おつかれ麺です。オゴポコです。
近年”非豚骨”が勃興する福岡市内、その勢いは衆目の一致するところですが、そうは言ってもその歴史はこれからつくられるもの。”豚骨”が持つ長い歴史、その歴史を作ってきた有名店を知ってこそ対極の”非豚骨”の価値を理解できようというものです。
今回取り上げるのは、その福岡豚骨史に名を刻む「だるま系」の店。
この系統は、1963年創業の先代「箱崎だるま」の味を受け継ぐ「博多だるま」と、似たタイプながら独自の方向で人気の「秀ちゃんラーメン」の二大ブランドから成り立っています。仮に博多豚骨のパンチ力競技があるとしたら金メダル確実の両店。今回は系列の3軒、独立店1軒、浅からぬ関係があると言われる超有名店1軒の計5軒を取り上げます。それでは早速一緒に見ていくこととしましょう。
1.【博多だるま 総本店】だるまブランド総本山はもしかすると有名人のサイン色紙日本一かも・・?
2000年12月開店。2017年末にリニューアルしていますが、壁を埋め尽くす有名人サイン色紙は健在!その中でも一番目立つところに飾られている、2018年引退予定のあの国民的歌姫の色紙はチェックしておきましょう!(見るのは無料です)
厨房奥には、この系統のアイコンともいえる大きな釜が2基、もうもうと湯気を立てており「だるまに来たな!」と気分があがります!ラーメンは、リニューアルと共に創業時に戻した・・ような話を小耳に挟んでましたが、確認すると「同じです」とのこと。2002年に初めて食べて以来、8回目の訪問でしたが灰汁と骨が混ざり合った豚骨スープは相変わらずの野性味。若干、油少なめになったかな?と思った位。
現在「博多だるま○○」等の名前で店舗展開していますが、総本店の手作り感は別格!この系統を知るならやはり総本店、足を運んでもらいたいところです。
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2.【元祖博多だるま デイトス店】博多駅構内でも釜炊きだ!時間のない人はここでだるま体験してみよう!
JR博多駅筑紫口を入って右手奥のエスカレータを上がった先にあるラーメン施設「博多めん街道」の一角にある当店。「駅構内だからやっぱり本店とは違うよね?」と言うなかれ。店の奥には本店同様のでかい釜が2基。営業中も釜の中の骨をせっせと掬いあげ、冷凍ブロックの骨をそのまま投入、がんがんかき混ぜてます!
ラーメンは、その工程から期待されるとおりの荒々しい野生のだるま味!比べてしまうとアレですが、東京で食べられる余所行きの行儀の良いだるまとは違います。あえて言えば総本店より脂が多いなぁ、と思いますが、骨粉と灰汁と脂が入り混じる暴れん坊だるまであります。
「どうしても時間がないけど、あのだるまを食べてみたいなぁ」という観光客の方や、「今日は早く帰らないといけないけど、だるま、食べたいなぁ」というサラリーマンOLの方へ、十分満足いくだるまが博多駅構内にある!と頭の片隅に置いてもらえればよいかと思います。
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3.【博多だるまラーメンセンター】屋号はプレゼントされてるが運営と味は全く別物だというライトだるま
2018年2月、福岡市東区にオープンしたばかりの新店。屋号からして当然系列店と思いきやだるま秀ちゃんの公式サイトによると
「この物件のみという条件のもと屋号をプレゼント」
「店舗の運営や味などは全く違います」
とのこと。
とはいえ、店内には例によって大きな釜2基!味は一言で言えば”ライトだるま”。脂と灰汁たっぷりの点は似てますが、骨量が少なめ、ほどほど。とはいえ「ラーメンセンター」の名を冠しているだけあり、価格は抑えめ!博多だるまよりも150円安い550円は魅力です。よって、価格も含めての”ライトだるま”という位置づけでよいでしょう。
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店名:博多だるまラーメンセンター
住所:福岡県福岡市東区蒲田3-3-9
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
4.【秀ちゃんラーメン】創業から25年!いまだオンリーワンのリアル鉄骨飲料は味わうべし。
1993年6月オープンなので、今年で早や25年。実は「博多だるま」より先にオープンしている「秀ちゃん」は「だるま」に似た部分はありつつも味の変遷を経て今に至ります。僕が初めて食べたのは2002年、それから間を置きながら食べること計23回。2014年に大きく味をリニューアルし、いまもそのバージョンが続いています。
そのリニューアルした秀ちゃんラーメンの特徴は、骨粉大量、灰汁大量!とくればスープはドロドロかな?思いきやサラサラという不思議バランス。スープはスイスイ飲めるのに赤茶けて骨の味が凄いという。「これぞ、リアル鉄骨飲料(※)!」のセリフが頭に浮かぶのであります。
グルテンフリー替え玉、押し豆腐麺など変わり麺もあり、新しいことへチャレンジしてはいますが、全てこのスープに塗りつぶされること必至なので僕は普通の麺で食べることをお薦めします!
※1989年頃にCMで放送されていたスポーツ飲料。その商品名とCMソングが耳に残っている人は多いはず。
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- 秀ちゃんラーメン
- ラーメン 地下鉄空港線(1号線) 天神駅 徒歩10分
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5.(番外)【八ちゃんラーメン 薬院店】これが最も振り切った博多豚骨だ!夜9時からの大量油豚骨!
創業からかれこれ40年以上経つ、説明不要の超有名店。「箱崎だるま」から連なる「だるま・秀ちゃん」と姻戚関係にあるやなしやという話、また博多豚骨の枠を突き抜けた豚骨ラーメンの代表格でもあるわけで番外編として紹介したい次第です。なお、太宰府八ちゃんラーメンの創業者はこちらのお兄様だそう。
寸胴にはなみなみスープ、丼にもなみなみのスープ。骨感薄め、味薄め、半分位は油では?と思うほどの油量!豚骨というか、肉を溶かし込んだような旨みが支配しています。平ざるで手際よく上げる麺は名物の平たい細麺。チャーシューふた切れほどで、麺と共にたっぷりのスープの底へ沈み込んでいるので引っ張り上げましょう。
昭和、平成、そして次の元号になろうとも、恐らくオンリーワンのラーメン。もちろん「だるま」「秀ちゃん」も異なるオンリーワンでしょう!
以上5軒、いずれもクセが凄い超個性派博多豚骨。飲み会の〆にサクッと食べられる博多豚骨ではありませんが、博多豚骨の振り幅を知ってもらえるのではないかと思います!