今回は三重県の御在所岳の麓、三重郡菰野町にあるお蕎麦屋さんを紹介したいと思います。
場所は2018年度中に開通となる、新名神高速道の菰野ICから車で4分くらい東へ行ったところ。住宅街の中にひっそりと佇む民家を思わせる建物で、高い天井が落ち着いた雰囲気を醸し出しいるお店です。
御飯ものや天ぷらものにとらわれない、お蕎麦のみで勝負されている職人が腕を振るってくれるのです。いつものメニューに加えて、その日その日の創作限定メニューが素敵で美味しい。
本当は誰にも教えたくないテーブル4席のみの小さなお蕎麦屋さんなのです。
まずはせいろと粗挽きの二種を楽しむ「合わせ(1,500円・税抜)」
最初にやってくるのは「せいろ」
この日は八ヶ岳産のお蕎麦との事で、いつものように汁を付けずに手繰り込めば、ブワリと蕎麦フレーバーが鼻腔を刺激します。石臼で製粉されて打たれたものだそうで粒子の細かな絹挽きのお蕎麦。しっかりと延されてしなやかな滑り上がりが心地良い。
薬味は白髪葱と山葵に辛味大根のおろしであります。そば汁に入れたりせずに、箸でひと摘みずつ口へ運びます。メニューカードの裏面にも書いてありますが、口の中をリセットしつつ蕎麦の風味を楽しむのが美味しく食べるコツのようですね
続いてやってくるのは「粗挽き」
玄蕎麦もしくは丸抜きを粗めに製粉した蕎麦粉で打つ太切りのお蕎麦。どちらかを聞くのを忘れましたが、恐らく丸抜きからのモノでしょうか。太くゴツゴツしたタッチのお蕎麦は、手繰り上げてから噛み締める咀嚼感を楽しみます。この時の蕎麦フレーバーの立ち上がりも嬉しくなるひと時。辛汁をチョンと付けて手繰るも良し、そのまま手繰るも良しなのです。
食べ終わる頃合いに女将さんが蕎麦湯を持って来てくれます。ポタージュ系のトロリとした蕎麦湯でそのままをジワジワと楽しみ、辛汁を注いで出汁感を味わい、残った薬味を摘みます。ただ、辛味大根のおろしは強烈な辛味でありますのでココロシテかかりましょう(^^;;
涼感タップリ!爽やかで涼しげなる名品。「すだちそば(1,300円・税抜)」
こちらは初夏の頃から始まる限定蕎麦で、もっとも遭遇率の高い限定蕎麦であります。トップ画にも使っているもので超薄切りにスライスされた酢橘が涼感を演出して、見ているだけで涼しげな気持ちになるから不思議であります。クリアな蕎麦汁はきゅんと冷えていて、酢橘のエキスが回る前に口にしてみれば、これほど透明なのに驚くほどの出汁感を楽しむ事が出来るのです。
お蕎麦は少し固めでゴワッとくるタッチ。噛み締めて食べると、お蕎麦とお出汁の香りと共に、酢橘の風味も広がってニンマリとしてしまいます。酢橘は超薄切りなのでパクパク食べても程よい苦味で、爽やかな酸をも楽しめる、極私的感想で言うこのお店の代表的な名品なのです。
遭遇率の極めて低い絶品メニュー!「とまとそば(1,250円・税抜)」
こちらも初夏の頃から始まる「とまとそば」でありますが、上質のとまとを入手できた時にしかメニューにあがらない幻のメニューなのであります(ちょっと大袈裟かな(^^;;;)。とまとの種を取り除いて小さく切り、透明であるのにもかかわらず出汁感濃厚な蕎麦汁に、三つ葉、サニーレタスの緑に紅白のラディッシュ。黄色の演出はレモンの皮を薄く細く切ったもので、彩りと共に柑橘の酸をも付加されているのです。
どうです。もう書いていて居ても立っても居られなくなります。これ本当に美味しいのです。もう無我夢中でニヤニヤして頂くものなのです。言葉って難しい~(^^;;;そしてこちらのお店の特徴として、最後に蕎麦湯を頂けるのも嬉しいところ。涼感を楽しんだ冷えたお腹をほっこり温めてくれるのです。
今回はスタンダードメニューの「合わせ」と、限定の「すだちそば」と「とまとそば」を紹介しましたが、まだまだこの他にも沢山の限定メニューがあります。どんなメニューに巡り合えるかは、その日の運。運に任せて、その日の良いものを頂くという心意気で楽しまれては如何でしょうか。
紹介しているブログはこちら!
https://ameblo.jp/fmk3776/entry-12323484945.html