おつかれ麺です。オゴポコです。
「新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)」に端を発し、いまや全国どこでも見かけるようになったラーメン集合施設。様々なジャンルのラーメンが一カ所に軒を連ねる様を見てどう思うでしょう。
「うわぁ、どこで食べようかなぁ」と悩むのは普通の人。
「うわぁ、何軒食べようかなぁ」と悩むあなたは、ラーメンマニア。
さて、当然僕は後者なのですが、何軒食べるかということは、前提として何軒食べたくなる店があるか?が大事。
具体的には「県外初出店」「日本一のラーメン激戦区・東京で行列店」「本店のみの人気店」「ご当地ラーメンの老舗」など、魅力あるラインナップかどうかということですね。先に述べた「ラー博」は、正にそんな施設の代表格と言えるでしょう。
では、今年11月、福岡空港ターミナルビル3階にオープンした「ラーメン滑走路」はどうか?
断言しましょう。「ラーメン滑走路」に出店している店は、魅力的な店ばかりです!
交通アクセスの良さから「日本一便利な空港」と言われている福岡空港は「日本一ラーメンが美味い空港」でもあるのか!?今回は「ラーメン滑走路」に出店している9店舗のうち5店舗、「豚骨ラーメン」に絞って見ていくこととしましょう。
1.【まんかい】野望のデカさも味も師匠譲り!”ラーメンで国家予算の医療費削減”を目指す大阪発豚骨!
ラーメン滑走路1軒目の豚骨は、大阪府外へ初出店の「まんかい」
・・・とは言っても、福岡に住む人、関西方面以外から福岡へ訪れた人のうち、この店のことを知っている人がどれくらいいるでしょうか?「初めて聞いた」という方のために、今年の10月、関西テレビの某番組で「まんかい」が取り上げられた際の紹介ナレーションを要約してお届けします。
”元々はアパレル会社で働いていた大将の奥長さん。父親が55歳という若さでこの世を去ったことから人生を見つめ直し、ラーメンの道へ。食べたラーメンの中で一番美味しかった「博多一風堂」で修業し、社長の右腕になるまで活躍されました。45歳の時、55歳で亡くなった父親を思い、19年勤めた一風堂を退社。独立を選んでみようと一念発起したのです。「まんかい」本店の店内の壁には桜の木の絵が。奥長さんのラーメン人生に関わった人たち200人以上の手形が桜の花となっています。”
そうか、そんな苦労の末に、一風堂が生まれた福岡へ錦を飾ったのか・・・!
こういったバックボーンを事前に知ることで「何気なく食べる一杯の豚骨ラーメン」が「19年という長い歳月の末に辿り着いた至高の豚骨ラーメン」へ、脳内で昇華する。まさに「情報はラーメンの最高のスパイス」というわけですね!※僕の大好物です
純とん 790円(写真上段)
16時間炊いているという豚骨スープは、キレイな目の細かいスープ。味は系統立てて言うなら「一風堂」テイスト、特に後味の残り方が似てる気がします。醤油は福岡の上久醤油というから、福岡人にも馴染のある豚骨ラーメンと言えるでしょう。
潮とん 860円(写真下段)
商品名のとおり、磯の旨味十分。特に一口目、二口目のインプレッションで磯を強く感じられるので、最初から集中して食べるのがよいでしょう。チャーシューは「純とん」同様、2種類でしょうか。ほろほろくずれるタイプと、しっかり一枚タイプ。
「まんかい」では、上記2種以外にも「トマとん」「豚そば(数量限定)」も提供しており、計4種類の豚骨を楽しめます。いずれ「トマとん」「豚そば」も食べる予定ですが、現時点では「純とん」でプレーンな味を楽しむことをお薦めしたい次第。
余談ですが「まんかい」は、不健康と思われがちなラーメンのイメージを変えるために小麦と食物繊維を合わせて糖質を50%カットした「ハイブリット麺」を開発しています。その麺を広め、最終的にはラーメンで国家予算の医療費を削減するという野望を持っているそう!でかい夢を語るところも師匠譲りといえますね!
紹介しているお店はこちら!
