スパイスカレー創世記のレジェンド店『カシミール』
ここ数年の大阪におけるカレーブームの盛り上がり具合といったらもう凄まじいものがあります。
その中でも特に強い勢いなのが「スパイスカレー」。
このスパイスカレーというジャンル、大阪発祥…というか独特とされており、実際関西圏以外の都道府県では余り見掛けない地域性を感じるカレーです。
様々なスパイスカレー店が誕生する昨今、その系譜を遡っていくと、スパイスカレーの源流とも言えるあるお店に辿り着きます。
「スパイスカレーの創世記」と呼ばれる1990年前後に誕生したレジェンド店。
大阪に数多あるスパイスカレー店のほとんどが、何らかの形で影響を受けているであろう名店、その名は『カシミール』。
まだスパイスカレーという概念が無く、カレーと言えば欧風系だった時代からこのカレーを提供してきた、正に「スパイスカレーの生みの親」である後藤氏の独創的カレーを紹介します!!!
地下鉄堺筋線 北浜駅から徒歩約5分ほどの立地。
油断してると見過ごしてしまいかねないので注意です(笑)
こちらのお店、開店時間は12時とされておりますが…
ぶっちゃけ結構な確率で遅れます。
それも…
1時間単位で!!!
かくいう私も最大で2時間開店待ちした経験があります。
『カシミール』に行く、それ即ち「その1日を『カシミール』に捧げる」くらいの覚悟が必要となります。
しかしそれでも『カシミール』のカレーを求めて毎日行列ができるのです。
この人々の心を、そして胃袋を掴んで離さない求心力、半端じゃありません。
店内はカウンター10席のみという小規模スペース。
そんな中に、『カシミール』のカレーに魅せられたお客さんがわんさか集まるという、一種の麻薬的現象です(笑)
『カシミール』には幾つかの暗黙の了解的なルールが存在します。
1.呼ばれるまでは勝手に店内に入らない。
2.オーダーは後藤氏が取りにくるまで発言しない。
3.カレーは手で受け取らない(後藤氏が置いてくれるのを待つべし)。
とまぁ御察しの通り、店主・後藤氏なかなかクセのある御仁です(笑)
しかし何度でも言いましょう。そんな全てを帳消しにしてしまう圧倒的な魅力が『カシミール』にはあるのです!!!
ちなみに後藤氏、実はミュージシャンという顔も持っており、バンド「EGO-WRAPPIN'(エゴラッピン)」の元メンバーだったりします。
メニューは「開店当初から変わってねーんじゃねーか」っつーくらいに鉄板のレギュラーメニューのみ。
限定メニュー等の昨今の流行には全く縁の無いラインナップです。
ビーフ、チキン、マトン、キーマといった肉系や、タマゴ、ヤサイ、ホウレン草とチーズといったマイルドなメニューも。
具沢山なミックスAやミックスB等も人気です。
デフォで900円からと、まぁ正直なかなか強気な価格設定です。
しかし、食べ終わった後の満足感はそれ以上の価値を見出してくれるでしょう。
【チキン(タマゴトッピング)・玄米チョイス】950円
今回頂いたのは「チキン+タマゴトッピング」。
ライスは白米or玄米から選択でき、今回は玄米をチョイス。
大皿に溢れんばかりに盛られたルー。
その独特のヴィジュアルがどこまでも魅惑的で、スパイスマニア共のハートをがっちりキャッチする独特のオーラを漂ってます。
サラサラスープ状のルーは、切り込む様なスパイスの効きと酸味の鋭さ。
旨味も後追いでじんわりと広がっていく、安定感ある味わいです。
酸味の立ち具合が強く感じられ、ビンダルー的な印象を覚えますな。
油分を感じさせないライトでクリアな旨味は、やはりどこか薬膳的なテイストです。
そしてこの玄米との素晴らしきマッチング。
しっかりとした噛み応えにプチプチとした食感。粘り気の無さがサラリとしたルーとひっじょーに良く馴染みます。
やはりこのカレーには玄米がベストマッチと言えますね~。
個人的にはバスマティライスとかやってみてほしいけど(笑)
トッピングしたタマゴはゲイジツ的な黄身のトロみ具合。
酸味強めのルーに円やかな濃厚さをプラスしてくれ、味わいに変化を付けてくれます。
チキンとの相性もグンバツなんで、この親子丼スタイルは鉄板ですわい。
長い時は2~3時間待ちを覚悟するべし!!!
良い意味で全く変わる事の無い王者の風格。
「これぞカシミール」と言わんばかりの独自性を発揮した唯一無二のカレーです。
カレーというカテゴリに属するかすら疑問になる、『カシミール』という1つのジャンルといっても過言ではないオリジナリティには流石に感服しますね。
大阪スパイスカレーの先駆者として君臨し、そのカレーに魅せられた人達が新たな店を立ち上げ、そしてまたそこから次の世代が生まれてゆく。
この脈々と続く連鎖が、現在の大阪スパイスカレーブームを築いたといっても過言ではないでしょうね。
こちらのネックは兎に角「時間」。
開店の遅れのみならず、オーダーが通ってから提供までにもかなりの時間が掛かります。
一度に3人前が限界の様で、仕上げも1皿ずつ丁寧に仕上げていくので、同じ1回転目でも最初と最後の人ではざっと1時間くらいの差があると思われます。
営業日も平日+たま~~の土曜日とハードルはクッソ高いお店ですが、定期的に食べたくなる中毒性。
スパイスカレーに魅せられた人は、是非ともこの苦難を乗り越えて行って頂きたいお店です!!!
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