フードメディア・ディレクターの福田美佐子です。
京王線幡ヶ谷駅といえば、新宿から2駅の立地ながら閑静な住宅街と庶民的な商店街が共存する街。そんな街に、女性がひとりでも気軽に立ち寄れて普段使いにちょうどいい酒場が「酒とつまみ 水無月」。
2015年9月にひっそりオープンしていたこちらのお店、和食の基本を押さえつつお酒によりそうような小粋な「酒のアテ」が秀逸なのです。
まずはお手軽で小技のきいた「酒のアテ」からスタート
まずはすぐに出してもらえる、お手頃な「酒のアテ」から。おひとりさまでも気軽に頼めるラインナップ。
「生かぶ 200円」
瑞々しいかぶを切っただけの一皿。さっぱりとシンプルに。
「うの花 300円」
上品で濃厚な出汁の味と桜えびがアクセント。
「鶏ささみの一夜干し 400円」
乾燥しすぎず、ささみも旨味をぎゅっと閉じ込めたジャーキースタイル。
「ゆで卵の塩麹漬け 150円」
半熟卵を丸一日塩麹につけたもの。塩麹の塩味と旨味が酒のアテにぴったり。
日本酒に合う旬の食材を使った「酒のアテ」もおすすめ
そして優しい和食のおつまみは、どれも秀逸。和え物からお造り、焼き物などなど、外れなし。料理人のセンスと丁寧な仕事のよさを感じることができます。
「苺とナッツの白和え 600円」
苺の酸味とナッツの香ばしさとお豆腐の濃厚さが絶妙なハーモニー。クリエイティブでセンスの良さを感じます。
「ホタルイカと生青のりのポン酢がけ 600円」
旬なホタルイカに生のりの組み合わせ。ポン酢でさっぱりといただきます。
「お造り(金目鯛、平目の昆布じめ、しめ鯖、たこぶつ)」
つまむのに丁度いいボリュームのお造り。魚にもこだわりを感じるクオリティ。
「菜の花の豚巻き焼き 650円」
オーブンで仕上げた火入れで、お肉の旨味を菜の花がぎゅっと受け止めている感じ。
日本酒は店内の黒板に記された10種からチョイス
日本酒はその日のおすすめで店内の黒板に10種類ほどかかれています。全体的に優しくて飲みやすいラインナップなので、お料理をちょうど良く引き立ててくれる感じです。
「山本(秋田)純米吟醸ピュアブラック 800円」
甘めな香りに清々しい風味、フルーティーなんですが芯のあるお酒。
「能古見(佐賀)純米吟醸 700円」
「のごみ」と読みます。メロンやバナナを思わせるまったりとした甘い香りですが、米の旨味もしっかりと味わえる上品なお酒。
「沢屋まつもと(京都)守破離 雄町純米吟醸」
守破離の桜ラベル。今期の新酒から香り、甘み、アルコール感をより抑えて、酸味・旨み・良い苦味を主体としているそう。
「墨廼江(宮城)特別純米 中汲み」
すごく爽やかでみずみずしく、クリアな旨味。中汲みのよさが伝わるお酒。
カフェの居心地の良さと酒場感が共存する次世代の名酒場
日本酒に寄り添うように、小粋でひとつひとつに仕事をしたおつまみたちがいとおしい。小さなおつまみたちをちょこちょことつまめる気軽さ、さりげなくオシャレな器、そして居心地のよさに惹かれて集まる若い客層は、まるでカフェの延長線みたい。女性ひとりでも入りやすい雰囲気もとてもありがたい。
カフェの居心地の良さと酒場感がほどよく共存する、次世代の名酒場。飲ん兵衛におすすめしたいお店でした。