様々なラーメン屋が日本中に立ち並んでいる状況。店の立地や店舗の様子でラーメンを判断してしまうケースがままあります。そんな時、この店を見たらどう思うでしょう?
最寄駅から2.6km。バスで最寄りのバス停からでも徒歩20分はかかるという場所。ロードサイドにひときわ目立つポール看板が立っています。
店は広く、客席にはカウンター、テーブル、座敷席があって子連れにも安心。こういう店だと、ファミリー向けに気軽に食べられるラーメンをイメージしてしまうもの。
しかし、こちらは素材を選び、丁寧な味を提供し続けている実力派のラーメン店。私も6年前に一度訪問してその実力に驚いたが、交通の便もありなかなか再訪できずにいました。友人から秋の限定品の試食依頼を受けて再訪。
現在のメニューは、中華そばと塩そば、「うすくち」「醤油」「塩」の煮干そば、そしてつけ麺がメイン。それぞれのメニューで、常に味を改良させているということでした。
「天然素材の恵みを活かした商品作り」を掲げ、全国から選んだ素材の味を引き出したもの。季節限定メニューも告知されています。
まずは、基本メニューの「中華そば」。鶏のじんわりした旨みに、煮干しや鰹節、秋刀魚節を使って重厚な味わいの魚介系をプラス。細麺がスープをまとって、それぞれにハイレベルなバランスを保っています。具では、鶏チャーシューと低温調理で肉そのものの食感を楽しめる豚チャーシューの2種類が目を惹きます。
そしてこちらは「塩そば」(今回はチャーシューを外して別盛りにしてもらいました)。鶏ベースと魚介系のバランスが取れたスープの力が口の中に一気に溢れだし、醤油味に負けない丁寧さを感じられます。
もう一つの看板メニューが「煮干そば」。醤油味にしても負けない煮干しの旨みを存分に引き出しながら、苦みになる一歩手前で抑えた味付けがクセになります。こちらはつけ麺と同じ太麺を使用しています。
秋の限定メニュー「海の潮そば」。魚介系スープを海老・ホタテ・アサリにした事で、甲殻類や貝の旨みや甘みが、その香りと共に楽しめるもの。「マニアックすぎるかな」とご主人は逡巡していましたが、「限定なので、もっと尖った味にしてもいいと思いますよ」と答えておきました。魚介スープが好きな方は、この限定があれば食べてみてほしいと思います。
「ロードサイドの大箱ラーメン店」と思うと驚く味の数々。そのミスマッチぶりに驚く人もいるかもしれないが、是非とも一度訪れてみてほしいお店でした。できれば複数人で訪れて、味の豊富さも感じてほしいと思います。