広島ラーメンの名店「すずめ」が4月末で閉店!
豚骨醤油スープに中太麺で知られる広島ラーメン。昭和35年に屋台から始まり、天満川沿いに店舗を構えて半世紀超の老舗「すずめ」。後継者難から、2015年4月30日での閉店を発表した。
15時開店だが、その少し前から暖簾を掲げている。平日でも待ちわびたようにお客さんがやってきている。土曜日は更に混雑し、19時前に400食を完売しているという。
スーツケースを抱えた観光客らしきお客さんも来ていました。海外向けのガイドブックで紹介された事もあり、店頭には英語での説明も貼られています。
店内に入った所にある発行機から、「整理券」を受け取る。銀行のシステムを参考に作られたそうだが、メニューが「中華そば」だけだからこそできるスタイル(他に「ビール」もありますが)。
「中華そば」は豚骨をメインに、鶏ガラと野菜も加えたスープとの事。豚骨がメインになっているとは思うが、豚だけの旨みに感じさせない、奥行きのある味。広島ラーメンの中でも個性を際立たせているのは、鶏のまろやかさと野菜の香りかと思われる。スープに馴染んだ細モヤシを食べながら、中細の麺をスープと共に啜りあげる。「チャーシューメン」と言いたくなる、5枚も乗ったモモチャーシューを味わっていくといつの間にか完食。閉店を惜しむ声は日増しに高まっていて、早仕舞いする日も増えるかも。早いうち、早い時間帯での訪問を呼びかけたい。
「すずめ」と並び称される名老舗「陽気」も欠かせない!
広島の老舗として、「すずめ」と共に語られる機会が多い「陽気」。現在市内に3店舗あるがそれぞれに味が異なる。まず食べてほしいのは江波の本店。こちらも「中華そば」一品のみで、ビールすらない。なので、入店したら店員さんにラーメンの杯数だけを申告するスタイル。「ニンニク入り」というオプションもあるようだが、まずはそのまま一杯を味わってほしい。
「中華そば」は、こちらも豚骨をメインに、鶏ガラや野菜が引き立てるスープ。最初はこってりさを全面に感じさせるが、後味はすっきりしていて飲み口のよいもの。力強い麺や、肉質を感じるチャーシューもいいが、一口食べて「あ、これ美味しい!」と思わせるモヤシの味付けは見事。それぞれの個性をちゃんと出しながら、ラーメンとしての調和を取っている所が見事。この中華そばを食べる為に、広島まで足を運ぶ価値は十分にある。
「陽気」は代替わりもしていてしばらくは安定して営業すると思われるが、まもなく閉店の「すずめ」とあわせて食べてほしい名店です。