銀座のカキフライと云えば、先ずはここ。大衆割烹の大人気カキフライ

大衆酒場の名店として知られるが、牡蠣好きの中には、「東京のカキフライの最高峰の一つ」と言う人もいる、カキフライの店としても有名な「三州屋 銀座店」。

牡蠣は丸々とした大ぶりのもの。ザクザクの粗い衣に齧り付くと、レア気味の牡蠣の旨味エキスがドッと口中に溢れる幸せを何と言おう。ライスは勿論、ビールや日本酒でも旨い。

牡蠣殻でたっぷりと提供されるタルタルソースも美味

同じカキフライでも、洋食屋で提供されるカキフライは、また一味違うもの。それならば、築地警察署裏手にある「蜂の子」がおすすめだ。丁寧に美しく成形されたカキフライは、ナイフを入れると、じゅわりじゅわりとジュースが溢れ、堪らず齧り付くと、衣を感じさせないほどに、牡蠣の旨みが真っ直ぐに届く。

そして、もう一つの魅力はタルタルソース。牡蠣殻にたっぷりと装われているだけでもグッとくるが、パセリがたっぷりと入り、さっぱりとして薬味的。カキフライの美味しさをさらに引き立る。

中華スープが染みた旨い牡蠣

牡蠣料理は、和食や洋食に限ったものではない。丸の内にある中国料理店「小花」の冬季限定「牡蠣そば」は、丸の内のサラリーマンやＯＬからの厚い支持を得ているメニュー。ある日などは、客の９割近くがこれを注文するほど。

この牡蠣そばは、粉を塗し油通しをした牡蠣や野菜を醤油味のそばの上に載せたもの。牡蠣を一口噛めば、衣によってグッと閉じ込められていた香り、風味が花開く。また、この衣がスープを吸って、ジュッと旨味を溢れさせる名脇役なのだ。

わっぱ飯で牡蠣を楽しむ

牡蠣を乗せたわっぱ飯も、牡蠣の季節には欠かせないメニュー。戴けるのは、歌舞伎座裏にある「新湊 はま作」。その名のとおり、富山に縁のある店で、富山湾から直送される海の幸が自慢の店。ランチタイムには、その食材を使ったわっぱ飯が戴けるが、件の牡蠣のわっぱ飯もその一つ。

蓋を取ると濛々と立ち上がる湯気、鰹節やご飯の甘い香り。それらが落ち着くと自ずと目に入るのは、蒸されてぷっくりと膨れた牡蠣。その香りとエキスが仄かに染みたご飯と一緒に箸に乗せて頬張ると、少し硬さを帯びた牡蠣の表面がムチッと弾けて、牡蠣の風味と施された柚子の香りが口いっぱいに広がって行く。蒸されて甘さが増し、牡蠣のエキスが染みたご飯が、これまた滋味深い。

牡蠣フライに、牡蠣のクリームコロッケ。オイスターバーならではのランチカレー

銀座はオイスターバーも多い街だが、ランチなら「楸（ひさぎ）」もおすすめの一つ。メニューは欧風の黒いカレーのみだが、トッピングが様々あって、オイスターバーらしい牡蠣フライや牡蠣のチーズクリームコロッケがおすすめだ。

牡蠣フライならば、殻からそのまま取り出したような美しいフォルムに、瑞々しくクリーミーな旨み。チーズクリームコロッケなら、熱々濃厚なチーズクリームにゴロンとした牡蠣が入る贅沢な逸品。欧風の黒いカレーがこれらのソースのようにもなって、相性も抜群だ。

最後は、王道の牡蠣グラタン

牡蠣の美味しい季節はグラタンの美味しい季節でもある。だから、牡蠣グラタンは、冬の王様。歌舞伎座横のワインバー「Cave des vignes」で冬季限定で出されている冬牡蠣のグラタンは、12時前にも売り切れてしまう日がある人気メニュー。スプーンを入れて掬い上げれば、必ず牡蠣が乗るといっていいほど、たっぷりと牡蠣が入るのが嬉しい。熱々のところを、火傷を気にせず頬張りたい。