おつかれ麺です。オゴポコです。
ここ最近、メディアやネットで”いま、福岡は非豚骨が熱い!”という意見をよく目にします。
でもちょっと待って。
僕の肌感覚では”熱い”とは言っても、それは福岡市内、しかも、中央区近辺に限った話なのではないか、という感じもするのです。福岡市郊外又は福岡市を一歩出れば、そこは果てしない豚骨砂漠が広がる豚骨帝国。まだまだ非豚骨の緑が広がるには時間がかかる、そう思うのです。
とはいえ、ネガティブなことばかり言っていても始まりません。その中央区の、特に中心地として知られる『天神・大名エリア』には、確かに非豚骨は目立ってきているわけですから、思い切ってその非豚骨をまとめてみようというのが今回の趣旨。
ということで、バラエティに富んだ天神・大名エリアの非豚骨5軒を、一緒に見ていくとしましょう。
1.東京の人気油そば店オマージュ!「油そば 七色」
2015年5月にオープンした油そばメインのお店。
福岡で”油そば”と言っても、果たして何人がラーメンの一種だと理解できるのか・・・下手をすると「焼きそばのことやろ?」と言われかねない、そう思います。しかし、開店から間もなく2年が経とうとしている状況、これは大健闘と言えるでしょう。僕もいつ行こうか機会を伺いながら、ずっと気になってました。
何が?
それは、メニュー構成。あまりにも似ているのです。東京の油そば人気店「辛しや@武蔵新田」と!
この日食べたのは『油そば(小)』
納豆キムチ油そば等を載せたメニューだけでなく、卓上トッピング(胡麻、酢、ラー油、揚げ一味等)も、炙りチャーシューという点も含め、先の「辛しや」そっくり。これだけ環境が揃うとカスタマイズも好みに応じて可能なので、自分で好きな味にできる分、外れはないでしょう(基本の味もいい)。麺も関東で絶大な指示を集める三河屋製麺製のようなので、つるもち感十分。
さて自信が確信に変わった後で、早速ヒアリング。
「東京の辛しやと関係あるんですか?」
「辛しやがすごく好きなので、辛しやみたいな油そばを自己流で出しています!」
やはり!この油そば愛あってこその大健闘。福岡で「油そば=七色」と認知されるくらい頑張っていただきたいと思います。
紹介しているお店はこちら!
2.味噌専門店!札幌から空輸した本場の麺使用「味噌蔵ふくべえ」
2016年7月にオープンした味噌ラーメンメインのお店。
麺は、札幌から空輸しているという札幌製麺製の中太卵縮れ麺。入口から一列に伸びるカウンターのみの店内、厨房を見ると中華鍋で煽るタイプの味噌ラーメンのようです。
さてその感想は・・・一言、甘い!仙台、福岡、北海道産の3種をブレンドしたという味噌のおかげか、もしくは、たっぷり200グラム、くたくたになった野菜のおかげか。福岡人の僕が思うくらいですから、結構な甘さです。
札幌味噌ラーメンを持ちこみました、というよりは、九州に合わせた札幌九州味噌ラーメン。これはこれで土地柄にアジャストしている気がします。
最後に気になることをヒアリング。
店内ポップが飯塚、北九州を中心に人気を集める某味噌ラーメン店に似ているので関係を聞いてみましたが、関係ありませんでした!
紹介しているお店はこちら!
3.福岡でキテますトマトと辛麺の新潮流「トマトラーメンと辛めんの店 三味」
2015年11月にオープンしたトマトラーメンと辛いラーメンのお店。
福岡市に限らず福津市内でも見かけるようになった「トマトラーメンと辛いラーメン」二本立てのお店。元をたどると宮崎、延岡で広がりを見せているジャンルのようでして、それが飛び火して?福岡で広がりつつあるようです。「三味」はここ大名店と市内にもう一軒店を構えています。
その特徴はと言うと、先にも述べたメニュー構成。トマトラーメンと辛めんに、リゾットでの〆を推奨する点。そして、豚骨は無し!今回は『元祖トマトラーメン』にしてみました。
麺は細硬ストレートタイプ(これは福岡で流行る重要な要素かも)。ほうれん草、セロリ、そして、ニンニクとトマトが効いたスープがなみなみと注がれおり、ガンガン飲んでもリゾット時に十分なスープが残ります!
