長崎思案橋に行列ができるちゃんぽん屋
長崎市本石灰町。
というより 思案橋横丁。
元は戦後の闇市から始まったというその通りの両端には
たくさんの小さな飲食店が所狭しと並びます。
夜ともなればたくさんの提灯に火が灯り、
異国情緒も感じるほどの風情のある通り。
そんな通りの中ほどにこのお店はあります。
康楽
「かんろ」と読みます。
長崎出身で長崎大好きな私の先輩が
帰省したら必ずここに行くというお店。
夕方6時開店で5時半にはもう行列ができ始めるお店。
4人席がたった4席で
それでもう満席になるお店。
他にもたくさんたくさんチャンポン屋さんはあるのに
地元長崎人が行列をなすお店。
そして
長崎人が
ヨソには教えたくないお店。
それが 康楽なのです。
あたりまえですが 注文はちゃんぽん。
見た目そんなたいしたこともなく・・・・
私も始めて対峙した瞬間は
「え?・・・こ・・・これが?
これが長崎人が秘するちゃんぽん?」
そう思いました。
ヒトクチ目スープをすすった瞬間に
もう感動は訪れます。
一瞬、ゆるふわなウマミスープの味が舌を包み
その香りが鼻腔に広がり、
急速なデクレッシェンドで収束します。
そのスープのSWINGするリズム感に
ついつい麺も具も忘れがちになるほど。
麺はこれまたゆるつる。
小さな空気をゆるく含む麺は まさにエアリー。
なのにシコ感もあって 不思議な感覚に襲われます。
海鮮ふんだんな具。
炒め具合がジャスト。
過剰にシャキシャキでもなく
スープに具のウマミが伝わらないこともなく
これ以上もこれ以下も許されない、
この炒め具合は まさにジャスト。
はいコショウ!
たくさん入れるとおいしいのよ!
と お店のマダム。
え?このバランスを崩せと言うの?
おそるおそるコショウを入れると
バシッと締まるスープ。
ゆるゆると口の中を漂っていた各種のうまみが
コショウのおかげで一気に連結。
食事の最初で声をかけずに
途中で声をかけてくれたマダム。
きっとこれは味の演出。
細かな気配りがうれしいのです。
この記事を書くのが非常にためらわれたお店です。
・長崎人に怒られるかもしれない。
・長崎人と私だけのお店にしておきたい。
・並びたくない
もしあなたが
このちゃんぽん食べたい
と思ったら 秘匿しておくのがいいかも。
紹介しているブログはこちら!
http://gaiden.blogism.jp/archives/25061383.html