問する事をオススメします。