さて、気になることをヒアリング。
「(同じくトマトラーメンと辛めんをウリにする)福津市のDOPOと関係あるんですか?」
「え?福津?何ですか?」
とのこと。DOPOで聞いたときはハッキリと「関係ありません」だったので、たぶん、そういうことなのでしょう。
4.東京都杉並区永福ではなく福岡市永福?「中華そばつけ麺 永福」
2017年1月に移転オープンした醤油ラーメンとつけ麺のお店。移転前は南区長住で2013年から営業しておりました。
移転後の場所は、分かりやすく言うと「中華そば郷家 天神店」の真ん前。魚介醤油でありながら福岡で確固たる地位を築いている「郷家」の前に同ジャンルで勝負するとは、素晴らしい勝負根性と言えるでしょう。
この日は『中華そば 650円』を注文。実は、大盛にすると一気に値上がりして1000円の大台になるです!
店名といい、この価格設定といい、連想される店はひとつ。「永福町大勝軒」ですね!
魚介、豚、鶏を組み合わせたスープに、特製中太麺。濁りの強いスープ、魚介も感じますが、動物系強め。麺はふわふわしてやや頼りない面もありましたが、福岡では希少な部類の味です。
さて、最後にヒアリング。
「永福町大勝軒と関係あるんですか?」
「僕、大勝軒マニアだったんですよ!移転前はひらがなの”えいふく”でしたけど、移転して漢字の”永福”にしました」
とのこと。身長は170センチあったかどうか分かりませんが、働いていたわけではないということで。でも「永福町大勝軒愛」は感じられましたので、福岡で「永福町大勝軒インスパイア=永福」と言われるよう(というか他にはなさそうだから言われるのかも)健闘を祈ってます!
紹介しているお店はこちら!
店名:中華そばつけ麺 永福
住所:福岡県福岡市中央区渡辺通5-24-38
電話番号:非公開
営業時間:ランチ営業11:00~15:00 ディナー16:30~22:00(売り切れ次第終了。)
定休日:火曜日
5.この店限定の鶏淡麗系を味わおう「一風堂 西通り店」
2017年2月に店舗改装、メニューを一新し、リニューアルオープンした「一風堂 西通り店」
一階は、東京・浜松町に先行オープンしている立ち飲みラーメン居酒屋スタイルの「一風堂 天神西通りスタンド」となっており、二階が「西通り店」です。
注文は西通り店限定の「一風堂淡麗中華そば」
軽く驚いたのは、麺の硬さを訊かれたこと!でもメニューをよく見ると、白丸元味と同じ丸刃26番の細麺のようなので、硬めもアリということか、と腹落ち。
鶏ガラ100パーセント、鶏チャーシュー、鶏ワンタンの鶏づくし。厳しめに言うと、一風堂にしては盛りつけがやや雑かなーと思いましたが、味は秀逸。
謳い文句は「糸島の北伊しょうゆと鶏ガラ100パーセント。甘くスッキリした清湯スープ」とのことだったので、福岡の醤油ラーメンにありがちな甘々に寄せた感じかと思いきやそうでもなく、鶏の旨味強め!!
これまで何回か一風堂の醤油ラーメンを食べたことがありますが、一風堂系醤油ラーメンの中では一番好きな味と断言できます。これはいいですね!
紹介しているお店はこちら!
店名:一風堂 天神西通り
住所:福岡県福岡市中央区大名1-12-61
電話番号:092-707-3202
営業時間:月~木・日祝/11:00~翌2:00(L.O.翌1:30) 金・土・祝前日/11:00~翌3:00(L.O.翌2:30)
定休日:年末年始
公式ページ:http://www.ippudo.com/store/nishidori_stand/
以上5軒の非豚骨をご紹介したわけですが、実は僕、”非豚骨”という言葉はあまり好きではなく、というか、むしろ嫌いな方。「俺は豚骨”じゃないほう”ではなく”醤油なんだ、味噌なんだ、油そばなんだ”」というラーメンの声が聞こえてきそうでして。
この言葉を耳にしなくなるときが来ることを願って止みません。