店名:まんかい 福岡空港店
電話番号:092-710-7626
2.【一幸舎 HAKATA OLD STYLE】豚骨多様性!次の引き出しは”進化系博多屋台ラーメン”
ラーメン滑走路2軒目の豚骨は、いまや日本のみならず海外進出も果たしている新世代博多豚骨の雄「一幸舎」
「一幸舎なら福岡市内にたくさんあるし、わざわざここで食べなくても」と思うあなた、ちょっと待ってください!ラーメン滑走路では屋号に「HAKTA OLD STYLE」を掲げ、通常店舗で食べられる「泡系濃厚豚骨」とは異なる「進化系博多屋台豚骨」で勝負しています!
ラーメン 750円
通常の一幸舎らしい骨っぽさはなく、あえて薄めに仕上げてササっと飲める豚骨。確かにこういう質感の豚骨は博多の街中でよく見かけますね。ただし、麺は上質!滑らか!これは屋台ぽくないなー!ビッと胡椒が効いている点も、適度に古さを感じさせて好印象。「古いけど新しい味」への調整力、さすがですね!
最近東京では、古くからある醤油ラーメンを再構築し、見ためは普通でも味が大幅にビルドアップされた「ネオクラシカル」と呼ばれる醤油ラーメンが増えていますが、さしずめこれはネオクラシカル豚骨とでも言いましょうか。このような形で旧来の博多豚骨が再構築されるなら、それは食べる側にとっては大歓迎!これに留まらず、温故知新を進めてもらいたい、そう思わせてくれる豚骨ラーメンです。
紹介しているお店はこちら!
店名:博多一幸舎 福岡空港国内ターミナル店
電話番号:092-710-4901
3.【ラーメン 海鳴】おそらく世界一ご飯が欲しくなるラーメン!その理由は・・・?
ラーメン滑走路3軒目の豚骨は「海鳴」、2009年に福岡市中央区清川にオープンして以来「ラーメン滑走路」が福岡市内5店舗目となります。
「海鳴」の持ち味は、一言で言えば「変わり豚骨」
他の4店舗では、ノーマルの「とんこつラーメン」をはじめ「魚介とんこつラーメン」「ラーメンジェノバ」「ベジトンラーメン」「ラーメン火豚骨」など、福岡屈指の豚骨バリエーションを誇っています。その自由な発想で新作を引っ提げラーメン滑走路に出店!
ラーメン辛子明太子 920円
豚骨ラーメンに辛子明太子を乗せる・・・ややもすると「安易な創作ご当地ラーメン」と捉えられかねない一品ですが、名だたる店が軒を連ねる「ラーメン滑走路」で目立つにはこれくらいの飛び道具はあって然るべき。その勝負根性にまずは敬意を表したいところ。今年の流行語となった「インスタ映え」を狙えるビジュアル系ラーメンとしてもいい線いっているな、と思います。
では、味の方はどうか?
端的に言うと、これはもう「日本一、いや、世界一ご飯が合うラーメン」と言って差し支えないでしょう!
そりゃそうです。辛子明太子は1949年の商品化以来、福岡で68年の長きに渡り食べられている、ベストオブご飯の友なのですから。事実、閉店前にはご飯が売り切れることもあるようです。
ラーメンとしては、「海鳴」自慢の汎用性と濃度を兼ね備えた高品質豚骨スープが、明太子を主役にしつつ麺との仲立ちを果たしておりバランスの良さ抜群。明太子を乗せているだけでなく、スープに混ぜていることも一体感のポイントでしょう。
それと明太子ばかりに目が行きがちですが、もう一点注目すべきはカップ型の丼。試しにコーヒーを飲むように指を入れて持ち上げてみようとしましたが、ずしりと重たくて持ち上がりませんね!これは飾りということで・・・
紹介しているお店はこちら!
店名:ラーメン海鳴
電話番号:092-612-1102
4.【屋台ラーメン 玉龍】福岡空港で22年間続いた豚骨が屋号も味も変えてリスタート!
ラーメン滑走路4軒目の豚骨は「屋台ラーメン 玉龍」です。本当に恥ずかしいことですが、こちらのお店、22年間も福岡空港で営業していたとのことですが、わたくし1回も食べたことがございませんでした。というか、存在も知りませんでした。
忸怩たる思いで訪問し、豚骨ラーメンを一杯頂いた次第です。
玉龍ラーメン 680円
右を見ても左を見ても豪の者、百花繚乱のラーメン滑走路において、想定内の価格で想定内の豚骨ラーメンが頂けるこちらのお店。やや甘めのクリーミー豚骨は、とにかくゴマが似合います。ゴマが必須です!すりゴマではないので、ゴマをたっぷり入れてぼりぼり噛む楽しさも味わえます!
