１．【醤油】渋谷でまず食べてほしい、老舗の中華麺！「喜楽」

 台湾出身の創業者が1952年に開業した『喜楽』は、渋谷のみならず東京を代表する老舗店。「中華麺」は、澄んだ醤油のスープに揚げネギがたっぷり入っており、麺は平たいもちもちの麺とよく絡む。近年、半熟味玉を出すお店が多い中、縁に色がついた完熟味付け玉子は『喜楽』のトレードマークにもなっている。渋谷の若者たちが行列に並んでいる姿もしばしば見かけられるのは、長年通う常連客のみならず幅広い年代に愛されている証だろう。

 一緒に食べたい「餃子」は、やや大きめ。ヒダが丁寧に折り込まれていて焼き目も美しく、餡には刻みにんにくが入っていてスタミナもしっかり。

２．【醤油】ミネラル溢れる食材で、旨みたっぷりの一杯！「純天然だしラーメン アートマサシヤ」

　2011年に開店した、醤油ラーメンの専門店。天然素材を存分に用いてミネラルに溢れた一杯。麺メニューはラーメンと酸辣ラーメンの２種類で、それぞれに「旨口」「旨口α」「濃口」の３種類から選べる。今回は、タレと油の量が少しプラスされた「旨口α」を紹介。スープは煮干、節類、昆布のみを使い、天然醸造の醤油に海塩や黒糖などを加えたタレに合わせている。和風感の強い味わいだが、香味油にラードを使用している事でラーメンらしさもプラス。食材を徹底的に厳選した、ここにしかない一杯を食べてみてほしい。

３．【塩】塩味の滋味あるスープにもワンタンがマッチ！「らーめん 穀雨」

　2012年に開店。醤油味の人気も高いが、塩味も是非食べてみてほしいと思ったので「塩ワンタン麺」を紹介します。スープは、鶏と魚介の中に生姜や香味野菜の香りが漂っていて、口に入れればすっきりした感じが嬉しい。

　しゃっきりと茹でられた中細麺がスープの中で存在感を示して、香ばしい焼豚や、肉が詰まって皮が存在感を見せるワンタンも好印象。店員さんに頼むと「揚げネギ」を別皿で出してくれるので、それを頼んで味変するのもアリです。

４．【塩】佐野実の薫陶を受けた、本格派ラーメンが５階に！「鬼そば 藤谷」

　ラーメン屋だけが入居するテナントビルの５階だが、是非エレベーターに乗ってほしい。店主はモノマネで有名な「HEY!たくちゃん」。モノマネが縁で、故・佐野実さんの最後の弟子としてラーメンの道へ。「鬼塩ラーメン」というネーミングも、佐野さんの「ラーメンの鬼」という異名に由来している。（写真はワンタン、味玉トッピング）

　豚骨と鶏ガラをそれぞれ煮出したスープをブレンド。数種類の塩を合わせたタレで、じんわりした旨みが広がっている。麺は佐野氏が設立した「エヌアールフード」から仕入れていて、滑らかでスープが染み渡る麺の食感にその系譜を感じ取れる。

５．【豚骨醤油】濃厚だがすっきりした後味が嬉しい行列店！「らーめん はやし」

　2003年に開店以来、昼のみ営業、豚骨醤油味のラーメンのみの営業ながら、行列が絶えない（なお、裏メニューとして塩味もあり）。オススメしたいのは、半熟ながら黄身が流れない味玉を乗せた「味玉らーめん」。

　豚骨と鶏ガラをしっかり煮込んで白濁させたスープは、濃く感じながら臭みを出さず、魚介出汁も合わせてすっきり飲める味になっている。麺は力強く、濃厚なスープを適度にすくい上げてくれる。地元の常連さんから観光客までが集う、渋谷の名店です。

６．【豚骨醤油】濃いめのスープに麺も力強く！「麺屋 大和田」

　2016年に開店したばかりの店だが人気を集めている。看板メニューの「大和田ラーメン」は、豚骨醤油味のスープに鶏油を強めにきかせたもの。家系ラーメン店のスタッフが開店させた店という事もあり、「家系」との共通点もあるが、滑らかなスープに麺の軽い縮れなど、「家系」に括りきれない個性も発揮している。

　卓上のニンニクや豆板醤で味を変えたり、昆布酢であっさりさせてみるのもオススメ。

７．【豚骨】二代目が渋谷で守る父の味！「唐そば」

　北九州の名店の二代目が1999年に開店させた店。先代の引退と共に北九州の店は閉店し、唐そばは渋谷のラーメン店として知られていく。「ラーメン」は、豚骨をしっかりきかせながらざらつくことはなく、鶏のまろやかさも加わって旨みを湛えたスープは１日煮込んだもの。滋味がありながらすすっと喉を通っていく。自家製の中細麺は滑らかに茹でられながらコシを残し、スープと調和していく。

　バラチャーシューに青ネギ、キクラゲ、モヤシといったシンプルな具が、スタンダードな豚骨ラーメンを彩ってくれる。先代の味を受け継ぎながら、渋谷の人々を満足させるべく、味を日々改良している。

８．【豚骨】一風堂だけど他と違う原点の味！「一風堂SHIROMARU-BASE」

　隣駅の恵比寿にもあるし、海外にも出店中の「一風堂」。しかし「SHIROMARU-BASE」の名を付けたこちらの店は、通常の一風堂とは味が異なる。「創業当時の特濃とんこつ」を看板に、丼の底に骨のかけらがたっぷり残る、力強いスープが味わえる。写真の「アカマルベース」は、辛味やマー油を加えつつも、スープ自体のインパクトはいささかも揺るがない。

　基本の「シロマルベース」や醤油味の「中洲ブラック」など、ここにしかないメニューが並んでいる。

９．【汁無し担々麺】「神泉のらぁめん屋 うさぎ」

　2007年に開店し、食材を厳選し、素材の自然な旨みを引き出す味で人気の店。豚骨鶏ガラ、煮干し、乾物の水出汁のトリプルスープを使った「らぁめん」が基本メニューだが、負けない人気の「汁無し担々麺」も食べてみてほしい。軽く縮れた太麺は、地粉をブレンドしていてもっちりと存在感を示し、麺に絡む胡麻ダレ、たっぷりかけられた山椒が印象的。舌を適度に震わせつつ、胃袋を刺激する辛さがある。ライスを追加して、麺を食べ終わった後の丼に入れるのもよさそう。