おつかれ麺です。オゴポコです。
日本、いや、世界へ広がる「豚骨ラーメン」が久留米市で誕生してから今年で80周年。聖地・久留米市を代表する豚骨ラーメンといえば、どの店が思い浮かぶでしょうか。
「大砲ラーメン」「南京千両」「ひろせ食堂」「丸星ラーメン」「沖食堂」「大栄ラーメン」「大龍ラーメン」等々。いずれも美味しい豚骨ラーメンを味わえ、かつ、久留米のラーメン史も味わえる名店ばかり。
ですが!近年、メディアや雑誌の紹介、ネットでのラーメン紹介を見ていると、取り上げられるのは福岡市内の店ばかり。まるで”福岡市のラーメン=福岡のラーメン”であるかのようです。そのような状況の中
大ご当地ブランド「久留米ラーメン」を擁する久留米市の”現在”はどうなっているのか?
気になりますね?僕は大いに気になります。そこで久しぶりに久留米市へ行ってみた次第。今回は80年の歴史から見ると比較的新しい店を3軒、いずれも久留米市でしか食べられない店ばかり。
「オールドスタイル」「ニューオールドスタイル」「ニュースタイル」の順に、一緒に見ていくこととしましょう。
1.【久留米ラーメン まんてん】古典的久留米ラーメンの傑作・ひろせ食堂の雰囲気満点!
2013年オープンの「まんてん」は、約60年の歴史を誇る「ひろせ食堂」の味を受け継ぐ店です。店の外にまで漂う豚骨臭、店に入り厨房を見やると、釜でスープを炊き、麺も釜で茹でている模様。
メニューは「ラーメン」を筆頭に「大ラーメン」「半ラーメン」、そして「ひろせ食堂」の看板メニュー「焼き飯」もあり!
「ラーメン 550円」
は、オールドスタイルの久留米ラーメンらしく、豚骨臭さと野性味を残しながら、意外にサラリとした豚骨スープ。麺は細め短め、ポクポクした食感。ゆで卵半分。骨たっぷり油ギトギトの濃厚豚骨ではなく、あくまでサラッと、しかし、骨っぽさを味わわせる、ああ、こういう感じだな、と記憶がよみがえります。
豚骨80年の歴史のうち60年を生きている「ひろせ食堂」、その味を受け継いだ4年目の「まんてん」豚骨100年に向けて「ラーメン&焼き飯」が続くことを願って止みません。
紹介しているお店はこちら!
2.【来雷軒】次世代久留米ラーメンの筆頭!この一杯を食べるために久留米へ行きたい!
2012年オープンの「来雷軒」、実は数年前から信の置けるラーメン仲間に「あの店はすごいよ」と推薦されていた店にようやく行けました。結論から言うと
久留米、いや、福岡全体を見渡してもトップクラスのお薦め豚骨!
大通りから一本奥の路地。通りすがりではなくこの店を目指して来る必要がある場所ですが、開店と同時に客が続々、というか、開店前から待つ客数人(わたしを含む)そしてすぐに満席。
「ラーメン 550円」
継ぎ足し製法で仕上げるスープは須らく豚骨100%。厨房には久留米製麺の箱。お店は「昔ながらの久留米ラーメンを新しい感覚で」と謳っており、食べて納得、この言葉は言い得て妙。
半世紀前から豚骨を食べている人にも、10代20代の若者にも支持されそうな、見た目古くて中新しい久留米豚骨、これは凄いですね。すっきりしつつ骨分も感じられる絶妙な骨含有量。これまで日本各地で色々な豚骨を食べてきましたが、久しぶりに新鮮な驚きを覚える豚骨に出会えたことが嬉しい!
加えて、清潔で明るい店内、テキパキと接客をこなすホール担当の方と黙々とラーメンを作る職人気質な店主のコントラスト、いいラーメンが出てきそうな空気が満ちてます(実際、出てくる)。
如何せん昼のみ営業、日祝休みなので、久留米へ訪れる際は予定を早めてでも食べておきたい必食の一杯です。
紹介しているお店はこちら!
店名:来雷軒
住所:福岡県久留米市櫛原町31
営業時間:11:30~14:30
定休日:日祝、不定休
公式ブログ:https://ameblo.jp/rairaiken24/
3.【久留米らーめん道 麺志】龍の家譲りの”ハートフル接客”と”ボーンフル豚骨”の気鋭店!
2014年オープンの「麺志」は、同じ市内に本店を置く「龍の家」出身。「龍の家」は、かの「一風堂」出身で博多豚骨ラーメンの店。よって「麺志」も印象は博多豚骨寄り。ラーメンは大きく分けてあっさりの「らーめん道」と、こってりの「らーめん志」の2種。
「らーめん道 550円」
は、ラー麦(福岡県産のラーメン用小麦)100%の細麺。あっさりとは言いつつも、味濃いめ、ニンニク濃いめ、豚骨臭強め。しかし、先に述べた通り博多寄りのフレッシュさもあり。くっきり分かりやすいパンチのある味付けです。
さて味以外に特筆する点は、丁寧な接客。店員の活気、声かけが素晴らしい。この辺は「一風堂」「龍の家」譲りですね。例えば、子連れ客への対応も抜かりなし。推定3歳児連れの客に対しても、子供と親の両方にさっと声掛け、誘導、一杯のラーメンをシェアできるように取り皿もすぐ配膳、食後飴のお土産提供。マニュアルではなく自然な感じを保ちながらこれができるわけですから、その子が「とんこつ、おいしかったね!」と言うのは必然でしょう。こうなればもうお店の勝ちです。味+αというのはこういうことですね。
以上、久留米に行かねば食べられない「オールドスタイル」「ニューオールドスタイル」「ニュースタイル」の3軒を見てきました。豚骨聖地・久留米を訪れる際の選択肢としてどうぞ!