群馬県の小麦粉生産量は、北海道・福岡県・佐賀県に次ぐ全国第四位。つまり本州最多の小麦粉生産県である。そんな群馬県で、2014年7月、「らーめん芝浜」が開店した。
落語の名作からつけられたであろうと気になる店名。そこに出てくる旦那に倣ってか、朝7時からの営業で「朝ラーセット」も販売している。この店のイチオシメニューである「小麦三昧」は10時からの販売なので、私もその時間にあわせて店に着いた。朝ラーを食べている人で8割くらいの客入り。
固く茹でた麺の食感と小麦の香り!「低加水麺のまぜそば」
「小麦三昧」は三品で、小麦それぞれの魅力を楽しませる構成。一品目は「まぜそば」で登場。群馬県産小麦の強力粉「黄金鶴」を100%使用した低加水麺は固めに茹でられ、ザクザクした歯ごたえ、国内産小麦の香りがしっかりと楽しめる。タレは昆布をきかせた鶏油を使い、刻みチャーシュー、玉ネギ、青ネギのトッピングをよくかき混ぜていただける。
中力粉をブレンドしたモチモチ太麺!「上州辛味大根つけめん」
二品目は「つけめん」。群馬県産小麦の中でも、ざるうどんに使われる「百合星」をブレンドした多加水の太麺。モチモチして滑らかな食感に、全粒粉も加えて小麦の香りも立たせつつ、まぜそばと真逆の魅力を引き出している。つけ汁は岡直三郎商店の醤油にもろみ、そして上州名物の辛味大根おろしを加え、麺の先に少しだけつけて啜りあげるスタイル。
小麦の力、麺の表現力に改めて驚く!「らーめん」
三品目で、この店のレギュラーメニューでもある「らーめん」がミニサイズで登場。醤油と塩から選べるので、今回は塩をチョイス。細麺は、高級中華麺向きの「金龍星」に「黄金鶴」をブレンドし、角ばった形状の麺をしっかり茹でたもの。ラーメンだけを食べると柔らかく感じられそうだが、「まぜそば」「つけめん」で麺のバリエーションを学んだ直後であるだけに、麺の茹で加減の絶妙さを感じ取る事ができる。チャーシューは鶏と豚の2種類であっさりしたスープにマッチ。麺を啜るごとに、スープのメインを張る北海道産の真昆布の旨みが立ちあがってきて、驚きの中にスープも飲み干してしまう。
もちろん単品でも美味しい!「お醤油らーめん」
同行者が注文したこちらは、岡直三郎商店の醤油を使いつつ、真昆布・煮干・鶏といったスープの素材が存分に感じられる、麺との馴染みもよい。チャーシューは塩とは構成を変えている。見た目には「淡麗」という言葉で括られると思うが、それらのラーメンの中でもハイレベルと言える一杯。他に「キャベツと豚しゃぶの塩つけめん」や、サイドメニューの「チャーハン」やデザートの「お抹茶ティラミス」など、気になるメニューが続々。
小麦王国の名にふさわしい、小麦に力点を置いた店。明るく綺麗な店内で、BGMを曜日ごとに変えるといったところも楽しい。女性客も多く来店していた。皆さんも是非桐生まで訪れてほしい。