ブイヨンが和だしと出会う！「NARUMI-IPPUDO」

　2014年10月29日に開店した「NARUMI-IPPUDO」は、「博多一風堂」の河原成美氏がプロデュースした、全く新しい味のラーメン店。テーマは「フランスのブイヨンと日本の和だしの融合」で、世界のご当地ラーメンを提案するという、新横浜ラーメン博物館の「攻めの姿勢」が感じられるもの。
（店名の「NARUMI」は、河原成美氏の名前が元になっているが、名前の方は「しげみ」と読む）
　基本のラーメンは『黄金に煌めく超絶～コンソメヌードル～』という名。鶏や牛スネ肉を煮込んだブイヨンに、牛ミンチや野菜などを加えて更に煮込んだコンソメスープに、昆布等で取った和だしを加えている。昆布や鶏などの素材がスープに生きていて、日本人がイメージするラーメンの味わいに通じる所になっている。フランスパン専用粉を使ったという麺は、もっちりしながらサクサクと啜れる。トッピングで目を惹くのはローストビーフ。厚めで大きく、これだけでも嬉しい。キノコのソテーが、スープとは異なる旨みを加えてくれる。

　もう一つのラーメンは『「まさか･･･！」のコクと深み～ベジタリアンヌードル～』。ラー博ではベジタリアン向けのラーメンを各店で提供していて、こちらでも開店と同時に販売開始。鶏や牛を使ったブイヨンスープは使えない。そこで用いたのが、様々なキノコやドライトマト、その他の野菜を使ったスープ。すっきり澄んだスープに和醤油のタレを合わせ、あっさりした中に豊富な旨みをブレンドしていて、動物系不使用のハンデを乗り越えるだけでなく、「コンソメヌードル」に負けない味わいを提供している。ローストビーフに替えてローストトマトを使用。グルタミン酸が豊富なトマトと、グアニル酸が豊富なキノコを使った事でバランスもよい。

2015年５月10日までの期間限定営業を予定。日本有数のラーメン職人が手がけた新しい味がどこまでフランスっぽくなっているか、そこにも注目して味わってほしい。

店名：NARUMI-IPPUDO

サイト：http://www.raumen.co.jp/shop/narumi-ippudo.html

ドイツで日本人が作り上げた独学の一杯！「無垢ツヴァイテ」

　「NARUMI-IPPUDO」を食べたなら、もう一軒食べておきたいのがこちら。ドイツフランクフルトで2010年に開業し、2014年６月25日、ラー博に登場。ラーメンに必要な食材が、日本のようには整わないドイツで作り上げた味。豚骨や鶏ガラをベースにしたスープ。ピザ用の小麦とパスタ用のデュラム粉をブレンドした、独特な食感を持つ麺が特徴。看板メニューの「無垢ツヴァイテラーメン」は、具にドイツから直輸入した「ザワークラウト」や「ベーコン」、背脂の塩漬けである「スペック」が乗った「ドイツ全部乗せ」といった印象の一杯。ハーブをブレンドした胡椒も香る一杯。

　こちらは「焦げ味噌ラーメン」。豚骨鶏ガラを使ったスープに、札幌味噌ラーメンのようにモヤシやキャベツを加えて鍋で煽る事で仕上げている。味噌をしっかり焦がしているので、スープや味噌の味に負けない香ばしさがあり、固めに茹でた麺にも負けない力強さがある。日本人なら、冬に食べておきたい。

　ドイツには専門店が多くあり、ベルリンに専門博物館もあるという「カリーブルスト」。ソーセージを焼いてケチャップとカレー粉で炒めたシンプルなつまみだが、ビールとの相性もよく飽きさせない。こちらの店ではドイツのビールを揃えるのはもちろんの事、近年話題の日本酒「獺祭」も用意している。

　「無垢」も2015年末くらいまでの出店予定。本店は予約が取りづらい人気ぶりというこの店、是非食べてみてほしい。