正直にいえば、海鮮丼が苦手だ。魚が良くてもご飯が揃わずなんてこともあるから、出来れば、刺身が好い。と云いつつも、ここの丼は好きだと云うのが、東京駅近く、京橋エドグランに入る「京すし」のランチで提供されている丼だ。
明治初年の創業。八重洲・京橋界隈の再開発に伴って閉店するという話があったが、五代目が跡を継ぎ、京橋エドグランでオープン。行列の絶えない店だったから、再開を喜んだ人が頗る多く、再開時に伺ったときには、「おひさしぶりです」と入ってくる紳士や、ランチの品書きを見て喜ぶOLさん等で、大いに賑わっていた。
さて、そのランチの丼は、鯵、鯖、カンパチと、鉄火を乗せた丼。人気の要因は、それぞれを半分ずつ乗せてくれるという、はーふ&ハーフ丼(980円/鉄火入り1,120円)。
或る日は、軽く〆た薄紅色の鯖に、紅梅色のかんぱち。ご飯が見えないように、びっしりと美しく並べられた姿が美しい。鯖には生姜、かんぱちには山葵が薬味。それ故に、わざわざ醤油皿を二つ出してくれるのも、ニクい心遣い。しかも、飯には生姜。この塩梅の心地よさ。
別の日には、鉄火を入れたもの。紅白の並びも粋で、ねっとりとした鉄火がまたウンマイ。それに、蜆の味噌汁が、また好いんだ。
寿司屋らしく清潔感のある店内と、気取らず気軽な居心地の好さ。永年続く心意気が次世代に継がれることが、とても嬉しい。
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店名:京すし
住所:東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン 1F
電話番号:03-3281-5575