2017年も、早いもので既に8ヶ月の歳月が経過し、天高く馬肥える秋の季節がやってきた。
都内のラーメンシーンを見渡してみても、9月に入ってからというもの、新店が続々とオープンし、ラーメン好きの動きも俄然、慌ただしくなってきている。
というわけで、本来であればそろそろ新店特集を書いても良い頃合いなのだが、今回はちょっと一休み。
都内でも屈指の人口集積地である「銀座」にスポットを当て、私が自信を持っておススメできるラーメン店を5軒ご紹介することにしたい。
ご紹介するに当たっては、単なる「銀座の美味しいラーメン店特集」にならないよう、可能な限り、「良店であるにもかかわらず、これまで特集記事で紹介される機会があまりなかった穴場店」や「人気店であっても、花形メニューではなく、これまで注目される機会にあまり恵まれなかったメニュー」などに、スポットを当てることにした。
その点に着目して、ご一読いただければ幸いである。
1.汁そばが定番だが「つけそば」にも要注目!『自家製麺伊藤 銀座店』
ご存知、銀座エリアにおいては、よく知られた存在である『自家製麺伊藤銀座店』。
北区・王子神谷の名店『中華そば屋伊藤』店主のご子息が経営する『自家製麺伊藤』の3軒目としてオープンしたのは、今から3年数ヶ月前となる2014年1月のこと。
この銀座店においても、麺&スープにネギだけを載せた「中華そば」をはじめとする汁そば系のラインナップが人気だが、券売機の下の方にボタンが設置されている「つけそば」も、知る人ぞ知る、いぶし銀の良作だ。
『伊藤』の代名詞のひとつ「煮干し」をフューチャーさせた汁そば系とは異なり、「つけそば」は、同店が持つもうひとつの魅力である、自家製麺のクオリティを強調した作風。
つけダレは煮干しのパワーをあえて抑え込んだ、鶏ベースのオーソドックスな味わい。スープを脇役に徹させることで、主役である麺の魅力がまざまざと食べ手に提示される。
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2.大門の1号店に続く第2の矢も、食べ手の胃袋に命中!『キング軒 銀座出張所』
本年4月27日、銀座一丁目に居を構える広島県のアンテナショップ『TAU』に、劇的な出来事が発生した。それが、今回ご紹介する『キング軒銀座出張所』のオープンだ。
同店は、広島市において高い人気を誇る汁なし担々麺専門店『キング軒』の、東京進出第2号店。2号店がオープンしたということは、大門・浜松町の東京進出第1号店の客足も上々なのだろう。
店舗は、『TAU』のフロアの一画を活用する形。敷居が低くカジュアルな雰囲気を醸し出したイートイン風の装いであり、これなら、『TAU』に立ち寄られた方も、気軽に入店することができそう。
同店で提供しているのは、「広島汁なし担担麺」のみ。啜り上げた麺が口腔内に飛び込む刹那、麺に付着した花山椒から柑橘の薫りが舞い上がる仕様は、他の『キング軒』と全く同じ。鮮烈な辛みとコク深いうま味が印象的な自家製ラー油の存在感も健在だ。
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店名:汁なし担担麺専門キング軒 銀座出張所
住所:中央区銀座1-6-10銀座上一ビルディングTAU1F
電話番号:03-5579-9952
営業時間:[月〜金]11:00~15:00 17:00~20:00(LO:19:45) [土日祝]11:00〜20:00(LO:19:45)
定休日:無休
公式ページ:http://www.kingken.jp/
3.銀座エリアで鴨ラーメンと言えば、『銀座鴨そば九代目けいすけ』で決まり
2014年8月のオープン以来、銀座の一等地で不動の人気を保ち続ける『けいすけ』グループの鴨専門ブランド。
今回の銀座特集では、冒頭で述べたとおり、これまでメディアにあまり登場したことがない店舗や、店自体は有名でも、今ひとつ認知されていないメニューを中心にご紹介させていただいているが、この『九代目けいすけ』に関してだけは、店、メニューともに名が通っていても、特集に掲載したいと考えた。それくらい、個人的にも愛してやまない1軒だ。
何回か別メニューに浮気もしたが、私がどうしても立ち戻ってしまうオススメメニューは、「芳醇鴨そば」。
丸鴨の滋味深い薫りとうま味をスープの一滴一滴に凝縮させたスープは、ひと啜りで脳裏に鴨の輪郭が浮かんでくるような、躍動感のある味わい。
うま味のかたまりである昆布の後押しも相まって、何度スープをレンゲで運んでも感嘆を禁じ得ない名杯に仕上がっている。
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4.瀟洒な「東急プラザ銀座」で堪能。『四川担担麺1841』の担々麺
銀座の中心地のひとつとして、長年、行き交う人の流れを見守り続けてきた数寄屋橋交差点。そんな数寄屋橋交差点の一角に、『モザイク銀座阪急』に代わる新たな銀座の「顔」として『東急プラザ銀座』がオープンしたのは、昨年3月のこと。
こちらの『東急プラザ銀座』に出店するラーメン店で圧倒的に有名なのが、河豚(フグ)から出汁を採ったラーメンを提供する『ふぐだし潮八代目けいすけ』だが、同じ建物の10階に鎮座する『四川担担麺1841』も、隠れた実力店。
店舗は、開放的な半オープンスペース。提供する担々麺の種類は潤沢そのもの。専用のタッチペンで、紙状のメニューリストから所望の品を注文するシステムを採用しているのは、私が知る限り同店だけだ。
オススメは、「マーラー土鍋担担麺」。熱が通った土鍋に横たわるスープは、真紅のラー油と漆黒の中国山椒の辛みが代わる代わる食べ手を強襲する牽引力が魅力。土鍋効果でスープが最後まで熱々に保たれるのも、うれしい限りだ。
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- 四川担担麺1841
- 坦々麺 地下鉄丸ノ内線 銀座駅 C2番出口 徒歩1分
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5.心温まる接客と絶品ニラ玉が、『中華シブヤ』の魅力の源泉!
今回の特集の最後にご紹介する『中華シブヤ』は、都営浅草線宝町駅から徒歩2分程度の場所に佇む、創業半世紀を超える老舗中華。
あらかじめ断っておくが、このエリアは、厳密に解釈すれば銀座エリアには入らないのかも知れない。ただ、銀座の番地を冠するエリアから5分も歩けばアクセスすることが可能であり、今回は、あえて紹介させていただくこととしたい。
こちらの『中華シブヤ』の特徴は、客によって分け隔てされることのない心温まる接客と、同店不動の名物メニューである「ニラ玉」。
壁に貼り出されたメニューリストに存在しない裏メニュー的な存在だが、ラーメンマニア的には、ラーメンにこのニラ玉を合わせた「ニラ玉ラーメン」が必食だ。
熟練の技によって紡ぎ出されたフワフワの玉子とオーソドックスな麺とが口の中で渾然一体と化し、食べ手を恍惚の境地へと導く。玉子の中に仕込まれたニラも、初見なら驚きを禁じ得ないほどボリューミー。
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- 中華シブヤ
- 中華料理 都営浅草線 宝町(東京都)駅 A2口 徒歩2分
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