大阪の名店「豊中麺哲」の店長が東京へ!
ラーメンを食べ歩いていると「今年の新人賞はどこ?」と聞かれる。新店のベストを決める事は難しいが、「新人賞有力候補」と呼べる店はある。4月に開店した「巌哲@早稲田」もその1軒。同じ店を再訪しないタイプの私も、3ヶ月で5杯食べている。
都電の早稲田終点に近い新目白通り沿いに開店したこちらは、大阪府豊中市の名店「麺哲」で6年半勤めていた店長が独立した店。
「麺硬めお断り」には理由があります
メニューは「醤油」「鮪塩」を基本に、週末限定の創作塩つけ麺や「冷やし」などの季節メニュー、「鶏そば」などの限定メニューを加えている。
「麺硬めお断り」の記載は決してわがままというわけではない。もともと密度とハリのある麺で、平ザルであげるタイミングでも硬さはしっかり感じられるもの。これ以上硬くしたら麺として、ラーメンとしてのバランスが完全に壊れてしまうと、麺を啜れば実感できる。
すっきりした、鶏と和出汁の調和を感じる「醤油」
まず食べてほしいのが「醤油」。鶏ベースのスープと鰹節などを使った和出汁をブレンドした後、醤油ダレを加え小鍋で温めるスタイル。すっきりした口当たりの中に丁寧な旨みがある。大ぶりで厚いチャーシューも食べごたえあり。
ソテーした鮪にスープを加えて仕上げる「鮪塩」
「鮪」を関西では「しび」と呼ぶ。なので「鮪塩」と書いて「しびしお」。角切りされた鮪の肉をソテーし、そこにスープを加えて温める事で一杯のラーメンの味にまとめた個性的なスタイル。スープと鮪の味が一体化して、さっぱりしながら後を引き、ソテーされた鮪肉もいい。
夏季限定の「鮪塩冷し」
8月末まで、1日15食限定の「鮪塩冷し」。昆布を効かせた冷たい和出汁に淡海地鶏のスープをブレンドし、低温調理チャーシュー、鮪ヅケ、山芋を乗せて、和をイメージさせつつラーメンらしさを失わない夏の一品。
夏の定番冷やしつけ麺「盛」
「麺哲」でもお馴染みの夏季メニュー「盛」。氷水で締めた麺をチャーシューとともに、醤油の効いたそばつゆでいただく一品。食べ終わってからスープ割りすると、魚介が立ち最後まで楽しめる。
秋から再開予定の「中華そば」「マルチョウそば」
夏季メニュー販売中は販売休止中なのが、大阪の「高井田系ラーメン」を元にした「中華そば」と「マルチョウそば」。特に写真の「マルチョウそば」は、ホルモンがゴロゴロ入って絶品。
他にも、「鶏そば」や「週替わり塩つけ麺」などメニューは豊富で、どれもが本気の一品。料理人としての矜持を持つご主人だけに、自分だけの味を身につければ名店の座を確立できるのかも。今後にも期待できるホープの登場である。