ちなみに、こちらのお店も「明太子入りラーメン」をメニューに加えています。先の「海鳴」だけではありませんのでお忘れなく!
紹介しているお店はこちら!
店名:屋台ラーメン 玉龍
電話番号:092-612-3188
5.【博多焦がし味噌専門 五行】帰ってきた焦がし味噌の名店であえて食べたい”焦がし豚骨”
ラーメン滑走路5軒目の豚骨は「焦がし味噌専門 五行」です。「五行」は「一風堂」に代表される「力の源」グループのお店。実は2000年に福岡で生まれ、その後、福岡市中央区今泉にラーメン居酒屋として店を構えていた時期もありましたが、今は東京・西麻布、愛知・名古屋、京都の3店のみです。僕にとってはラーメン滑走路出店リストを眺めて最も驚いた店が「五行」。よくぞ誘致できたなぁと、世のラーメンマニアを感嘆せしめたのではないでしょうか。
というわけで、「五行」は2010年に食べて以来、甲子園出場校風に言うと7年ぶり24回目の訪問です。
焦がし豚骨ラーメン 890円
「五行」の豚骨ラーメンは、2007年に今泉店で「とんこつ麺」を食べて以来。記録を見返すと当時の価格は1000円(!)聞くと「焦がし豚骨」は他の3店舗でも提供しているとのこと。
まず気にかかるのは、麺。「まるで、どん兵衛みたいな麺だなぁ」と思って、あれ?これって・・・思って10年前の感想を読み返すと、今回と同じ「どん兵衛みたいな麺」と書いてました(褒めてます)。
豚骨スープは「一風堂シロマルベース」を少しあっさりにしたようなタイプで強い甘味。そこに加わる焦がしの強い苦味。味噌のような熱さはなく食べやすい温度です。現在、「黒豚骨」といえば、ほとんどが「黒マー油入り」の豚骨を指しますが、こちらは同じ黒でも焦がしの黒。豚骨好きなら一度は経験しておくべきでしょう。
紹介しているお店はこちら!
店名:博多焦がし味噌専門 五行 福岡空港店
電話番号:092-621-7070
※おまけ「ラーメン滑走路」QAコーナー
Q1.ラーメン滑走路への行き方がよく分かりません!案内もあまり無いし・・・
A1.地下鉄「福岡空港駅」の改札を出たら2番出口へ向かいましょう。動く歩道がある通路をまっすぐ進み、スカイマーク等があるエスカレーターを上り切ると1階です。そこから更に北保安検査場(2階)へ向かうエスカレーターを上ってください。北保安検査場前に出たら、更に上りエスカレーターを3階へ、上り切るとすぐそこです。
Q2.ラーメン滑走路の床に描かれている数字は何?
A2.飛行機が侵入してくる方向でランウェイ(滑走路)の数字です。数字は方角を表したもので、規定で360度、3ケタの内下2ケタを採用して表しています。
Q3.支払は現金のみですか?
A3.交通系ICカード(SUICA等)が使えます。
Q4.福岡市内にはほかにもラーメン集合施設があったような。。何が違うの?
A4.実は「ラーメン滑走路」を含め、博多区内だけで3つのラーメン集合施設があります!博多駅構内の「博多めん街道」は福岡・九州の人気店が集まった施設、キャナルシティ博多の「ラーメンスタジアム」は2001年から続く息の長いラーメン集合施設で全国からバランスよくお店を集めています。が、どこも豚骨ラーメン店主体なので思う存分豚骨を楽しんでください!
Q5.5軒6杯ってオゴポコさん、あんた一体何日かけて食べたの?
A5.2日連続、初日は30分で3杯、2日目は40分で3杯。時間が無かったのでささっといただきました!搭乗までの空き時間で2~3軒は行けますよ!
Q6.豚骨ラーメンは分かったけど、他のラーメンはどんなのがあるの?
A6.近いうちに「ラーメン滑走路/非豚骨編」を公開予定です!
ラーメン滑走路
住所:福岡空港国内線ターミナルビル3階
営業時間:10:00~21:45(ラストオーダー 21:00)
定休日:なし
公式ページ:http://shop.fuk-ab.co.jp/store/docs/ramen1120.pdf